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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
呪殺師は可愛い男の子が好き

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結界設置班

 多摩丘陵の一角にある、総面積五百坪はありそうな豪邸。


 この邸宅が、呪殺師ヒョーのターゲットにされた権堂ごんどう正三しょうぞう氏の住居だ。


 屋敷の閉める面積は、その中の二割ほどで、八割は庭園。


 その庭園の中で一際目立つのは、高さ十メートルはありそうな築山。


 近所の人々は、権堂富士と呼んでいるとか……


 確かに、塀の向こうで夕日を浴びている小さな山は、富士山に見えるな。


 というか、富士山を模して作ったのだろう。


「しっかし、どんな悪いことすれば、こんな大きな家に住めるのかしらね?」


 声の方を振り向くと、樒がバイクから降りるところだった。


「樒。悪いことをしないと、お金は稼げないと決めつけているのか?」

「ええ!? 違うの」


 権堂邸の門前で樒とそんな事を話している僕たちのそばに、茶色の軽自動車が止まった。


 トヨタのピクシスエポック。芙蓉さんの車だ。助手席には、ミクちゃんが乗っている。


 芙蓉さんの車が止まったとたんに、門扉が自動的に開き始めた。


 運転席の窓が開いて芙蓉さんが顔を出す。いつもの巫女装束だけど、これって運転に支障はないのかな?


「二人とも、私の後から着いて入ってきてね。バイクをそこらに止めちゃだめよ。駐車監視員《緑の人》がやってくるから」


 僕たちはバイクのエンジンをかけて、軽自動車の後を追って屋敷内に入っていく。


 ふと、権堂富士の方に目を向けた。

 

 ん? 山頂に誰か人がいる。あんなところで、なにをしているのだ?


 おっと、よそ見運転は危ないな。


 視線を一度前方に戻してバイクを停止させ、もう一度権堂富士の方を見た。


 あれ? さっきの人がいない。


 もう山を降りちゃったのかな?


 いけない! 芙蓉さんの車から引き離されてしまった。


 バイクを走らせていると、ほどなくして玄関前に着いた。


 玄関前には、芙蓉さんの車と樒のバイクの他に、白いワゴン車が一台停止している。


 ワゴン車の横には、『霊能者協会』とロゴが入っていた。


 先に来ていた結界設置班の人達の車だな。


 作業服姿のおじさんが、図面を広げて芙蓉さんに見せている。


 結界の設置状況を説明しているのだろう。


 バイクを止めて、ヘルメットを取ると芙蓉さんが僕の方を見ていた。


「優樹君。なにをしていたの?」

「いや、築山の上に人がいたものだから、気になって……」


 それを聞いて、結界班のおじさんが僕の方を振り向いた。


「ああ! それはうちのスタッフだよ。築山の上から、結界の設置状況を、写真に撮っていたんだ」

「ああ、そうだったのですか」


 その時、樹木の陰から作業服姿の女性が出てきた。


 大きなマスクとサングラスで顔はよく分からないが、歳は二十代後半ぐらいだろうか?


 女性はデジカメをおじさんに差し出す。


「主任。写真を撮ってきました」

「おお、ご苦労さん」


 おじさんはデジカメの映像をチェックすると、芙蓉さんの方を振り向いた。


「では、御神楽さん。私たちはこれで引き上げます」

「お疲れさまでした」

「結界が式神に破られる事はないと思いますが、人の進入は結界では防げません。万が一、結界の内側に術者に入られたら終わりですので、十分お気をつけ下さい」


 そう言い残して、結界設置班の車は帰っていった。


「よく来てくれたな」


 結界設置班の車を見送っていると、突然背後から声をかけられた。


 振り向くとそこには、すっかり頭髪が禿げ上がった小太りの爺さんが白いスーツを纏って立っていた。


 今回の依頼人、権堂正三氏だ。


 不動産業を営んでいて、年齢は今年で六十九だと言う。

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