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第4王子ジルエル

 僕はどれだけ眠っていたんだろう。



「あれ、僕はどうして、それに、ここはどこ?」



 僕が目を覚ますと、そこは牢屋みたいな場所だった。

 目の前には器用に植物を編み込んだ格子があり、触った感じや揺すった様子ではびくともしなかった。


 僕は37階層でガンツやリアさんたちと聖石の採取をしていたはずだけど、なんでこんなところにいるんだろ?

 そういえば、誰かに羽交い締めにされて何かの薬を嗅がされたような。

 だんだんと意識がハッキリして記憶が甦ってくるけど、ここの場所が何処だかも、僕をこんな目に遭わしたのが誰なのかも見当がつかない。

 いや、正直にいえば、星光教の狂信者のビルやオリアナも僕を洗脳して連れ去ろうとしていたし、あいつらの仲間なら可能性がある。

 だけど、それなら多分ダンジョン外の場所に連れていかれるだろうし、こんな植物で作った場所に僕を放置なんてことはしないだろう。

 とりあえず、魔法のポーチから火竜の鱗をと思ったけど、魔法のポーチは取り上げられているみたいだ。

 そりゃ、僕の唯一の攻撃手段みたいなものだし取り上げられるか。



「やあ、やっと目が覚めたかい?」



 僕が後ろを振り向くと、牢屋の中の片隅に肩までの髪を真ん中分けにしたイケメンがいた。

 イケメンは着ている衣装も所々プレートが当てられているけどきらびやかだし、まるで物語に出てくる王子様みたいに見えた。

 どことなくクウデリアにも似ている雰囲気を持っているような気もする。

 だけど、王子が牢屋の中にいるはずがないよね。

 ここは僕の知らない場所だし、今の僕の状況についてはこの人のほうが知っているかもしれない。

 少なくとも僕と一緒に武器の携帯もなく牢屋に入れられている時点で、星光教の関係者とかその他の敵ということはないはずだ。

 僕がそんなことを思っていると、イケメンのほうから話しかけてきた。



「失礼、君は一般人みたいだが、なぜここのダンジョンに? ここは王宮所有の最上級ダンジョンで一般人は立ち入れないはずだが?」



 やっぱりここはまだダンジョンの中なんだ。

 1つ情報を得られて少し安心する。

 あとの問題は何階層のどこなのかと、リアさんたちと連絡がとれるのかということだけだ。



「僕は……」



 正直に言ってもいいか少し悩んだけど、王宮所有のダンジョンに一般人の僕がいる不自然じゃない理由が何も思いつかないので、ある程度正直に話すことにする。

 といっても、もちろんリアさんやクウデリアのことや能力に関しては秘密にしておく。

 これで、もしこの人が敵だったとしても、リアさんたちの身の安全や僕の切り札は残る。

 僕は王族のダンジョン攻略に付き合ってたら偶然はぐれて、さまよっている所を何者かに拐われてここにいるという話をしてみた。



「なるほど、理解した」



 イケメンも納得してくれたみたいで一安心だ。



「すみませんが、あなたは誰ですか?」



 僕が聞くとイケメンが髪をかき上げてポーズを取る。



「人に聞く前に自分で名乗るのがマナーじゃないかな。一応、ここの先客はこちらだったのだから」


「たしかにそうですね。僕はアルル・シフォンです」


「僕は第4王子のジルエルさ。お互いにエルフに囚われの身同士、宜しく頼む」



 あっ、この人、本当に王子だったんだ。

 第4ってことはどうなんだろ?

 エルリックより年上なのは間違いないだろうけど、二十歳くらいか?

 僕はともかく、この人はなんでエルフに囚われているんだろう?


 こんな牢屋の中でも様になるイケメン、第4王子ジルエルの顔を見ながら僕はそんなことを考えていた。







読んでくださり、ありがとうございます。


まだまだ拙い文章なのにブックマークや評価してくださった方もいて励みになります。

m(_ _)m

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