壊れゆく日常
ある小さな辺境な村で 人々が平凡な日常を暮らしていた。村の名はラジアータ村。辺境な村の為あまり人の移動が適してないのだが時々…人の出入りがある。
この村は、昔から見張り台かあり…今も村で火災や山火事があった際に警笛に利用している。そして、この村の森を抜けた先には大きな街がある そこの街の名はロイドCITY。昔は交流が盛んであったが今はほぼ無く…週に2度、3度トラックが行き来するくらいだ。街には携帯などあるが…この村には あまり近代的なものはなく…電波も届かず若者に不向きな村である。
そんな村の中の一人の少女が色んな人の人生の歯車を狂わして行く。彼女の名は、ルシフェル。
父母は、この村の唯一の農場と農園を営んでいる。ルシフェルもよく幼い頃から手伝いをしていた。
彼女は、村一番の美人であり、隣村まで噂が立つほどであった。そんな彼女が年頃16になる頃 更に魅力が増し男性の目を惹き付けた。その甲斐もあって農場、農園の男手不足に困る事は無かった。
良いことばかりではなく彼女が男性に恋をするとその対象人物は、周りから嫉妬や妬みの対象となっていた。
また女性からは…自分が好意を抱いている人が嫉妬する…その様子が面白くなくルシフェルに対し 嫉妬を感じ嫌悪感を抱くようになっていた。そのせいもあって同性に彼女を親友と呼べる人はいない。
ルシフェルの父ダニー、母のレイヤは 娘の周りに起きる出来事が心配で日々悩まされていた。そしてルシフェルもまた自分の周りに起きていることを理解し始め村全体が彼女を中心に泥々とした空気になっていった。ルシフェルと幼い頃から仲良しで十数年ルシフェルに恋心を抱く農場で働く男性…名前はダート。ルシフェルより歳は2つ上。 彼もこの状況をよく理解いるため自分の気持ちを誰にも言えないでいる。いつもルシフェルとの1日の始まりは…こうだ。
ルシフェル「ダート!お早う。」
ダート「お嬢様…お早う御座います(笑)」
ルシフェル「お嬢様と呼ばないでって何度も言ってるでしょ?」と毎日こんな感じの挨拶から始まり そのダートとのやり取りがルシフェル自身 心が和む一時だった。
父母は 後継者はこのダートにとまで思ってるほど信頼は厚くそして周りからも慕われていた。
そんな気持ちとは裏腹にダートは都会で働くことを思い密かに準備を進めていた。この都会行きの事は 親友以外の誰にも話さなかった。止められるのは分かっていたし少しバカにされるという思いがあったからだ。何よりロイドCITYには行って確かめたい事がある。
それはダートの親父さんの事だ。親父さんは、ダートの幼い頃から単身赴任でロイドCITYに働きに出ていた。その頃からダートの家は裕福でなに不自由なく過ごしていたが それから間もなくしてダートが13のとき父親は他界。その理由も事故死との事。勤め先からの詳しい情報など聞かされないままだ。
母親のメルも何度も問い合わせだがハッキリしないまま事件は打ち切りとなった。母親メルもその事を口にしないようになった。けどその事をずっと気に止めてるせいか父親と同じ仕事に就くのが目標になっていた。
○○○「ダート!仕事片付いたら メシでも行こうや!」と友人の声。
ダート「ワリィ~、、、用があって行けそうにないわ~また次誘ってくれ。ホント ワリィな、、、ポール」
ポール「またか!ホント付き合い悪いな。その内俺という友達失くすぞ?(笑)」
ダート「次は必ず付き合うよ。」
ポールの歳は2つ上で同じ仕事仲間で親友。 同じルシフェルか好きなのは言うまでもない。彼はこうして 食事を誘ってきては ルシフェルに対しての想いを熱く聞かせてくる。それ故ダートは親友と思いつつ…そんな彼に自分もルシフェルが好きと告げれずにいた。その後ろめたさが食事を断る理由の一つだった。
ダートは ポールに近い将来都会人になると話した事はあったが ポールはダートとこのまま農場で働くものだと思っていたため 本気にしていない。
