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VS 雷電鳥2

 大空に島々浮かぶ33階層。


 僕は終わりの島で1人、雷電鳥と対峙する。

 そうは言っても、戦闘力なんて皆無の僕を雷電鳥は気にしていない。

 雷電鳥が気にしているのは、始まりの島へ向かい、再びこちらに向かおうとするクウデリアたち。

 自分の領域である大空を汚すのは許さないとでも言いたげに、今も鋭い視線を向けている。

 嘴の間の物質に溜まる電圧が尚も上昇を続ける。



「僕の手なら大丈夫、防げる」



「はず」と、本当は言葉の最後に付け加えたかったけど、それはやめる。

 僕が震える膝で雷電鳥に立ち向かうために、今は自己暗示でも何でも利用してやる。



「クウデリア様たちは僕が守る」



 雷電鳥の大技、物質を雷の力で加速させて打ち出す攻撃は、もういつ放たれても不思議じゃない。



「このやろ!」



 僕が石とかを投げて雷電鳥の注意を引こうとしても、ターゲットは変わらない。

 それどころか、帯電する電圧のせいか当たりすらしない。

 僕のことは完全に無視だ。

 だったら、僕があいつの視界に入るには、あいつの前に立つしかない。


 震える足で射線上に移動する。

 僕と雷電鳥の距離は7メートルくらい。

 どんな軌道のどんなスピードの攻撃かはわからない。

 僕の能力の耐性範囲は手のひら部分だけ、この距離だと反れたりして反応できるか微妙だ。

 僕は一歩一歩、雷電鳥の前に歩み出る。



「ここなら、いけるかな」



 僕と雷電鳥の距離は1メートルもない。

 ここならどんな軌道でも僕の手に当たるはず。

 雷電鳥はこの技に余程自信があるのか、ここまでされても僕のことは無視したままだ。



「さあ、こい」



 僕の言葉がわかるわけないし、合図になるはずもないけど、雷電鳥の大技が放たれた。

 それは、直線上にエネルギーの奔流を放つ技のようだ。

 さっきの放電なんて比べ物にならないくらいの大音量に鼓膜が破れそう……っていうか、もう破れたかもしれない。



「怖いし痛いけど、ここは絶対に動かない」



 僕の両手は攻撃に耐える。


(《電撃耐性(手)》レベル2が、《電撃耐性(手)》レベル3になりました。《電撃耐性・・・《衝撃耐性(手)》が《衝撃耐性(手)》レベル2に上がりました。《衝撃耐性・・・)


 えっ、何、この能力のレベルの上がり具合。

 めっちゃ怖すぎるんだけど、どんだけ強力な一撃だっていうんだ。

 しかも雷電鳥の一撃は、まだまだ勢いを失っていない。

 十秒ほどたち、ようやく威力が落ちてきた。



「もうちょいだけ耐えきれば僕の勝ちだ」



 そう思ったとき、僕の足元が滑る。

 《衝撃耐性(手)》や《電撃耐性(手)》で攻撃はきかないけど、衝撃耐性なだけで勢いまで全部消せてはいなかった。

 僕は攻撃を受け止めながら後ろに少しずつ押されていて、最後によろめき数歩だけ、さらに後ろに下がる。



「えっ……うわっ!?」



 そこに地面はなかった。

 僕は終わりの島から落下する。



「このままじゃ」



 死ぬ。

 まだ死ねない。

 死にたくない、そう思った。

 死なないために何か……。



「ポルルルル」


「ポルンっ!」



 僕が諦められないと思っていると、何もない中空をダッシュしてきたポルンが僕の体を空中でキャッチする。


「ポルル」


「僕の手でポルンの体に掴まれってこと?」


「ポル」


「わかった」



 雷狼状態のポルンに手だけで掴まる。

 ポルンは下にいた空魚に放電を放ち、帯電させると、それを足場に上方に跳ねた。



「すごいじゃないか、ポルン」



 こうして、僕は再び雷電鳥と対峙する。

 だけど、今度の僕は1人じゃない。



「待たせたな、アルル」


「落ちそうになったのを見たときには、心臓が止まるかと思いましたの」


「リアさん、クウデリア様」



 僕たちは終わりの島で集合することができた。

読んでくださり、ありがとうございます。


まだまだ拙い文章なのにブックマークや評価してくださった方もいて励みになります。

m(_ _)m

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