Butterfly effect
「Butterfly effect」
君が死んだことを知ったのは
晴れか曇りかわからない朝のことだったような
気がするのはどうしてか
君が飛び降りたずっと後の
夜に僕が映画を観て
涙を流したのはどうしてか
たった二回しか話さなかった
ということが本当だとしたら
なぜだろう
その会話がきっかけで
君が死んでしまったのは
「さよなら」
さよならありがとう僕の大切な思い出たち
忘れることなく変質した僕の記憶たち
さよなら取り返しのつかないものたち
ありがとう僕の不幸を断ち切ってください
手のひらにその重さを感じて
彼のかつての痛みを知る
その傷は僕がつけたんだと
空のぬくもりが教える
「蝶になるとしたら」
ひとひらの蝶に
僕はなりたかったのだ
魂が体に縛られているのを感じながら
僕は生き続ける
神か、宇宙か、あるいは両親にもらった
この命が蝶になって
あの虹のかかった空を目指したとしたら
それは諦めに似た雨を
僕たちに降らせるだろうか
さみしく思い出される
空と虹と老人と太陽
僕は蝶になりたかった
そしてそれは叶うことはなく
僕はただ蝶になりたかった人間になった
「刻々と」
時代的無為に流されてはいけないと
言っていた先輩が死んだ
東京の十一月の雪
一カ月早いサンタ
そんな風にして
僕は生まれた
冷たさだけが存在意義だと
言っていたドライアイスもまた
煙のように消えた
時代的無為は無作為であり
逆もまた真であると
いつまでも言っていたときは
刻々と近づいてくる
「涙」
君が一人で泣いた日に
思い出すのは誰だろう
浅い夢にまどろみながら
天にかかる虹を見ながら
僕は大きく
冷たい空気を吸うのです




