Episode.10
うつぶせに倒れるほのかの近くまで、今のほのかと同じ銀髪の少女。
「おはつお目にかかります。私の名前は白銀の魔女 神無月 燈羽莉。こいつの姉だ」
ほのかの背中を踏みつけて、同じ足で脇腹を蹴り飛ばすとほのかが仰向けになる。
「こいつが何か知ってるよね、君は……」
ああ、とほのかをわき見しながら答える。
「私はこの世に存在しない存在。そしてやっとこの世に具現化できた存在」
「つまり…ほのかと同類なのか?」
もちろん、とほほ笑みながらさらに、ほのかに向けてさらに銃を撃つ。
ほのかの周りには血だまりができていたが、近寄りたくても釘付けされてるような感覚で近寄りたくても近寄れない。
「お前の姉妹だろ!」
「ああそうだけど……しかしね、もう血縁を切ったの」
「なんで」
魔女同士だから…。と彼女は寂しそうに言った。
「彼女は死なないから、ちょっと黙って欲しかったからこうしただけ」
「そうだろうね……このセッティングだってあなたがやったんでしょ、燈羽莉」
ほのかは傷からも少し出血しつつも、その場から立ち上がる。
「馬鹿な……。不死の魔女と言え2日かかる怪我を負わしたのに……」
「これが、ウィルスの力だよ」
地面に赤い結晶が、砕け綺麗なすんだ音をして落ちる。
「アポカリプス・ゲノムウィルスの能力か……」
「そう……達也は本部に戻って」
わかった。と言って立ち去る達也の背中を見送った。




