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Apocalypse -アポカリプス -  作者: 秋月秋葉
6/26

Episode.5(中編)

 無口のまま後ろをついてゆくと、雑居ビルの裏口に着いた。


 錆びた扉を開けて、階段を下りてゆくと目の前に頑丈そうな扉が、赤い光に浮彫になった。


 「ここよ」


 扉を押して中に入ると、閑散かんさんとしたライブハウスの裏側だった。


 よっ、ほのか、と黒髪の背の高い男性が話しかけてくる。


 「アレは?」


 「待ってるよ。此れだろ」


 処方箋と書かれた薬の袋を5つ渡し、引き換えに茶封筒を渡す。


 「ソロモンの肯定書こうていしょは?」


 「あいかわらずだ、奥にいる」


 そのまま奥くに進んでゆく。


 「彼は櫻木京一郎さくらぎきょういち。現役の医師よ」


 ただうなずくだけだった。


 「さぁ、いらっしゃい」


 あたりにいる人たちが笑いながら見ている。


 「肯定書に会わしてあげる、君がどんな物語を持っているのか」


 まぁ、君がその意志がないならすぐに、と耳元でささやかれる。


 「まて、姫っ!」


 カウンターの下から眼鏡の男性が現れる。

 

 「更科どうした?」


 「あれに会わせるのか?」


 もちろんだ、とうなずくと、更科は「訳が分からない」と言ったのを、無視する形でそのまま奥に行く。

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