第1話 はじまりの思い出
「ハルマチさん。あなたの命日は3ヶ月後の1月1日です。」
余命を宣告された気分を知ってる人は少ないだろう。
ましてや3ヶ月後という少ない期間に加え15歳で宣告された人は更に少ないだろう。
あ、私?私の気分は…
「嘘ですよね?」
余命宣告が間違っているのでは?
その日もしかしたら生きているかもしれないし…
そうだよ!死ぬ訳ないよ!
そんな余命宣告が嘘や間違いという期待だけだった。
でもそんな期待は走馬灯のように蘇ってきた昔の思い出に塗り潰されてしまった。
いい思い出も少なく歳も若い私の走馬灯は割と最近のものしか無かった。
「‥‥きて‥‥きて!‥‥起きて!」
大きな声で起こしてくれるこの女の子は幼馴染のアイリス。アイリス・ナルガ。面倒を焼く姉のような私と同じ女の子だ。毎日面倒くさく無いのかなと思いつつ、私は全人類が口にした事のある魔法の言葉を言った。
「‥あと5分」
「なに馬鹿な事言ってるの!もう朝ご飯作ってあるから早く起きなさい!」
逆に怒らせてしまい寝る事は叶わなかった。、
しょうがないと思いつつ、私はご飯が用意されているリビングに向かった。
いつもと同じパン、サラダ、スープの普通な朝食メニューがテーブルの上に並んでいる。
「毎日ありがたいけどさ、大変じゃないの?」
「もちろん大変ですよ。1人から2人に増える訳ですし。」
「じゃあ何でしてくれるのさ?」
「私がやらないとあの親みたいに死にそうじゃん」
「‥‥お前なぁ死んだ親をネタにするなよ!」
「死人に口なし。」
「何言ってんだ。」
アイリスが言った通り私達はどちらも親がいなく同じ家で暮らしている。
暗い会話を頑張って明るい雑談に変えていたらいつのまにか学校に行く時間になってしまった。
まだ食べたかったのにな。
朝の日特有の気持ちの良い風を堪能しながら私達は一直線の道を話しながら歩いた。
「ねえアイリス。今日の1時間目って何だっけ?」
「またー?」
「いやー記録するの忘れちゃって今日だけで良いから!お願い!」
「そう言ってハルマチ毎回聞くじゃん。‥はぁ、まあいいわ。今日の1時間目は歴史よ。」
「げ!またかよ!私あの人苦手なんだよなー」
「へー!そうなんだ!あの先生にバラそうかなー?」
後ろからガシッと私の背中を突然掴みながら脅してきたこの声は‥
「おはようマリー」
「おぉ!おはようさんアイリス!今日もハルマチの世話お疲れ!」
このウザい子はマリー。オレンジの髪に白い肌。
誰が見ても真面目で純粋そう‥と言われそうな顔をしている。だがしかし、そんな優等生ではなくいつも人をからかうお調子者だ。そして、私の幼馴染でもある。黙っていれば可愛いのに‥
それはそうと
「おい!私は別にそこまで世話されてる訳では‥」
「アイリスさん、ハルマチはこう言ってますが?」
「ほぼ嘘ね、彼女夜ご飯しか作らないもの」
「ダメじゃないですかぁ?ハルマチさぁん?女の子なんだから家事はできないと」
「うるさいなぁ!ほら!行くよ!」
「あ、逃げたわ」
「逃げましたね」
はぁ朝から災難だったなぁ。
先程の事を思い出しながら私は席に座った。
全学年で2クラスしかないうちの学校だともちろん2人とは同じクラスだ。
「なぁマリー」
「何ですか?ハルマチさん」
「ウチのクラスには何で座学が少ないんだ?」
「歴史がありますよ?」
「歴史は座学だけどそれ以外で!」
「だって今のご時世的にー」
「おっはようー!生徒の皆!全員揃ってるかー?授業始まるでー!」
がんっという大きな音をたて扉を開け入ってきた教師は流れるようにホームルームを始めた。
「残念ハルマチさん授業始まりますのでまた後で。退屈でも寝ないようにしてくださいよー」
「大きなお世話だ!」
「ハルマチ!何大声で話してんだ?私語は厳禁だぞ!」
はーい、すいまーせん、といい、私は1時間目の歴史改め睡眠の授業に入った。
「‥‥うことで‥‥は‥‥ました。じゃあここをハルマチ!」
眠っていた時に急に名前を呼ばれ勢いよく立ってしまった。
「はいっ!‥えーと?どこの問題ですか?」
「寝てるからそうなるんだぞー!3番の問題だ」
楽しい授業なら眠らないのに‥
「楽しい授業なら眠らないのに‥」
「なんか言ったか?」
「いいえ!なにも!」
危ない危ない声に出てたか‥
えーと3番の問題
【100年前と現在の大きな差を3つ上げよ】
簡単な常識じゃん!ラッキー!
「はい!能力の有無!人口!陸面積です!」
「正解だハルマチは授業さえ聞いてれば優等生なんだがなー」
「いやー厳しいですねー」
「起きるだけだぞ…まあいい。
説明をするぞー。100年前に起きた事件、教科書では地球温暖化が原因とされている。えーそれにより南極の氷が溶けその中から未知のウイルスが蔓延した。
そのウイルスに感染した生物はかなりの確率で死に、たまに超能力、今でいう能力が身につく!
