ガンツの驚き
本日2話目の投稿になります。
奥深い森の35階層。
ドワーフの里のガンツの工房に僕たちはいた。
「オイラが巫女さんを刺したナイフに込めた呪いか……それはエルフの巫女さんの時を止める呪いだ」
「なんでそんな呪いを込めましたの?」
「別にあんたらには関係ないさ」
「ふーん、そういう態度をとりますの」
あっ、クウデリアが笑顔だけど、こめかみに青筋を浮かべて怒ってる。
「だったら、今すぐにエルフの里に行ってあなたのかけた呪いのナイフを破壊してきますの。そこのアルルが」
「「えっ!?」」
僕とガンツの驚きの声が重なる。
「クウデリア様、そこは僕がやるんですか?」
「しょうがありませんの。私では呪いの解呪は出来ませんもの」
まあ、ここは適材適所ということにしておこうかな。
僕は呪いのダガーをガンツに見せつける。
10秒に1回不運が訪れるはずの呪いがかかってるはずだけど、未だにそれらしい効果は現れていない。
ガンツが僕の方を見る。
「たしかに、オイラの武器の呪いが効かないあんたなら、方法はわからんけどオイラの呪いも壊せそうだな。しょうがないから全部話すよ」
ガンツが椅子に腰かけて話し始める。
「普段はオイラたちドワーフは35階層に住み、エルフたちは39階層に住んで離れて暮らしているんだけど、1年に1度、37階層の生命の樹のあるところで神事をしてたんだ。生命の樹をダンジョンに持ち込む際にエルフが苗木を提供して、オイラたちドワーフがそれを運ぶための技術を提供して、それなりにオイラたちはうまくやっていたんだ」
ガンツが続きを話してくれる。
「だけど、ある神事の時に見たエルフの巫女さんにオイラはうっかり目を奪われ惚れちまったんだ」
「あなたの様子を見ていると、種族の違いでフラれてやけになったというわけではなさそうですけど」
「もちろんさ。オイラはドワーフだし、向こうはエルフ。そもそも気持ちを伝えたりもしてねえさ。ただ、元気で幸せでいてくれたら良かったんだ」
「…………」
「でも、去年の神事の際に見たときに巫女さんの体調が悪そうだったんで、心配になって見に行ったら、怪しいフードを被った連中とエルフの誰かが巫女さんの治療をしているところだったんだけど……あれは治療なんかじゃねえ」
なんだろう、ガンツの話しに出てきたフードを被った連中って言葉がすごく気になる。
「それで?」
「怪しいフードを被った連中は巫女さんの中に蠢く黒い光をいれたんだ」
「そうしたら、エルフの巫女さんが苦しみだして、すぐに収まったんだけど、そのあとは定期的に苦しむように、そして、巫女さんの体の胸のあたりが異形の化け物になったように見えたんだ…………でも、誰に言っても信じてくれないし、オイラは不安な気持ちと助けたい気持ちで自分の能力にかけてみて出来たんが、あの呪いのナイフだ。あとはオイラは無我夢中でエルフの里に行ってナイフを突き刺していたんだ」
ここまで説明されたら、もう間違いない。
目的はわからないけど星光教の奴らが関わっている。
「クウデリア様、リアさん」
「ええ」
「ふむ」
2人とも僕と同じ結論に行き着いているようだ。
「エルフの里に行く必要がありそうですね」
僕たちのほうの事情を知らないガンツは心底驚いたような顔をしていた。
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