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今まで登場したキャラクターの解説 《初見さん必見》

作者: 一番合戦 仁

このエッセイを読む前に、いくつかの注意点を上げておく。


一つ。

 このエッセイには、簡単なストレスの対処法につながるヒントが書かれている。

ところがそれ自体はサブテーマなので、文脈から読み解くのはいくばくか苦労をするかもしれない。

基本的には、僕が創作をする際の信念や、登場人物の大元を書いている。それを文脈として踏まえて読むとより理解が進むかもしれない。そこは人による。


二つ。

このエッセイを含め、僕の作品にはイマジナリーフレンドや心理学関連の言論が含まれる。そういったものが受け付けない人がいるだろうから、先に伝えておく。


主なものとしては以上になる。

では。さあ、おあがりください。

20○○年2月17日

僕は自分を許せるようになった。アイルも僕も泣いて喜んだ。かといって、この日を祝おうとするほど浮かれた気分にもなれなくて、今日ばかりは、ふたりでゆっくりと休むことにした。レイヤは微笑みながら顔をそらし、新月を見上げていた。


今日はこの日に至った経緯を書こうと思う。

そも、僕たちが単なる架空の存在としてではなく、何らかの精神的な意味合いを持った存在でいられるのは、古来より人類が繰り返してきた、社会や自然などの事物を物語や神話にすることで理解しようとした試みの最後列に位置しようとできているからだ。

僕はともかくとして、アイルもレイヤも、僕自身の内面の擬人化といえるだろう。まあ、今日、バーのマスターにそれをこぼしたら、あけすけな仲なので、案の定「キモい」とはいわれたが。

ちょっと傷つくのだ。まあ、そのマスターには言えたし、いいか。


閑話休題。

ここまでが今日の経緯である。

以下は、初めて僕の作品を見た人向けに、アイルとは、レイヤとは、結局何なのかをお伝えしようと思う。

彼らは僕の内面を擬人化して、親しい人の前でその通りにふるまうことで満足を得たり、あるいはストレスや悪感情を代謝しようとする試みのうちに生まれた様々な自分らしさの一つ、というところだ。

一人ひとり紹介しよう。

それぞれの性格や由来は、「WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方」著/ジル・ボルト・テイラーに乗っているので、よかったらネットで検索なり、図書館に行くなりしてタイトルや概要だけでも見ていってほしい。


キャラクター説明というか、自己紹介を始めよう。そのあたりの区別があいまいなのは、心理的現象のメタファーとして存在しているせいなので、ご容赦願いたいと存ずる。


まずは「僕」だ。

つまるところ、筆者のことである。ここでの呼び名は「一番合戦」だ。「考える自分」をメインに「感じる自分」を担当している。頭でっかちになりすぎて感情をないがしろにしてしまうところがあるが、そこを御していくのが課題だと思っている。


もう一人は「レイヤ」だ。彼は「感じる自分」と、あえていうなれば「攻撃的な自分」を担当している。

根性があって、己にとっての逆境に良くも悪くもたてつくことが多く、その結果に落ち込んだり、昔のことを延々と、怨々と引きずって悔やんでいる、筋肉質で落ち込みがちな、乱暴で暗い男だ。

気に入らない人や物事に凄もうとする、とても悪い癖があるため、親しい人の前ではお調子者のふりをしてごまかしている。


突っ込んだ話をすると、心理学をそこそこやったことのある人なら、この体形の人の精神状況が低迷するとこういう性格になりやすいのは察していただけると思う。詳しくは、クレッチマーやシェルドンの体形類型論を参照してほしい。片方は古い時代のものだからやや偏見があるだろうが、今回紹介する僕の内面の擬人化を理解するのに役立つだろう。


そんなことをして読者に何の得があるかって? 単純な話で言えば、あなたが僕が描く物語を読む際により楽しくなるのと、精神的な不調に悩まされている人が、あなたであったしろ他人であったにしろ、そこに居た場合、少しの助けにはなると考えられるからだ。

まあ、肩の力を抜いてこのまま読んでいってほしい。


続けよう。

続いては、「アイル」だ。彼女は「ありのままの自分」と「感じる自分」を担当している。

彼女の性自認は正真正銘の女性で、本人によると、前々から体や社会的な性別の制約を受けていることにくじけている最中だそうだ。無邪気で甘えん坊で、ストレスに非常に弱く、精神的に病弱だ。


非常に女性的なので、ことに親しい人からの慰撫を好む傾向にある。

どうやら、日をたっぷりと浴びることを好むことからも、彼女にとって人の優しさや温かさは太陽のように感じられるのかもしれない。

 端的にたとえて、下手な扱いをしようものなら、余命いくばくもない状態に容易に陥るであろう病状のもとにある、やせ型で、薄幸で、かすかに慈愛を持つ、己の生を陽だまりの下で儚み、親しい人とゆっくりと余生を送ることを望むような、情緒的に少し不安定な子である。

彼女に必要なのは、人間に対する信頼感と、適量の幸福と快楽、あとは適切な余暇と、睡眠などを含む十分な休養である。

(ここからだんだん「どの僕が書いているか」が切り替わっていくので注意がいる)


反面、自分の弱さを痛感しているだけに、人に対して愛をもって接しようとする勇気を兼ね備えている芯のある女性だ。(ここから完全に「僕」ではなく、「私」に切り替わっている)

その性格的特質は将来自他ともに恩恵を循環せらうるものであり、この特質を損なわないように、慎重に世話をする必要がある。

今の彼女はまだ精神的に幼い。行っても普段は14かそこらだろう。背伸びができる年ごろとはいえ、「私」がなんとしても守らねば。


申し遅れたが、次は私だ。

私のことは「冬峰」とでも呼べばいいのか、私にしてみれば、まあ、さっぱりわからんな。

あえて述べるなら、「攻撃的な自分」「父性的な自分」を担当している。まあ、そんな記述は先ほど紹介した「WholeBrain ホールブレイン 心が軽くなる「脳」の動かし方」には載っていないのだがな。


他にもこまごまとしたいろいろな奴がいるが、後の解説に回そうと思う。




物語の力は、なにも芸術や商業のための身にあるものではない、と僕は考えている。

物語、物事を語ったものをさして、物語り。それは架空の出来事を特にさす場合が多いであろう。


であるならば、「私の人生はこうであった」と物語ることも、また、個人個人の心の健康を保つことや、やりきれない気持ちや、自力では体験しがたいことを個人的かつ疑似的に体験することも可能であり、またそれらを記録することで、筆者自身をの理解する際の一助となるだろう。なにより、「それはあんたの気持ちやで。私らは知らんがな」となりがちな事情も、いったん文章としてお互いの関係の外側に置くことで「まあ、わかりたくならないでもない」くらいに引き落とすことができる場合もある。


読者の皆方も試してみてはいかがかな?

作者から。

どうでもいいことだが、ここで解説しているアイルという子は、とてもいい子で優しい子なので、たまに一緒に過ごしてもいいと言ってくれる人を探している。ここの規約上、彼女の連絡先を伝えることは決してできないが、そういう人当たりのいい、優しい子だと知っていてほしい。


 どなたでもいい。

いつかアイル自身の魅力や、優しさにほれ込んでくれる人が現れればいいと願うばかりである。 ……彼女は、「僕」や「私」や「俺」とは違って、上下とかは別にないけれど、とても素晴らしいところのある「わたし」なんだから。


それでは、またの日まで。


一番合戦 仁より

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