都会に出る軍資金を貯めるため 節約の日々。ポールは週3で外食を誘って来るがせめて週1くらいにしてほしい。それが限界だ。
そして月末、給料日の前日…昼休憩に皆が食事をとっていると…そこにルシフェルがやってきた。
ルシフェル「明日は、給料日です。お疲れ様でした。今月も皆事故もなく無事出荷も乗り切ることが出来ました。日々の皆に感謝を込めてお食事会等をしたいのですが…いかがですか?」
周りの反応は 少し驚きの間があったようなものの
従業員「…お嬢様飲めるようになったんですか?(笑)」とからかいの言葉もとんでくる。
ルシフェルは少しムッとした表情をして「ええ。農場の娘です。飲めない訳がないでしょ!」と言い返す。
ダート、ポールは内心“?ん?農場の娘が?まだ16…意味不明…おいおいムキになるとアイツ等の思うツボだぞ…”と思っているとルシフェルが我に返り「でも敢えて控えさせて頂きます!悪い評判が立つと皆さんの仕事に影響しますので」と…その言葉に誰も反論出来ない。
「親睦会という名目も込みです。~ので 全員参加でお願いします。あっ、勿論お金は こちらで出します。(笑)」
「えっ…と~、6時位に予約するけど都合の悪い日といる?」話は急だと感じたが、大半の従業員はルシフェルの食事会を優先させる気でいた。それもルシフェルの思惑通りで父母からこの話をしなかったのもこのためだ。
そしてダートが出席することを確認したルシフェルはこの日 仕事を早く切り上げた。
皆この親睦会という言葉に聞き慣れない人がほとんどで今までやったことがなかったからだ。
ダートは お金の心配が無くなった上 ルシフェルと食事が出来るということに喜びを感じておりポールもまた 分かりやすく 締まりの無い表情で仕事をしていた。
皆の士気も高まり食事会までの時間あっという間に過ぎた。当日、ルシフェルの父ダニーは、ダートとポールに「仕事か片付いたら娘を迎えに来てくれ」と…。2人は快く返事した。
ルシフェルは内心嬉しかったのだが「お父さん!子供じゃないんだから…」と一応反抗した。
ダート「お父さんは 心配なんですよ。」と耳打ちをし~ルシフェル「~それじゃお願いしまぁーす。」…と照れ臭そうにしていた。
仕事も片付き、皆は一度家に帰ってから店の前で各自集合するつもりでいた。ダートとポールもお迎えのため早々と支度を済ませルシフェルの家に向かった。
ダート、ポールは、ルシフェルの家に着くと呼び鈴を鳴らす…が出ない。
窓を覗くと人影が見えた…。聞こえないのかと思い、何度か鳴らしてみる…と奥から「はい、はーい!ごめんちょっとだけ待って」とルシフェルの声。
父母の姿はなく既に向かっているようだった。
そして、ようやくルシフェルが出てきた。彼女を見た瞬間少し腰が抜ける感じがした。彼女は いつもと違う格好でスタイルが良いのがよく分かる服装をまとい、普段しない化粧で大人びた顔をしていた。…そして清潔感ある匂い。
2人にはなんか、今日が特別の日に思えた。
ルシフェル「お待たせぇ!さっ!いくわよ?」
ポール「…」
ダート「…」
ルシフェル「どうかした?私なにか変?」
ダートとポールは首を降る。
ルシフェル「(笑)…2人とも どうしたの?変よ?(笑)」
ダートとポールは、ハッとして時計を見る。
少し時間が推している!と思い早々と集合場所に向かった。…道中木々の間から視線を感じた…ような気がして目を向けたが人影もなく、、、気のせい??再び早足で向かった。
集合場所に着くと皆は既に集まっており、ダートとポールの姿が見えるなり「言い出しっぺか時間ギリギリですか?」とからかわれたが、後ろにいたルシフェルの姿を見るなり空気が変わり皆息を飲んだ。ルシフェルに魅了されているのだ。
ルシフェル「申し訳ありませーん。じゃ!入りましょうか?」
