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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
事故物件2

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救援

 悪霊はしばし、警戒するような視線をネズ子に向けていたが……


「ふん! どうせはったりだろう。ほとんど戦闘力のない式神に何ができる?」

「何ができるかって? 例えば、ここの扉の鍵を開いて……」


 ネズ子は、扉に掛かった鍵を解除した。


「救援を招き入れるくらいの事は、あたしでもできるでちゅ」


 ネズ子は扉を開いた。


「なに!? 救援だと?」


 ドタ! ドタ! ドタ!


 誰かが階段を駆け上がってくる音が響く。


 扉から現れたのは……


「優樹! 大丈夫!?」

「社君! 助けに来たわ!」


 樒! それに先生!


「何が救援だ! そんなもの!」


 無数の蔦が、樒と先生の方へ群がっていく。


 だが……


「な……なに!」


 蔦は二人の身体に触れる事もできず、その数十センチ手前で消滅してしまっていた。


「結界だと!?」


 そういえば、樒はいつも強力な神具を携帯していると聞いていたな。それがあの結界を張っているのか。


 たぶん、先生も似たような物を持っているのだろうな。


「おのれ! なんて強力な結界。だが、そんなものでいつまでも守れるなどと思うな」


 魔入さんの結界はあっさり壊れたから、それを期待して言っているのだろうか?


 しかし、二人の結界は簡単に破れそうにない。


 そうしている間に、樒がスッと右手を前に突き出した。


 指で空中に格子を描きながら叫ぶ。


「臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」


 樒の九字切りを受けて、魔入さんの身体から悪霊が弾き飛ばされるように離れた。


 続いて先生が、マシンガンのような銃を構える。


 もちろん、日本の法律でそんな物騒な物を一般人が持てるわけがない。


 以前に先生から見せてもらったから知っているが、あれは電動式のエアガンで、退魔弾を毎秒十一発連射できるらしい。


「よくも私の可愛い教え子を虐めてくれたわね! 許さないわよ! この変態悪霊!」


 先生がトリガーを引いた。


 無数の退魔弾を浴びて悪霊は消滅していく。


 しかし、まだ完全には消滅しない。


「おおおおおお……おのれ……」


 消えかけている悪霊に向かって、樒がガラス瓶のような物を向けた。


「あああああ……吸い込まれる!」


 悪霊が瓶の中に吸い込まれていく。


 完全に吸い込まれたところで樒は瓶に蓋をした。


「封印完了」


 あのガラス瓶、悪霊を封印できるようだが、樒ってあんなアイテム持っていたかな?


 あれ? 手足が動く。


 いつの間にか僕を拘束していた蔦は綺麗さっぱり消えていた。


 さっそく、立ち上がってみたが……


 あかん! 立ち眩みが……


 倒れる!

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