プロローグ
2500年、突然変異した力を持つ人間が生まれた。初めは宇宙人だと思われていたもののゲノム解析などを経て人間であることが証明され、フォスを持つ人間が次々と誕生していった。フォスの登場によりこれまでは金がすべての社会だったのが一変し、力がすべての社会へと変わっていった。金の価値がなくなった訳ではない。金を大きく上回るものが登場しただけである。フォスが誕生してからもフォスを金で買う人間もいたため、ある程度の価値は保っている。がフォスを持つものからすると金持ちは従順な犬だと思っておりヒトだとは1ミリも思っていない。
フォスを持つものは5歳から国が用意した専用の学校に入学し教育を受ける決まりになっている。学校は5歳から22歳までの17年生で初等教育から高等教育、専門教育まで学ぶことが出来る。学校以上に学びたいものは系列の研究所に進学することが出来る。フォスを成長段階で持ち始めるものや傍から見て分かりにくいフォス持ちもいるため途中入学者も少なくない。もちろんフォスが無くなったことによる退学者も少なからず存在する。ちなみに子供を学校に預けなかったものは罰金刑に処せられ子との通信の一切も取れなくなる。
フォス中心の社会にもフォスを持たない凡人も存在する。ただフォスを持たないものは幼少期のうちに転生するか、安楽死をする。フォスを持っていないもので歳を重ねることが出来るのは金持ちだけといっても過言ではない。
これはそんなフォスがすべての社会で転生屋として働く1人の少女とお店にやってくる人達のお話である。
「いらっしゃいませ。転生をご希望ですか」