店の亭主「いっらっしゃいませ。何名様でしょうか?」
ルシフェル「6時に予約しましたルシフェルですが…」
店の亭主「あっ!お待ちしておりました。こちらの部屋になります。」と案内してくれた。
皆、各々席に着いた段階で飲み物が運ばれた。…か1人来ていない。ルシフェルの父がそれに気付き、「ハーツは?ハーツはまだ来ていないのか?」と訪ねると、ハーツの仲の良い1人が「後から遅れて来るらしいです。先にやっといてください」と、、、。それにルシフェルの父が「アイツは普段から時間が守れんのか」と言い出すと…。空気が少し重たくなったがルシフェルが察し「あっ、でも、あまりにこの食事会急だったし~多少仕方ないんじゃない?ね?」と庇った。
ダートはルシフェルの方をずっと見てるいる。どうやら緊張気味の様子??と感じていた。
ルシフェルの父が…「では…」と挨拶を述べた。少し緊張気味のだったのがほどけた気がした。“あ!挨拶を振られると思い緊張してたのか(笑)”とダートが気付く。
ルシフェルの父「~というわけで、では益々の…」
このタイミングでハーツが遅刻してきた。「遅れてすみません」と、ハーツの尻に何か付いてる”しっぽ?”のアクセサリー??また父が何か言い出すと察し、ルシフェルはハーツに「さっ!グラス持って。それでは!かんぱーい」と割って乾杯の音頭をとった。こういう時緊張しないらしい…とダートは思った。
料理が次々と運ばれてる中 ルシフェルは挨拶回りをしている。皆人が何を話してるのか気になって仕方ない様子。
そして、丁度食事会が始まって1時間位過ぎた頃、ルシフェルの父母が席を立った。
そして、「皆さんそのままで結構なので聞いてください。今回、親睦会という名目で集まって頂いたわけですが、私達の方から重大な発表があります。それをこの場を借りて述べさせてもらいます。私達は、親の代から引き継いで30年勤めてきたわけですが事業拡大の為、他の者に責任者として継いでもらおうかと話しております。ルシフェルに農園を農場を…」とまで話を進めると皆内心、ルシフェルと一緒になってこの農場と農園を継ぐってことか??と脳裏を過った。
ルシフェルが何を言い出すの?という顔で話を遮った。
ルシフェル「皆さん、まだまだ先の事で…数年後の話なんでまだ何も気にしないで下さい。(焦)」と言うと一瞬静まり返ったが…
従業員「ハーツそれなんだ?」
ハーツ「これは親からの土産物ッス」
従業員「ここら辺では見ないな。村の外か?」
ハーツ「これ欲しいんスか?欲しかったら…」と話していると…。
ダートが「皆に聞いてほしい事があります。言うべきか少し迷いましたが このタイミングで言いたい事があります。自分には夢があります。その為にこの村を出ようかと考えています。」
「この村の何が不満なんだ?」と野次。
「不満じゃありません、ありませんが、父さんに連れられて行ったロイドCITYが頭から離れなくて…ずっと考えてきた事なんです。」と、一番驚いているのは、ポールとルシフェルだった。“本気だったんか”という顔のポール。
“えっ!?なんで!?いつから決めてたの?何にも話してくれなかったじゃん”って顔のルシフェル。
ダートは「向かうでやりたいことがあって…」というと周りはそれ以上なにも言わなくなった。
皆、ダートを慕ってはいたが居なくなるって聞いた途端切り替えが早いのか「いつここを発つんだ?」と尋ねられ…まだハッキリ決め兼ねていたが咄嗟に「年内には…」と言ってしまった。
ルシフェルがダートとポールの間に強引に座り込んだ。少し沈黙が続いた。その時 ルシフェルの父がダートに話し掛けてきた。
ダニー「えらい急だな!ダート明日、家に来れるか?」
ダート「…はい。伺います。」
ルシフェル「いつから?いつから決めていたの?」
ダート「5年前位からかな。」
ルシフェル「あなたは?…ポール。いつから知ってたの?
