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LostNumber  作者: 霧紙 レイ
それぞれのはじまり
2/4

その男ガチムチにつき

スマホで書いていたので、初投稿です。

 15分ほど前、同じ大学内にて。

 男共とくだらない会話をしていると、突然に皆立ち上がり、同じ方向を向いて同じ言葉を同じタイミングで発したのが始まりだった。


「「「偉大な、偉大な、レズリア。理外の思想の顕現者よ。目覚めよ、目覚めよ、レズリア」」」

「「「偉大な、偉大な、レズリア。理外の思想の顕現者よ。目覚めよ、目覚めよ、レズリア」」」

「「「偉大な、偉大な、レズリア。理外の思想の顕現者よ。目覚めよ、目覚めよ、レズリア」」」


 これがフラッシュモブってやつかぁと納得して、同じようにセリフを繰り返すことにした。


 これが、地雷だった。

 オタクの会話にニワカが入ってあたかも自分の意見が正解のような会話をすれば、ブチギレるように、同族は異端者である男を排除しようと行動する。


 たった今、クラスメイトvs男というパワーバランスでの魔女狩りが始まった。


 近くにいた友人達が、その男を拘束し、近くのクラスメイトが、ハサミを持って振り落とす。

 狙いは心臓、次に肺。

 躊躇いはなく、最短距離での振り下ろし。

 確実に致命傷になるはずの攻撃だ。

 だがこの男、肉体も最強で馬鹿である。


 それ大学生の中でトップの筋肉量と密度をしている。いわゆる筋肉モリモリマッチョマンの変人だ。

 だが、その筋肉だけがその男を最強たらしめてはいない。


 話を少し戻すが、振り下ろされたハサミは、今の描写を受けてどう受け止めただろうか?

 おそらく、筋肉によって心臓を刺せなかったというオチになるだろうと思っただろう。

 だが違う。この男の肉体は馬鹿だ。


 鉄のように硬く張った皮によってハサミは1mmも傷をつけることなく受け止めていた。

 いや、もっと言うなら、持ち手のプラスチック部分が衝撃に耐えられず粉々だ。

 そもそも、筋肉の接続点にあたる心臓の位置は、持ち前の筋肉の盾が十分に機能しない部分だ。その点を考慮すると、以下にこの男の肉体がバカかと言うことが分かるだろう。

 そして、この肉体をバカ呼ばわりできる最後の理由が、筋肉密度にある。

 常人の17倍、それに伴う筋繊維の細さが20分の1である。

 数字では意味が理解しずらいが、実際に目にすればすぐに分かるだろう。


 「なんかやべぇことになったなぁ。そういや麗華ちゃん居ないな。いつもこの時間には居るはずなんだけどな。」


 スマホで連絡しようと思ったが、クラスメイトに取り押さえられているため、ポケットのスマホが取り出せない。


 (うーん邪魔だぜーそれにいつもより力強いし……抵抗するか。)


 そう決意し、両手足をがっちり全体重をかけて固定され寝かされていた体に力を加える。


 適切な擬音を選べば「ボコォ」が正解だ。

 筋肉が膨張する。

 その様はダンスのウェーブのように中心から末端へ、乗っかっていたクラスメイトが上下に揺れる。

 そして、二回りほど抑えていた場所が大きくなり、なだらかに割れていた筋肉がより鋭くなる。

 後は普通に立ち上がるだけ。

 その男に、成人男性5人ほどの重さは無意味だった。


 それでも手を離すことなく未だに取り押さえようとタックルを試みたり、蹴りを入れようとしていたりするクラスメイトをよそに、麗華へと電話をかける。


 ダメージはおろか、よろめくことすらない。

 我が道を征く者、古明地 悠

 あらゆる困難を筋肉のみで押し通った脳筋が、動き出す。

筋肉モリモリマッチョマンのHENTAIDA

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