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無限ホテルの雑務員。  作者: AO
赤ずきん
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赤ずきん 1

新章ー「赤ずきん」が始まります。

この章では、赤ずきんについてを書いていきます。

また、この章でジラーリアの魔法術式が明かされます。




テスラが就職してから3ヶ月が経った。

彼女はレトナンという街にきていた。

レトナンは無限ホテルのある港町から結構離れた大都市である。

前世ほどの高層ビルはないがかなり大きな建物が乱立するこの街に何故テスラはきたのか?

それは少し前の出来事である。


「…これをどうみる?ガングート。」

ジラーリアは最上階である赤髪の男性と話していた。

「そうだな、行くべきなんじゃないかと思う。」

ガングート=ケルビム。外務チームの特別指定職員である。

無限ホテルには8つのチームー「衛生」「保安」「財務」「サービス」「統括」「外務」「備品」「記録」ーがある。

そのうち1級の中から1人ずつ、各チームの最高権力として「特別指定職員」がジラーリアにより指名される。

例えば衛生チームの特別指定職員はメチルだし、保安チームの特別指定職員はシリウスだった。

必ずしも戦闘実績が高いものが指定されるとは限らない。ジラーリアの独断である。

ジラーリアが見ていたのは、「赤ずきん」からの手紙だった。

「親愛なるジラーリア殿。私は今レトナンで紅茶を飲みながらコーヒーを食べています。ここのコーヒーはとても美味しくー(以下略)」

「レトナンね…ちょっと遠いわね。」

「そうだな、馬車ならどのくらいの時間がかかるだろうか。」

「3、4日と言うところかしらね。」

「なるほどな…シリウスがいない今、あまり一級を向かわせるわけにはいかない。」

「うん、わかってるわよ…」

(とは言え、ここで赤ずきんを倒さない手はない。)

「赤ずきん」。無限ホテルの最初期に全職員の9割を単騎で虐殺した怪物であり、その後も時々襲撃してくる謎の組織の長である。

ジラーリアは彼女のことを知っているが、今はどうしているのか見当もつかない。

そしてこの手紙は多分彼女の部下が書いたものだろうと推測していた。

普段何をしているのかは知らないが、非常に強力な組織なので倒したいところだった。

「…私が直接ぶち殺してもいいのだけど。」

「ダメだ。お前がいないと無限ホテルのシステムがバグった時に直せない。」

「そうね。じゃあどうしようかしら?」

ガングートはにやりと笑った。

「ちょうど適任がいるらしいじゃないか。

やつらの魔力探知をうまく掻い潜り、最悪死んでもいいやつが。」


で、彼女に命令が飛んだわけである。

テスラは大きな喫茶店の4階でコーヒーを飲みながら窓の外を眺めていた。

時刻は午後6時。もうすぐ日が沈む。

(…マリアはよくやっているだろうか。)

マリアだけでなく、他の衛生チームの面々も大丈夫だろうか。

何といっても毎日のように人が死ぬホテルだ。

今日も誰か散って行ったかもしれない。

「…行くか。」

テスラのリュックが不自然な形なのは、レベルスを入れているからだ。

てこてこと軽快な音を立てながら、1人の少女が夜の街へ消えて行った。


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