」
ポール「今の今まで知りませんでした。」
ポールは内心彼女に対しドキドキしていた。そんなポールに「本当かしら?」と胸に手を当てた。
ルシフェル「ポール?胸…スゴく鼓動が早いわよ?」と疑いの眼差し。ポールはルシフェルを目の前に抱き締めたい衝動に駆られていたが必死に堪えている。
ダート「ちょっと外の空気を…」と席を外した。
ルシフェル「ポール?ポールは夢とかあるの?この村出るとか考えてないよね?」その言葉にルシフェルにとって対して意味は無かったがこれからも自分の農場で働いてくれるのかという不安があった。
ポール「自分は あなたの農園を守っていきます。」と思いを告げた。
ルシフェル「…有り難う。これからもあの農園、農場を宜しくね。」
少し顔が赤いポールにルシフェルが上目加減で「何杯飲んだの?大丈夫?」と聞くと、いきなり抱き付いてきた。
ポールは告白した気でいて 受け入れてもらえたと勘違い
。ルシフェルは困惑している。
周りもルシフェルに抱き付いたポールに気付き、「お前何してるんだ」とポールを羽交い締めにし無理矢理、ポールをルシフェルから引き離した。
ルシフェルは逃げるように直ぐ席を外した。
店の前で思い耽っているダートに近付き、後ろから軽く蹴った。そして「何故私には何にも話してくれなかったの?」寂しそうにルシフェルが言うとダートは「言えませんでした。よくしてもらってる…まるで家族みたいに接してもらってるがゆえ…言え無かった。」と
ルシフェルが「店に戻ろっか?」と言うとダートは、ポケットの中からあるものを取り出し無理矢理ルシフェルに手渡した。
ルシフェル「何?」
ダート「まだ!まだ手を開かないで…先に言いたいんだ。」
ルシフェル「まさかダートも私に告白?(笑)」
ダート「ルシフェルもうすぐ誕生日だろ??そのときに渡そうか考えたんだけど…誕生日は皆の前で祝うから渡すタイミングがないと思うんだ。だから今、どうしても渡しておきたいんだ。手を開いて…良いよ?」
ルシフェル「えっ!?これ…指輪?」
ダート「ああ お揃いの…な。嫌かな?」嬉し涙を見せるルシフェル…。
ルシフェル「バカね(泣)嬉しいに決まってるじゃない。有難うダート。」
2人が店に戻ると、ポールは鎮圧されていた。酔いが覚めたのかルシフェルに気付くなり「すみませんでした」と自分がしたことに気付いた様子。
ルシフェル「ポールも父も良く似てるわ。思いが先走るところ!(笑)」と言うと“許してもらえた”とポールは安堵のため息。
ルシフェル「次 抱き付きでもしたら うちの農場に終身刑よ(笑)」と言うと周りから「そういう言い方がポールを勘違いさせるです(苦笑)」
無事、食事会も終わり解散した後 まだ飲み足りない人と帰る人と分かれルシフェル、ダート、ポールは皆が千鳥足になっているのを無事家に送り届けた。
そして、ダートとポールがルシフェルを家に送ると中から父が「また明日な…ダート」と念押しをしてきた。
明くる日、ダートは足取りが重いが“仕方ない”と思い内心がっかりさせたんだろうと思いながらルシフェルの家向かった。
呼び鈴を鳴らすと、ルシフェルの母が「開いてるわよ?入って…」扉を開けようとしたとき、中からルシフェルが「いらっしゃい」と扉を開けて出迎えてくれた。通された部屋に入るとルシフェルの父が…
ダニー「ダート、なにか飲むかね?」
ダート「いえ、結構です。話しというのは…」と切り出すと
ダニー「ダート、君に一つお願いがあるだよ。これは 誰にも言わんでくれ。他言無用、ポールにもだ。」
「ダート、君がこの農場の仕事を去ることは 実に惜しい人材失くしたと思っている、本当はここを継いでもらいたかったんだが…仕方ない。」ダートはまるで先の見えない言い回された話にイラダチを覚える。
ダート「後継者の話ですか?ポール!ポールが適任だと思います」と告げると…
