はる と なつ と あき と ふゆ と 大人版
はる と なつ と あき と ふゆ と 大人版
しんとした雪景色の中、ゆっくりと起きてくるのは、春です。
春はとっても優しくて、力持ちです。
春は目が覚めると、まだ眠っている種や草木を力強く、でも優しく起こして回ります。
スギやヒノキもバンバン起こします。
種は芽を出し、草木は春から元気をもらって、花を咲かせ、若芽を出してお礼を言います。
スギやヒノキも花粉をいっぱい出して、お礼をするのです。
春もきれいな花や若葉、ヒノキやスギにもお礼を言って、夏を起こしに行きます。
夏は花粉症です。
春が起こしに来ると、決まってケンカです。
でも春には勝てないので、いつも泣いちゃうのは夏です。
それが梅雨になります。
夏は春にスギやヒノキを起こして欲しくないのです。
春が眠ってしまうと、夏は春が起こして元気になった草木の姿を見て、はしゃぎだします。
そして、どんどん暑くしてしまいます。
夜通し、はしゃぐので、毎日が熱帯夜です。
でも時々、春を思い出しては、くやし涙の夕立を降らせますが、ほんの少しなので干ばつになります。
夏があんまりにもはしゃぐので、むっくりと起きてくるのは秋です。
秋はお年寄りですが、とっても物知りで、世話好きです。
夏にあんまりはしゃぐと、草や木が暑くて倒れてしまうよと話して聞かせます。
そして夏を寝かしつけると、草や木に種の作り方や、美味しい実のなり方を教えます。
きれいな赤や黄色の葉っぱに変わる方法も教えます。
でも最近は考え込まないと、その方法が思い出せません。
秋が考え込むと、渦が回り始めます。
その渦が台風です。
ここのところは、物忘れが激しくて、ものすごくよく考え込まないと思い出せません。
そしてスーパー台風が発生します。
その台風に起こされるのが冬です。
冬はとにかく寝ていたいのです。
だから、みんなも早く寝るように冷たい風を吹いて、草木を眠らせようとします。
草木はその寒さに、葉っぱを落として眠りに入ります。
それでも寝ない木や動物たちを眠らせようと、冬は雪を降らせます。
ガンガン降らせます。
そして辺り一面がものすごい雪の中に隠れて、動くものがなくなると、大きなあくびをして、春を起こさずに、寝てしまうのです。
春は、いつ来るのでしょう。
おしまい




