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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
事故物件

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昨日のあれ?

 学校へ向かうバスの中で、小山内(おさない)先輩から話しかけられたのは、六道魔入の件があってから数日後の事。


「ねえ、(やしろ)君。昨日のあれ。大丈夫なの?」


 唐突に意味の分からないことを言われた。


「昨日のあれ? なんの事ですか?」

「テレビ見ていないの?」

「テレビなら見ていましたけど……」


 そもそもテレビと言ったって、チャンネルが一杯あるのだから、他人が自分と同じ番組を見ていると思われても……


「テレビって、どのチャンネルですか?」

「スマホに録画してあるから、ちょっと見て」


 いったい、どうしたのだろう?


 小山内先輩のスマホ画面に現れたのは、録画されたテレビ番組。

 

 番組タイトルは『六道魔入の怪奇レポート』。


 ああ! 放送日は昨日だったのか。すっかり忘れていた。


 別に見たくもないけど……


『私、六道魔入は自殺者の霊が出るという事故物件に潜入する事にしました』


 千尋さんの声によるアナウンスと同時に、この前行ったマンションの全景が映る。


『しかし、ここで六道魔入に最大の危機が。部屋に入った途端に、霊能力が失われてしまったのです。このままでは、霊から身を守ることすらできない。そこで六道魔入は助けを呼ぶことに』


 助っ人?


『彼は霊能者協会より派遣された少年霊能者』


 モザイクで顔が消された僕の姿が映る。


『彼から霊能力を分けてもらう事によって、六道魔入は霊能力を回復したのだった』


 おい……完全に嘘じゃないか。


 まあ、抱きついているシーンはカットされたから良いけど……


「この少年霊能者って、社君よね?」

「え? いや……まあ、そうですけど。どうして分かったのです? モザイクかかっているし……ああ! うちの学校の制服着ているからですか?」


 それに対して、小山内先輩は首を横に振る。


「少しだけ、モザイクが外れて素顔が映っているシーンがあるのよ」


 なんですとお!?


 小山内先輩が早送りして、問題の箇所を見せてくれた。


 確かに、十数秒であるがくっきりと僕の顔が映っている。


 なんでこんな事に?


 幸いな事にマイナーな番組だったので、学校に行っても話題にはなっていなかった。


 もちろん、番組を見た人が居なかったわけではないが、モザイクが消えた画面に僕が映っていた事に気が付いたのは小山内先輩だけのようだ。

 

 それでも、一人の教師が番組を見ていて、僕の顔が出たことに気が付いてしまっていた。

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