VS 騎士2
森と草原の広がる29階層。
コボルトの里。
襲撃者のザザン・シュバルツが僕の能力を警戒して、封印系の道具の玉を使おうとしている。
「リアさん、あれって、くらったら不味いですかね?」
「ふむ、不味いだろうな。アルル私の後ろに下がれ」
「わかりました」
僕は少し後ろに下がり、僕とザザンの間にリアさんが入る。
そんな僕らの動きを余裕の表情を浮かべながら見ている、ザザン。
「まあ、上からの話では封印自体に痛みはないらしいから、そう怖がらなくていいぞ。ただ俺にはわからんが剣も扱えない奴には屈辱的な気持ちを与えるらしいな。今まであった魔法や能力の恩恵を何一つ感じれなくなるんだから、当然か。さっきも言ったが本当なら王女に使って、聖女様とまで呼ばれる高貴なお方の綺麗な顔が悲壮感に支配されていくのを見たかったが、しょうがねぇ。お前の顔で我慢してやるよ」
ザザンが何やら文言を唱えると、玉が僕に向かって飛んでくる。
リアさんが途中で叩き落とそうとするが、「させねえよ、折角の貴重品なんだ。大人しく見ておけ」と、ザザンに邪魔される。
玉は結構な速さだ。
僕は条件反射的に、とっさに手をつき出してしまう。
って、これじゃ、玉が僕に当たるのは変わらないじゃん。
「あっ」と、言うのと同時に玉が僕の手に触れる。
玉の禍々しいオーラが僕の手に纏わり付く。
このままだと、僕の能力が封印されてしまうのか。
そう思っていると、
ピコーン。
僕の頭に聞き慣れた音が響く。
(《封印耐性(手)》を獲得しました。《封印耐性(手)》が《封印耐性(手)》レベル2に上がりました。《封印耐性(手)》レベル2が《封印耐性(手)》レベル3に上がりました。《封印耐性・・・)
僕は《封印耐性(手)》レベル5を獲得した。
いつの間にか僕の手にあった禍々しいオーラが消えている。
あれ? 僕の頭に声が聞こえたってことは僕の能力は消えてないんじゃないか。
良かった!!!
これで、毒鳥の卵や火竜の鱗もまだ扱うことができる。
僕が安心したのもつかの間。
「ぐはっ」
「リアさんっ!」
リアさんが僕のほうに蹴り飛ばされてきた。
僕はリアさんに駆け寄ると、リアさんは頭のどこかを切ったみたいで、血が少しずつ滴って視界を妨げ鬱陶しそうにしている。
「リアさん、大丈夫ですか?」
「なんとか大丈夫だ。しかし、このままだと確実に殺されるな」
「たしかに。リアさん、とりあえず止血薬だけでも塗っときますよ」
僕はリアさんの頭の傷に止血の軟膏を塗る。
すると何故かまたピコーンと音がした。
なんで、このタイミングで音がするんだろ?
不思議に思っていると、
(《封印耐性(手)》の効果により、従魔リア・ウィリアムの能力を一部解放しますか? yes/no)
いつもの謎の声は、そんな言葉を言ってきた。
何、この展開。
リアさんが従魔? リアさんの能力を解放? しかも疑問系って、僕に選択権があるってこと?
だいぶ能力の獲得にも慣れてきていたと思っていた僕でさえも、どこから驚いていいのかわからない。
何なの《封印耐性(手)》って!?
「アルル、今の声って一体なんだ? なんか従魔がどうとか……」
今回の言葉はリアさんにも同時に聞こえていたのか?
「何かわかりませんが僕の手の新しい能力で、リアさんの眠っている能力を解放できるみたいなんです。どうします?」
「どうしますも何も我々のこの状態で断れるわけはないだろう。遠慮なくやってくれ」
「わかりました」
僕はyesを選択する。
(従魔リア・ウィリアムの能力、《剣の才》の一部を解放します)
リアさんが獲得していた能力。
《剣の才》。
今まではとくに意味があるのかないのかわからない能力だったけど、わざわざ声が解放すると教えてくれたくらいだから何か状況を変える力であっていてほしい。
「リアさん、どうですか?」
「アルル、これはすごいぞ」
リアさんが興奮している。
この反応、リアさんに何か変化があったに違いない。
「この場にある剣たちの気持ちが、よく伝わってくるんだ」
あれ、リアさんが、ちょっとおかしなことを言い出したぞ。
それって、この状況をどうにかしてくれるものなの?
剣を扱わない僕には今一つわからない変化だった。
読んでくださり、ありがとうございます。
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m(_ _)m
時々、加筆、誤字修正を勝手にしており申し訳ありません。




