第3話 反撃は固い決意と共に
「大丈夫か? 君はこの間の?」
「あなたは、グラシスさん!? お願いです、キャシーを助けてください。知り合いなんです!」
「キャシー? 犠牲者の誰かか?」
グラシスは怪物の体についた顔をみて、事情を察する。
そして、痛ましい表情をしながら、残酷な事実を突きつけた。
「残念だが、もう」
「そんなーー」
「私達にできることはない。せめて安らかに眠れるよう、あのデモンズを倒すだけだ」
グラシスは懐から金色と銀色の銃をとりだして、デモンズに打ち込んだ。
しかし、デモンズは痛がる素振りすらみせず、グラシスに襲い掛かる。
そのデモンズが足技にたけた怪物らしく、蹴りの攻撃でグラシスを殺そうとしていた。
グラシスはデモンズの攻撃をよけながらも、銃を討ち続ける。
弾の装填を行わないそれは、人間の体内にある気をつかったエネルギー攻撃を行うための武器だ。
メイアズにはその仕組みはさっぱりわからなかったが、グラシスには何かしらの不思議な力があるのだろうと思っていた。
この場にメイアズがいても邪魔になるだけだと思った彼女はその場からそっと立ち去ろうとする。
一度は彼らの目の前から姿を消し、抱えていた犬を逃がすが、しかしどうにも心配になってまた戻っていた。
「あの人がきっとこの町の人たちを守ってくれていたのよね。だったら、グラシスさんが負けてしまったら、他の人だって危ないかもしれないわ」
戦いの場に戻ったメイアズは地面に倒れたグラシスを目撃する。
「く、気の消耗が激しい。まさかこんなに苦戦するとは」
このままではグラシスはデモンズに殺されてしまうだろう。
そう思ったメイアズは、体の中から何か熱い力が膨れ上がるのを感じた。
自分でもよく分からないまま、その力に状況を動かすよう願うと、グラシスの体が光り、彼は立ち上がれるようになっていた。
「これは、まさか君がやったのか? 気が回復している。そうか光の血筋なのか。だから二回もデモンズに」
グラシスは何かに納得したようだが、目の前の敵を倒す方が先決だと思い、デモンズに銃を向ける。
そして、先ほど見たときとは比べ物にならないくらい、大きな光を放った銃弾が放たれた。
「グあああああ、そんなバカな!!」
デモンズはその攻撃で倒れ、塵となって消えてしまった。