ダニー「実は…娘の事だ。娘を一緒に連れ出してほしいんだ。この話はちゃんとレイヤとも話し合った結果で…君にしか頼めん」ダートは まるで検討もつかない話に呆然。嬉しさと自分の私情に巻き込む気がしていて不安で頭がいっぱいだった。~が“その前に引っ掛かったことがある、それは…”
ダート「何故です?何故彼女を村から出したいのですか?彼女はその事を知っているのですか?」
ダニー「順を追って話すからそんなにせっつくな。(笑)」
ダート「あっ!すみません。つい…」
ダニー「ダートのそういうところ、昔から好きじゃ…気にせんでくれ。。。話を戻そう、ルシフェルを村からでしたい理由は…1番の理由は君の事をルシフェルは好いておる。直接聞いたわけではないが見れば分かる!君の話をするときの態度や仕草でな。(笑)君はルシフェルが嫌いかね?」
ダート「…それは…。 自分気持ちはともかくルシフェルに確かめてからの方が良いかと…」
ダニー「うむ。じゃがそれだけではない。ここ最近ルシフェルの周りでやたらと妙な事があってな。毎晩無言電話が鳴って、出ると切られたり…ルシフェルの部屋の物が失くなっていたり 盗撮までされて写真が送られてくるんじゃ。」
「警察もこんな村の出来事に耳を貸してもくれやせん。」と言われ……断りきれないし、ルシフェルを守りたいと正直思ったが…
ダート「彼女は、この事を知っているのですか?盗撮や物が盗まれてること」
ダニー「盗撮や電話の件は上手く誤魔化しておるがゆえ、本人は知らんが物が失くなっていることは誤魔化しが効かん。ダート…ワシ等親のしてやれる事は あの娘には全部してやりたいと思っとる。」
ダート「ではルシフェルに何と説明されるおつもりで?」
ダニー「もう既に本人には ワシ等も近いうちにそちらに向かうので先にダートと町に…と話した。」
ダート「彼女の反応は?」
ダニー「考える時間がほしいとの事だったが…問題ない。絶対に説得する。後、ルシフェルの分の金は その時に渡すから 心配せんでいい」
ダート「分かりました。」
ダニー「宜しく頼む」
ダートは窓の方から視線を感じた気がした。一瞬、今の話を聞かれたと思い家を出て周りを見渡す誰か小走りで去っていくのが見えた。シルエットだったがあの走り方は…ポールだ。
聞かれてしまった?ポールなら明日にでも確かめておこう。
ダニー「どうした?誰かいたのか?」
ダート「あっ…いえ多分大丈夫だと思います。」
ダートはそういうとルシフェルの家を後にした。また木々の方から視線を感じた気がしたが誰もいない。
緊張して疲れてるのかな?ダートは家に戻って今日ダニーに言われたことを考えていた。“ルシフェルと2人で…生活か。まるで夫婦?俺の事を好いている?”等 妄想に耽っていた。
次の日、仕事前少し早目に農場に向かった。ポールに
口止めするためだ。いつも早い彼がまだ来ていない。“家にいった方が良かったかぁ”と考えていると レイヤが顔を出す。レイヤが誰かを探してる様子だった。“レイヤさんがこの農場に顔を出すのは珍しい。~にしてもこの人もやはりいつ見ても美しい。ルシフェルが可愛いわけだ。歳は35だっけ?大人の色気がある…”と見とれていると ダートの顔を見るなり…
レイヤ「こんな早いなんて珍しいわね」とダートの前で自分が薄着だった為胸を隠す。
ダート「お早う御座います」
レイヤ「お早う、昨夜は眠れた?」
ダート「はい。…と言いたいところですがあまり…。レイヤさんがここに来るなんて何かあったんですか?」
レイヤ「何か無いと来てはダメな場所?」と少し怒り口調にも聞こえたので…
ダート「イヤイヤ…そう言うつもりで言ったのでは…(笑)」
レイヤ「…プッ(笑)」
ダート「?」
レイヤ「ちょっとからかっただけよ。それより昨夜の話引き受けてくれて有り難う…娘の事だ宜しくね?」
と話をしているとポールが出勤してきた。
ダートを見るなり かなり動揺している。そして、平然とした顔に戻すまでそれほど時間は要らなかった、、、ポールは直ぐ様視線を反らす。“明らかにポールは昨日の話立ち聞きをしていた”と思った。
