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Episode.4
始めに言おう。終始、ここに物語はない。だが、ある一定の存在の概念を語るために、ここに言おう。
魔女は敵だ。≪灰の魔女≫=≪危険要因≫=≪ソレを庇う者≫《同じく魔女を庇う者も同罪である》と不成立な等式のままに、人を導く。
もしも……、人にまともな感情があるのならば。
細部に至るに流れるその紅は、過ちと知りもなお、人を傷つけ貶めるのか。
私の愛しき妹、不条理の中に棲みしアーキタプの遺物を、取り込みしその美しき体。
エピタフに刻まれた、断章の詩。
いくつもの困難に立ち向かうであろうが、生き延びて欲しいと……、いや私の分まで生き延びて欲しい。
魔女という存在は、もう古いかもしれない。
なら私は彼女のことを『罪狩りの魔女』と呼ぶ。
そう、彼女が持つ本は『グリム童話の灰被り姫』。
呪われた炎の灰、もし彼が彼女の負荷を軽減してくれると信じて……。
私は書き手であり彼女の片翼のフリューゲル ■■■




