Episode.7
さっきステージから数分言ったところに、分厚い隔壁に閉ざされた場所に案内される。
隔壁が開くと、大きな鏡があった。
「これは“パラダイス・ロスト”。つまり……」
「失楽園……」
そう。とさみしげな横顔。
「私の二つ名は“灰ノ不死ナル魔女”っていう忌まわしき名前」
ナイフを持ち出す。
「見るといい」
左腕を壁あて勢いよくナイフを刺すと同時に赤い液体とかすかに動く指先。
やめると、白い部分と赤い部分が露出していた。
「まぁ、見てなよ」
目を逸らしていた顔を上げると、傷口は完全に塞がっていた。
「こうなるんだよ」
僕は声を失った。目の前の惨状に。
「わかったでしょ、私は…死なない。いや……」
「……なん」
僕の言葉を遮るようにほのかは、目玉を抉られても、内臓をぶちまけられようと、杭で……と続けるのを耳をふさぎ「やめてくれ」と怒鳴った。
「わかっただろ、これが魔女なんだから」
鏡の前に立ち、鏡に手をあてると、鏡がが光だし、当てたてが中に吸い込まれてゆく。
「見てなよ」
鏡から抜きだすと、焦げ臭いにおいが漂った。
「それっ……」
「ああ、向こう側だよ」
気が付くと、焦げた腕はもとの腕に戻っていた。