そのウイルスと能力により人口や陸の面積が大幅に消えたとされている!」
危なかったー常識問題で良かったー!
あの教師1回の授業に同じ生徒2回は当てないし、また寝るか。
キーンコーンカーンコーン
バチっ
「痛っ!」
後頭部に叩かれたような衝撃!
「起きて下さいよハルマチさーん。」
「もう次の授業の準備よ」
マリーが片手に教科書を持っている。教科書で叩いたなマリー。
「もっと丁寧な起こし方をな…」
「寝てる不真面目な生徒にはこれでも贅沢ですよー」
これを言われると何も言えないんだよなー
「ほらそこの2人話してないで行くわよ。次は移動だから」
「移動、トレーニング授業か」
「あれ、疲れるから嫌なんですよねー」
「文句言ってても仕方ないじゃないの」
「そうは言ってもなー」
トレーニング授業。歴史の授業で言われた通り世界から人口が大幅に減り子供を守る大人が少なくなり、護身術の授業や能力の授業が多くなる事になった。
着替えた後廊下を3人で話しながらグラウンドに向かった。
100m走が十分できる位の広さのグラウンド。周囲には木々が生えている生徒達は全員1箇所にあつまり首をかしげている。
それは何故か、いつもは見慣れないものがあるからだ。
「今日は能力トレーニングだよな?」
「ええりそのはずよ」
「じゃああれはなんだ?」
そう言いながら私は指を指した。その先には扉のようなものがあった。扉と言っても扉の輪郭しかなく、輪郭の中はピンク色のナニカが渦巻いていた。
「知らないわよ」
「じゃあなんでしょうねー」
このようにクラス全員がこの扉の正体を予想し合っている。
「はーい!ちゅーもーく!今日は特別授業だぞー!」
皆がお手上げになった頃にトレーニング教師はやってきた。
「先生あれなんなんですかー?」
「怖いんですけどー」
様々な質問が教師に投げかけられる。
「あー!もう!説明するから待ってなさい!」
うわっめっちゃ大きな声!
「はい!これは門と呼ばれる物です!
今日は特別課外授業として!ギルド登録又は昇級試験をします!」
教師の説明のあと一瞬シンとしたが、すぐに生徒達は
「わぁー!」「やったー!」「私初めてなのー!」
「お前俺と勝負しようぜ!」
などの歓喜の声で溢れた。
「静かに!ギルドの説明をするからな!知ってる通りギルドは子供が金を稼げる唯一の方法です!ギルドで働くことにより、助成金以外の自由に使えるお金が増えます!なので頑張って下さい!」
「驚きですねハルマチさん」
「ああ!まだ登録した事ないから楽しみだ!確かアイリスもだよな!」
「ええ。私も登録はできていませんわね。」
「へー。2人ともまだなんだ。アレはね怖いよー」
「な、何があるんだよ」
「秘密だよー。楽しくないじゃん教えたら。」
マリーが言い切るのと同時位のタイミングで教師は門を開いた。
「門をくぐったらあちらのギルドに移動になります。ギルドに行ったらギルド職員に従ってください。
帰りはまた門で帰ってきてくださいね。
それでは!楽しんで!」
その声と同時に私の意識は遠のいた。
次に目を開けるとさっきまでの景色とはうってかわり木造の酒場のような所の真ん中だった。
「気持ち悪い」
「えー?ハルマチさーん弱くなーい?」
「流石にこれはマリーが強いだけですよ。」
周りを見渡しても気持ち悪そうにしている生徒が多い。
「揃っているか〜!?」
大きく響いた声が広がった
「今から登録と昇級試験の列に別れてもらう!
その後は列に従って進んでくれ!」
慣れた手つきで人の塊を2つの列に分け、進ませた。
マリーにお互い頑張ろって言えなかったな。
「どうかしました?」
「いや、マリーと話したかったなーって」
「なんだかんだ好きなんですよね」
「はぁ!別に!そういうことじゃないし!」
「素直じゃないですね」
顔が真っ赤になった気がする。アイリスはたまにからかってくるんだよな。しかも恥ずかしくなるやつ。
「次!アイリス・ナルガ!ハルマチ・ヒナタ!」
「あ!呼ばれましたよ!」
「よし!行くか!」
「そういえばハルマチ。目標をお互いに言いいましょう。」
「良いね!私はいつか伝説になるくらい凄い活躍をしたいなぁ!」
「ハルマチらしいですね。私は自分の能力で世界を変えてみたいです。」
「いいじゃんか!夢は大きければ大きいほどいいもんな!」
「ではどちらが先に夢を叶えるか勝負しましょう!」
「ああ!手加減禁止な!」
「もちろん!」
ああ。そういえばそんな事もあったよ。ここでこんな話をしなければ良かったのかな?
それともーー
こんにちは!今回初めて書いてみました!
まだ至らぬ所がとても多いですがその都度指摘や注意をしてくれると嬉しいです!




