表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/71

第三章 第五十八話 メリウス、明日もお天気そうね!

『第五十八話 メリウス、明日もお天気そうね!』

約二千五百文字になります。

 ルーク・ドメーヌ国王は、ルイ・ザード大隊長を執務室に呼び出した。


 ルイは、国王のデスク前に立ち、脇に立っているスカートスーツ姿のサーニャに挨拶した。

大窓から差し込む日差しがサーニャのピンクジャケットに当たり微かなコントラストが出来ていた。


「ルイ、万が一だがーー 私の留守中はルイが危機管理の総指揮をしてくれないか」

「国王陛下、なにか」


「いや、ちょっと旅行に行ってくる。

ーー メリウスの話では、こちらの時計は動かないそうだから心配ないが・・・・・・。

ーー 国王として万一の事態を想定する必要がある」


「陛下、承知しました」

「今回は、シルクのお供だが、ちょっと大所帯になりそうだ」


 ザード大隊長はドメーヌ国王に一礼して退席した。




 大魔法使いメリウスとシルク・ドメーヌが執務室前の廊下ですれ違う。

若草色のスカートスーツ姿のターニャがシルク妃を案内して執務室の扉を開けた。

 青色の髪と瞳を持つシルク妃は、同じ色の丈の短いワンピースを着ていた。


「サーニャ、ターニャ、あなた達も私と一緒よ」

「シルクさま、意味がわからないのですが」


「日本旅行よ」

「・・・・・・ 」


 サーニャとターニャは言葉を失っていた。

筆頭執事スペードが薄気味悪い笑みを浮かべ笑っている。


「スペードさんは何か知っているのね」

サーニャが言った。


「はい、国王さまから伺っております」


「スペード、なんか勘違いしておるようだが」

「陛下、意味がわからないのですが」


「スペード、シルクと私が行く時は、誰が必要かな」

「それは、サーニャさんとターニャさんかと」


「スペード、何惚けておる、スペードも一緒に決まっておる」

 スペードの表情がみるみる青ざめて行った。


 それを見ていたターニャとサーニャが仕返しのような笑みを浮かべてスペードを見つめる。


世話情(よわなさけ)でございます」

 メリウスがスペードに言う。


「それは初耳ですが、メリウスさん」

「玲子先生に教えて頂いた日本の歌舞伎の言葉でございます」


「面白そうだ。メリウス、その続きはあるのか」

 ドメーヌ国王が尋ねた。


「はい、確か、

ーー 浮名横櫛(うきなのよこぐし)とか・・・・・・ 」


「メリウス、ちょっと難しそうな言葉じゃな」

「詳しくは、玲子先生にお尋ねください。

ーー ところで陛下、いくつかご相談がございます」


 メリウスはそう言って、陛下と妃を見ながら説明を始め注意をルークとシルクに伝えた。


「メリウス分かったがーー 今回の参加人員はどうする」


「はい、陛下とシルク妃、スペードさま、サーニャさま、ターニャさまで五名、

ーー メリウス、零、玲子先生で三名、

ーー セーラとルシアさま、ニーナとコットンさまですから十二名でしょうか」


「他の者は、どうなる」

「はい、こちらで留守番していただきます。

ーー 時間停止していますから心配ありません」


 メリウスは説明を終え、参加メンバーをルシアの謁見の間に集めた。

「とりあえず、みなさんは朝霧女学園の場所から出発します。

ーー メリウスが転移魔法で女学園までお連れします」


 大魔法使いメリウスが転移魔法を発動した刹那、微かに空間に閃光が光った。

[ピカ]

 

 クローラとメイド三人を加えた十五名は、朝霧女学園の理事長室に瞬間移動した。

全員、ほぼ麻酔状態で何が起きたか気付いていない。


「零さま学園からなら、大きく道を間違えることもないでしょう」

「分かったわ。メリウス」


 零は、メリウスのアイテムボックスから魔法時計を取り出してタッチパネルを素早く開く。

メリウスに教えてもらったように参加者は円陣を作り手を繋いでいる。


「みなさん、何があっても手を離さないでください。

ーー 零さま、日本の朝霧女学園をお願いします」

「分かったわ。メリウス、行くわね」


 魔法時計が光始めて光の中に次元扉が現れ、メリウスを先頭に零、玲子の順で入って行く。

ひんやりした真っ暗なトンネルの先に薄明かりが見えていた。


「零さま、もうすぐで、ございます」

「メリウス、帰って来たわ」




 次元トンネルを出るとメリウスは、真っ先に言語スキルを全員に与えた。

零も玲子たちの異世界言語スキルもメリウスが修正して日本語が復活する。


 零と玲子がいた日本の朝霧女学園の教室に出た。

メリウスは、日本時間を気にしていた。


「零さま、携帯から時報を見てくれますか」

「メリウス、それが変なの、ズレているわ」


 メリウスは零と玲子先生の携帯を見て言った。


「湘南滞在時刻がスキップされて無かったことになっています」

「メリウス、どう言うこと」


「魔法時計は、場所のエネルギーに作用するようです」

「じゃ、朝霧女学園と湘南海岸は、別々扱いなの」


「はい、そうなります」



 優翔玲子(ゆうがれいこ)は、夏休みの職員室に顔を出して帰宅準備を済ませた。

夢月零(ゆめつきれい)は玲子と一緒に部室に戻り言った。


「先生、今夜はみんなを邸に泊めますよ」

「零ちゃん、じゃあーー 私と零ちゃんの秘密がばれるわね」


「先生が、親戚のことなら問題ないと思うけど。

ーー 双子の姉の雫のこともね」


 零の両親は海外に出張していて、家政婦五人と零と雫だけだった。


 零の両親は出張前に親戚の優翔玲子(ゆうがれいこ)に部屋を与え留守をお願いした。

零も玲子先生と両親の間の事情を知らなかった。


 メリウスが転移魔法で、全員を零の夢月邸玄関へ転移させた。

夢月邸は高台にある地上五階建地下三階の赤レンガ色の建物だった。

階層ごとに大きなバルコニーテラスがあった。

一階の表札には、夢月と優翔の苗字が並んでいた。


メリウスが、雫と家政婦五人に軽い催眠魔法をかけて違和感を消去している。




「雫、紹介するわ、ルークさん、シルクさん、スペードさん、

ーー ルシアさん、コットンさん、ターニャさん、サーニャさん、

ーー セーラさん、ニーナさん、玲子先生、クローラさん、お連れの三人よ」


「零、じゃあ、二階の客室をいくつか使っていただきましょう」

 

 雫は、そういうと五人の家政婦に指示を与えた。


「ルークさまとスペードさまが同じお部屋ね、

ーー シルクさま、サーニャさま、ターニャさまは隣のお部屋、

ーー ルシア姉さん、コットン姉さん、セーラさん、ニーナさんがその隣

ーー クローラとお連れ三人は、次のお部屋ね」


零は、玲子とメリウスを見て言った。

「私たちは、いつも同じお部屋よ」


「零さま、足らぬことあればメリウスにお任せください」

「分かったわ。メリウスにお願いするわね」


 零は満面の笑みを浮かべ自宅のサッシを大きく開けて空を見上げた。

夕日の中に流れ星が輝いている。


「メリウス、明日もお天気そうね」

『第五十八話 メリウス、明日もお天気そうね!』

約二千五百文字以上になりました。


 お読みいただき、ありがとうございます!

ブックマーク、評価を頂けると嬉しいです。

投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