500日経過
気がついたら500日たってました……。
魔物的なやつを倒せるまで外に出ないようにするとか考えてたんです。最初は。
いや〜、馬鹿でした。ほんとに。
洞窟の中に魔物が入ってこないとなんで思ってたんでしょう。
はい。来ました、魔物。たくさん。
はじめの20日くらいは平気だったんです。
スライムだけだったので、吸いました。
倒せなかったので、吸いました。黄色いやつはちょっとビリビリしましたけど、他はゼリーみたいで美味しかったです。
その後は困りました。ツノの生えたウサギとか二足歩行のブタとか。ほんとに困りました。だって、倒せないんですよ? 頭穴あきになっても何しても、時間が経つと元に戻るんです。さすがにおかしいと思いました。それで、一回解剖したんです。そしたら紫色の石を見つけて、割ろうと思ったんですけど、割れませんでした。何やっても割れないんです。なので、一回共食いさせることにしました。ウサギとブタを戦わせたんですけど、やっぱり石割られると死ぬみたいです。じゃあなんで俺が倒せないのかなと考えてみたら……ありました。心当たり1つだけありました。
攻撃犠牲じゃないかと。攻撃に魔力使えないやつです、はい。推測ですけど、あの石に一定以上の攻撃的魔力を込めると倒せるんじゃないかなと。
はい、これで俺は冒険者になれないことが決定しました。魔物狩れないとか、不憫すぎますよ。女神様、ちょっとひどいんじゃないですか?魔物の蔓延るこの世界で魔物倒せないとか。
まぁ、女神様のことはおいといて。
しょうがないので罠で仕留めることにしました。もちろん、自分では倒せないので共食いです。
落とし穴にウサギを入れてツノ以外埋めて針のむしろにしてみたり、糸が切れたらウサギが飛び出るようにしたりしました。おかげで食うには困りませんでした。
今までの間それだけやっていたかと言われるとそんなことはなく、ひたすら指を鍛えました。あとは体幹とバランス感覚ですね。大抵のものは指で貫けるようになりました。壁に垂直に立てるようになりました。鍛練の成果ですね。
そんなこんなで、500日たったので洞窟を出ることにしました。まずは人のいるところに行きたいな。