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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
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森の中での合流

深い森の中、木々の間から差し込む光が、揺れる影を作り出していた。鳥の声も次第に少なくなり、獣の気配が濃くなっていく。


「そろそろだな……」


クロウフェルが前を歩きながら、周囲に視線を走らせる。セナ、カナト、キティン、そしてブレンネンデスとアキレアも、それぞれ警戒を強めていた。


「ギルドの討伐隊は、どこで待機しているんだ?」

アキレアがクロウフェルに問いかける。


「森の中央あたりだ。ヴァルターを中心に布陣を固めてる。俺たちはそこで合流して、戦力をまとめる」


クロウフェルの言葉に、セナたちも気を引き締める。ヴァルターであり、数々の戦場をくぐり抜けてきた男。その彼が陣頭指揮を執るのならば、討伐隊の布陣は万全なはずだ。


やがて、前方から人の気配がした。


「……いたな」

ブレンネンデスが剣に手をかけながら呟く。


木々の隙間から見えたのは、十数名のギルドの精鋭たちだった。彼らは森の奥に向かって警戒を強めながら、戦闘態勢を整えている。その中心に立っていたのは—


「よく来たな、クロウフェル」


白い髭を蓄え、鋭い眼光を持つヴァルターだった。


クロウフェルが軽く手を挙げながら歩み寄る。


「おう、こっちも準備はできてる。そっちの戦術を確認させてもらおうか」


ヴァルターは静かに頷くと、全員を見渡しながら口を開いた。


「今回の戦術はシンプルだ。パルシャンウルフは魔法こそ持たないが、並のモンスターとは比べ物にならんほどの強さだ。まず、前衛の盾役が突進を受け止め、側面と後方から攻撃を仕掛ける形を取る」


「突進を受け止める? そんなの、まともに喰らったら……」

カナトが呟くと、ヴァルターは静かに頷いた。


「そのために、俺ともう数名が前衛を固める。だが、ただ耐えるだけではない。パルシャンウルフが動きを止めた瞬間、ブレンネンデスさん、あなたが一撃を叩き込め」


「了解した」

ブレンネンデスは短く答え、剣を握り直す。


「カナトさん、キティンさん、あなたたちは機動力を活かして側面攻撃だ。無理に深追いするな。パルシャンウルフの動きを乱すことを最優先にしろ」


「分かった」

「任せて!」


「そして、セナ——お前は奴との戦いの経験があるそうじゃないか、だから動きはお前のしたいようにしろ」


セナは一瞬驚いたが、すぐにヴァルターの真剣な眼差しを見て、覚悟を決めた。


「……分かった」


「お前は一度やつと戦い、生き延びた。その経験を活かして、やつの動きを引き出してくれ」


セナは小さく息を吐き、強く頷いた。その時——


ガサッ……


森の奥から、不気味な音が響いた。空気が変わる。獣の唸り声が、すぐそこまで迫っている。


「来るぞ……!」


ブレンネンデスが剣を構えると、討伐隊の全員が身構えた。


次の瞬間——


木々をなぎ倒しながら、巨大な影が姿を現した。


瞳がギラリと光るパルシャンウルフ。

その強靭な肉体と圧倒的な戦闘能力で生き残って更には元いた主まで倒した


「——ッ!」


その威圧感に、一瞬息を呑む。しかし、迷っている暇はない。


「全員、配置につけ!!」


ヴァルターの鋭い号令が響く。


森の中での死闘が、今、始まる——。


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