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55/161

VS 雷電鳥

 大空に島々浮かぶ33階層。


 僕たちは、まだ始まりの島にいた。

 今日でこの階層も5日目、僕たちも自分たちの能力とゆっくり向き合い、全員自分の能力にもだいぶ慣れることが出来た。

 とくに、雷狼状態を会得したポルンは新しい技をいくつか編み出していた。

 そろそろ、出発してもいい時期だと思う。

 他のみんなの意見も僕と一緒で、僕たちはここの階層の攻略を開始する。



「クウデリア様、それでは僕たちの運搬をよろしくお願いします」


「わかりましたの」



 僕は《封印耐性(手)》の効果で、クウデリアの《天使の移し身》の効果を一部発動する。

 クウデリアは純白の翼を生やし、準備は完了だ。


 対岸にある、終わりの島までは今のクウデリアの飛行スピードでも往復5分程度はかかるはず。

 最初にクウデリアに僕とポルンを運んでもらい、帰りにポルンがクウデリアの護衛として一緒に始まりの島まで戻り、最後にクウデリアにリアさんとポルンを運んでもらう。


 うん、終わりの島で僕が1人になる時間が5分あるってこと以外は問題ない。

 でも、5分くらいなら僕1人でもいけるだろう。



「いきましょう」


「はい、ですの」



 僕とポルンが、クウデリアに抱きかかえられて運ばれていく。

 初めて足を踏み入れる終わりの島は見通しが思ったよりいいし、大丈夫そうだ。



「なるべく早く戻ってきますの」


「ポルル」



 僕は1人になる。

 クウデリアたちが離れたあと、僕が振り返るとそこには雷電鳥ホルスが鎮座していた。



「!?」



 え、なんで、どういうこと。

 このタイミングで雷電鳥がここにいるっていうのはあり得ないんだけど。

 それに遠目からしか見ていなかったせいか、ちょっと実物は小さい気もする。

 翼を拡げた全長もいいとこ、6メートルくらいか。

 とはいっても、鳥として巨大なのは変わりないけど。



「おーっと、僕って、大ピンチ」


「キエェェェ」



 雷電鳥は僕を見つけて奇声を上げた。

 やる気か。

 雷電鳥が、その広い翼を最大に拡げて、帯電量をあげていく。



「くるっ!」



 そう感じた瞬間、僕はほぼ無意識に手を前に付きだす。

 それと同時に雷電鳥から全方位に放電が開始され、僕の《雷撃耐性(手)》とせめぎ合う。

 何、これ、めっちゃ怖いんだけど。



「でも、なんとか防ぎきれたぞ」


(《電撃耐性(手)》が、《電撃耐性(手)》レベル2に上がりました)


 ポルンの雷狼状態との訓練と、雷電鳥ホルスの観察をずっとやってきたことが活きた感じだ。



「キエェェェ」



 放電を終えた雷電鳥が雷を纏ったままの嘴を上下に大きく開ける。

 なんだろう、何か大技を仕掛けてきそうな雰囲気なんだけど、ただその狙いは僕じゃない。

 雷電鳥の視線の先を見ると、そこには島と島の間を飛行するクウデリアたちがいた。

 打ち落とす気だ。

 上下それぞれの嘴に紫電を纏わせながら、嘴の間にある何かの物質に雷の力を集中して加速させて打ち出す準備をしている。

 避ける? 逃げる?

 多分、どちらも無理だ。

 あれだけ激しい放電だったけど、クウデリアたちが、こっちの状況に気づいているかもあやしい。

 かりに気付いていたとしても対応は不可能だろう。

 だったら、僕が出来ることをする。



「その攻撃、僕の手で受けきってやる」



 僕は震える膝に力を込めて、1人で雷電鳥に立ちはだかった。






読んでくださり、ありがとうございます。


まだまだ拙い文章なのにブックマークや評価してくださった方もいて励みになります。

m(_ _)m

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