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第二十九話 メリウスの裏取

 ディナーを終えたメリウスたちは、秘書のセーラとニーナの先導で令嬢ルシアの部屋に行くことになる。

メリウスは、魔法省の陰謀をジュークの告白から知り、強力な結界魔法をドメーヌ城に掛けた。


 魔法省の処分は、城主のルークよりメリウスに一任されている。

ルシアの秘書のセーラがルシアの部屋の前で立ち止まり、メリウスたちの到着を待っている。

秘書のニーナと令嬢コットンもルシアと一緒にいる。


 メイド長のクローラがメリウス、零、玲子先生、そして部下のメイド三人を引き連れて到着した。




 セーラが、ルシアに確認してルシアの部屋の扉を開け内部の異変を確認している。

セーラとニーナの二人は、ただの秘書ではなかった。

城で上級魔法が使える魔法騎士でもあった。


「ルシアお嬢様、内部に異変はございませんので、お入りください」


 セーラのあとに引き続き、秘書のニーナが続いた。

万が一に備えて、メリウスは最後尾に回り、周囲を確認している。


 ティラミス王子とランティス王子の双子王子は、双子令嬢の許可を受けて短い時間だけ同席が許される。



「零、玲子先生、メリウス、そしてクローラとメイドさんも中に入って」

ルシアの声に王子たちが反応した。


「あのぉ、僕たちは・・・・・・」

ランティス王子だった。


「あなたたち、いつも出入りしているじゃない。

ーー 呼んで欲しいの」


「ルシア・・・・・・」

ランティスは小さく溜め息を吐く。


 

 双子の姉妹の妹のルシアは、根底で姉のコットン譲りの性格を共有していた。

腹の虫の居所次第で、姉妹の悪癖(あくへき)が顔を(のぞ)かせる。


 ランティス王子は幼馴染(おさななじみ)だけに双子姉妹の性格を知り尽くしている。



 秘書のセーラがルシアのメイドを別室から呼び、お茶の準備を指示した。


 ルシア、コットン、零、玲子、メリウスの五人は大きなテーブルへ着席した。

遅れて、ランティス王子とティラミス王子も着席する。


 セーラ、ニーナ、クローラは小さなテーブルに着席して待機している。

メリウス担当のメイド三人は部屋の隅のソファーで待機した。


「メリウス、お父様が言っていた伝説の魔法って何ですか」

「ルシアさま、とても恐ろしい魔法でございます」


「恐ろしいって、どう言うこと」

「次元が歪んで破壊されます」


「どうなるの」

「最悪は、意識だけを残して消滅します」


「それで、その人たちは、死ぬの」

「いいえ、メリウスは、人を殺しません。

ーー ですが、懲らしめることがあります」


「でも、メリウス、消滅って言ったじゃない」

「はい、肉体だけ消滅しますが死にません」



「どう言う意味なの?」

コットンが尋ねた。


「コットンさま、人も生き物も同じでございます。

ーー 意識の入れ物が壊れても魂は壊れないのです。

ーー 意識の本体は肉体の中にはございません」


「そういう意味なのね、で悪人退治をするの」

喫緊(きっきん)の問題でありルークさまの許可の元ならば、

ーー メリウスに断る理由はございません」



 ルシアが口を開いた。

「ティラミス王子、ランティス王子、ここで聞いた話は他言無用(たごんむよう)でお願いしますね。

ーー お休みなさい」


 ティラミスとランティスは、令嬢ルシアの言葉を受けて立ち上がり離席する。


「ルシア、お休み」

「コットン、お休み」


 王子たちは、挨拶を終え、別のメイドに案内されて自室に帰った。



「メリウス、ランティスとティラミスが帰ったから聞くんだけど成敗はいつなの」


「はい、ルシアさま、成敗はいつでも出来ます。

ーー しかし、慎重な対応を考えております」


「メリウスは、優しいから、心配なのよ」


「ルシアさま、心配は心配を引き寄せると昔からの諺にもございます」

「そうね、この国にもあるわ。

ーー メリウスの日本では、どうなの」


「日本でございますか。

ーー この国から離れた異世界でございます」


「で、メリウスあるの」

「はい、ございます」




 コットンの紫色の瞳が輝きメリウスに尋ねる。


「メリウスさん、魔法省の問題で日本留学が頓挫(とんざ)しているけど、どうなるの」

「コットンさま、微塵(みじん)の問題もございません。

ーー ただ、魔法省の悪人を放置は出来ません」


「そうね、そっちが優先度が高いわね。

ーー 問題解決まで、お待ちします」



 メリウス、零、玲子は、ルシアとコットンに挨拶したあと、クローラの先導で自室に戻った。



 翌朝、再び、メリウスたちは城主ドメーヌに呼び出された。

ルシアとコットンもいる。


 ルーク・ドメーヌは筆頭執事スペードの報告を受けて頷く。


「スペード、大義であった」

スペードが部屋を出たあとメリウスが呼ばれる。


「早速だが、悪人が判明した。

ーー メリウス殿の魔法で調査結果の裏取りをお願いしたい」


 メリウスは、ルークに一礼した。

御意(ぎょい)、ルークさま、では失礼します」

メリウスはルークの部屋を出たあと、城から消えた。


 

 ルシア、コットン、零、玲子の四人には、裏取の意味が理解できていない。


 ルークは、執事スペードを信頼しているが、書簡(しょかん)が絶対である証拠は無いと思っていた。


 悪人といえども裁く前には慎重にならなければならない。


「ルシア、コットン、その恰好(かっこう)は、どうした」


「お父様、久しぶりに学園にと」



「ルシア、コットン、今日は許可出来ない。

ーー メリウスが戻るまで待ってくれないか」


「お父様の(おお)せのままに」


ルークは、メリウスを信頼している。

双子の令嬢姉妹、ルシアもコットンも同じだった。


「メリウス、早く帰って来て」

零が(つぶや)いた。

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三日月未来(みかづきみらい)

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