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酸素と時間と人生と。

作者: エンゲブラ
掲載日:2026/06/18

酸素は、エネルギー消費の着火剤となり、物質の腐敗を加速させる。エネルギー活動とは、エントロピーの増大を意味し、酸素はいわば「時間の加速装置」と言っても、過言ではない(そんなことを言っているやつは誰もいないが)。


食品を真空パックし、冷凍庫の中で保管する。

酸素もなく、光も当たらないゼロ度以下の環境では、分子の崩壊速度もゼロへと近づく。実際には数万年から数百万年あたりで崩壊するが、それはほとんど「時間の止まった状態」と言っても過言ではない。


クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET』では、ハイウェイで燃え上がった車が、時間逆行により、凍り付くという表現があった。あれはおそらく燃焼によるエントロピー増大を逆回しにすることにより、温度が奪われるという現象を表現したものに違いない(本当か?)


だとすると、人間が感じる時間の経過の大部分≒正体は、酸素に支配されているとも言える気もする。


ふと思いつく。

高地に住めば、あるいは細胞の老化速度を遅らせ、長生きできるのではないのか?と。だが、今度は燃焼剤ではなく、熱と光そのものである太陽との距離も近づき、紫外線によるダメージを受けることにもなるので、これは却下か。


光も、熱も、酸素も低い世界で長生きをする。

もし、それらの環境が整ったとして、今度は果たしてそれを「生きている」と言えるのか、という問題が発生する。


生きるとは、崩壊に向かって、エネルギーを放出する行為であり、暗闇で息をひそめ、ただ静かに時の経過を待つのは、ほぼ停止している=死んでいる状態と同じとも言える。


適度に発光しながら、頃合いで燃え尽きる。

それが「最良の人生」というものなのかもしれない。

いつもどおり、予想外のオチで着地。

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― 新着の感想 ―
なるほど。 つまり、仮死状態になれば長生きできるのですね。 嫌すぎるw でも、生物って、寝ている状態がデフォルトっていう説があるそうです。
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