第十二話『ギョーザの歩兵』
今回は前半が日向視点、後半は和視点です。
「どこいってたんだよ春雨ちゃん、まさかまた女子たちと戯れててたのか?」
「ええっ!?まさか…僕はちゃんと自分の部屋で仕事の準備をしていたんですよぅ…!!」
「ウソつけ!ならその髪に着いてるのは何なんだ?」
春雨の周りに集まっておもしろそーな会話をするあいつら。
これがガールズトークというやつかー?…あ、違うかー
「あー腹へった…日向ーいま何時だよ?」
「えーっとただいま六月…」
「九月だろ…その辺どうでもいいからじか…」
「四日…あり、もう三日目だったのか」
「だから時間は!?」
それよりもこの部屋、人が戯れて狭いんだよなー、あひゃ
別に部屋はここだけじゃなくても良いようなー…
…そーだー
「よし、この部屋狭いしカベを壊そうーーーサクサクサク」
「OK~~!」
「かのなかばはらえまお」
隣の部屋は確か…
ビャクラとかいう奴のだったかなー…あービャクナだったか?
…とにかく知ってるヤツの部屋だから壊しても平気だよなー!
ウィィィィィィィィン
「何この音結構大き…あぁっっっ!!!!!!わかった!!!!」
おー和がいつもみたいに叫んでるー。
まーいっかーー
ギィィィィギギギィィィィィ…ガコン
「おー広ーーーーーい」
「いやー今までやらなかった俺ら馬鹿だわ~」
「これならテニスも出来んじゃね??」
「いいですねー、テニス!!」
「水玉呼んでこよ~ぜ~!!テニスだ~」
「よっしゃそうと決まればここの荷物どかして準備だ!」
…んー?誰か来たっぽいなー…
「ハァ…ハァ…」
「んー?どーしたんだ和ー?」
和が何故か見回して呆れ顔になった。
「やっぱりか…!やらかしたなぁ!!!?」
あ、怒られたー
「あれ?何でそんなにイライラしてるんだー?…まあいっ「よくないわー!!!」
えー?
何故和が怒るのかどーゆータイミングで怒るのかよくわかんなーーい…
…本当になんでだろ?
「この際言っとくけど、あんたたち普通ならとっくに犯罪者か、それに近いと思われても可笑しくないよ?本当の犯罪者と言っても過言では無いんだよ!??」
「え?犯罪者がいるのですか?どこですか!?」
「春雨…ごめんしばらく黙ってて…あと犯罪者ってあんたたちのことだし…」
「ええっ!?じゃあ自首ですか!!?」
「そうしてほしいくらいだけど…逆に問題だからとりあえずやめといて冗談半分だし…とにかく、今後一切 器物破損をしないこと!」
「どゆこと?」
「誰かこいつをしばいて…」
「ないいとるいがつやういうそ」
「じゃあちゃんと…元に戻しといてね…」
案外早く説教終わったな~…けっこーびっくりー
「よしテニスやろうか!」
「話を聞け」
「いで」
…和から初チョップを喰らってしまった
「ちょっと正座でもしたら?」
「セーザ?」
「…」
セーザって何だー?えっとー…あ、あれのことかー
「よしとってくるー」
「何を!!?」
*****
――――いったい何を取ってくるんだろう…新たな武器でも出てきたら、手の打ちようが無いなぁ…
扉が開いて日向が入ってくる。すんなり入ってくるようなので、持ってきたのはとんでもない大きなものではないようだ。
大きいもので無いからといって…油断はできな___
「ギョーザ三万七千人前」
とんだ勘違いだった。
大きなトランクケースを幾つか連ねてゆっくりと室内に来た。
「何でギョーザなの!!!??」
「和が持ってこいっていったんじゃないかー」
「言ってないと思うけど!!!??」
「それで、和が気になるのは恐らくどの様にそのギョーザを持ってきたのか、というところ…ですか?」
「あ、そうだ!春雨ありがとう よくわかるようになったよね。それで日向それってどうやって持ってきたの?」
「ギョーザの歩兵に侵入したー」
「懲役二年だねー」
「うぉぃ水玉!!!?」
突然現れる水玉。彼女の神出鬼没なところは未だに慣れない…
「あれれー?そんなにびっくりすることないよー!はい和ちゃん、一億円!」
「何で!!?」
「日向くんが無断で和ちゃんの一億使っちゃったからだよ☆」
「…いっそそのまま貰わないって選択肢は無いわけ?」
「無いよ!ドヤァ☆」
…ひとまずほっと一安心。日向はお金をちゃんと払ってギョーザを買ってきたみたいだからなによりなのだ。
ため息と同時に一億円を受け取り、しまっておいた。これはどこかの補修にでも使おう…
「和ちゃんお金の問題は水玉に従った方が確実だよ!他人のお金は無断で使っちゃいけないから、実質上日向は犯罪者同然なんだよね、でも水玉がなんとかする!」
「水玉には説教されたくないんだけど…ていうか勝手にお金渡してくるのも駄目じゃないですか?無理矢理押し付けてくるのもどうかと思うなぁ…」
「ところで…どうして水玉は呼ばれたのー?」
「え?それは知らん…呼ばれてたんだ…」
この部屋の男子に呼ばれて来たんだ、と水玉が跳び跳ねる。
「それはこの壁壊したから…」
直してもらうため、とか言ってほしいところだけれども、皆の娯しそうな顔を見ると違うというのは決定的だ。
「遊びやすく改造してほしいんだ!」
「おっけー」
「阿呆!!!!すぐさま直せよ!!!?」
すると、日向がユニフォームのような衣服を幾つも乱雑に取り出した。
「え…?日向それそんなにどうしたの…?」
「んー?これかー?」
日向は高そうな漆黒の直方体を指さした。私が聞いたのとは違うが、そのまま続けてもらうことにした。
「これはなーさっき買ってきたーーサクサクサク」
「…いくらくらいした?」
「イクラ?」
値札を見つけたのでそれを見る。
“99990000円(税別)”
「ギョーザ代は???」
「残った金使ったー」
「……………やられた…」
あの量を一万円で買えるわけがない。どんな事情があろうと、それって泥棒……??
そのまま私はガクンッと崩れ落ちてしまった。
「あなよるてっばんがくよにていあのなんこ…かかとうょりふうょちいたかとくそぶね」
「おーなんかorzって感じだーおっもろーい」