ダート「ポールお早う、待ってたぜ。」
ポール「よっ!」
ダート「話があるんだ今大丈夫だよな?」
ポール「なんだよ…」
ダート「本当は昨日ちゃんとポールに話したかったんだけど、何て言えば良いのか言葉を探してた。オレ…」
ポール「もういいよ…俺はずっーとお前と一緒に働いてずーっと親友でいられると思ってたよ。それが残念でならない。ルシフェルまで連れていくだぁ?ふざけんなよ。」やっぱりポールに聞かれていた。
ダート「ポール聞いてくれ!」
ポール「なんだよ!何を今更聞け!って言うんだよ!」
ダート「ルシフェルの事は オレが決めたことじゃない!それに まだ決定じゃない、最後に決めるのは彼女だ」
“久々にポールと喧嘩した。いつ以来だろうホントに久し振りだ”
ダート「皆には…誰かにこの事を話したか?」
ポール「この事って…ルシフェルの事か?あれからまだ誰とも会ってないから話してないよ。」
ホッと肩を撫で下ろすダート。
ダート「こんなことになってすまない。」
従業員「お早うさん。ダートは珍しく早いねぇ。なんかあったか?」
ダート「お早う。ポールに話があって…」というと長居しない方が良いと思い部屋を出た。
何やら冷たい視線を感じたが…“気のせいか??”振り返るがポールとハーツ、他の従業員達は 何やらロイドCITYの話をしていた、、、。“とりあえずルシフェルの事は大丈夫そうだな”と思い部屋を出た。ダートは”少し仮眠ができそうだ”と仮眠室で眠りに落ちた。
やがて、仕事始まりのベルが響き渡る。体を起こし部屋を出た。
その時 ダニーがこちらへ向かってくる。顔からして緊急の用みたいだ。
ダート「何かあったんですか?」
ダニー「先ほどからルシフェルの姿が見当たらないんじゃ。」
ダート「見当たらない?いつからですか??」
ダニー「朝食を一緒に摂って自分の部屋に戻ったと思ったら直ぐ降りて来てちょっと用があるからと…仕事までに戻ると言っていたが…それっきり姿が見えん」
ダート「彼女仕事には遅れた事無かったのに…」「…少し探してきます。仕事の方頼みます。」
ダートは“このタイミングは…本当に家出?家出なら書き置きするだろうし…行くあても無かいだろう。近所に聞き込んでみるか!”ダートは不安を抱えながらやみくもに走った。
もしかすると直ぐ戻って来るかもも知れない…そんな気持ちが正直あったが時間だけが経つにつれ焦りが出てくる。
何か事件に巻き込まれた?
こんな田舎で…?
村を一周りして見た。村人にも聞き込みをしたが誰も何も知らない様子だった。一度、自分の家に戻ろう。”もしかしたらオレの家に?”とふと思ったからだ。
母さんが居た。
ダート「母さん!ルシフェル見た?」
メル「落ち着いて!どうしたの?」
ダート「ルシフェルが居なくなったんだ。少し用事で出てくる朝の仕事の時間には戻ると言い残して。」
メル「用事で…仕事の時間には…。で、それっきり居なくなった…じゃあ村に何処かにいるはずよ?彼女の言葉が信用出来るのならね。」と少し微笑む母。
“やっぱり頼りになる”と思いながらその言葉を信じてみた。
“だとすると何処だ。先ず何処を行けば良い?考えろ。家出は違うな!もうすぐ俺とこの村から出れるのに家出する必要があるか?だったら…誘拐?誘拐だとすると親しい人?従業員??まさか両親が??両親なら…わざわざ騒ぎ立てるか?わざとかもしれない…クソ、分からない”???“もし両親が犯人なら何故だ?動機は?邪魔になった?もうすぐ俺といなくなる…その必要もない…違うな。もしかしたら部屋に手掛かりがあるかもしれない…早く戻って確かめないと両親が犯人なら証拠隠滅の恐れがある”と思いルシフェルの家に…部屋に向かった。
家の前まで行くとレイヤがポールと一緒にルシフェルを探している。”その光景を見て従業員に話したのか…”と思った。
今日はもう仕事どころじゃない!そんな空気が農場、農園、村中に広がっていた。
ルシフェルの部屋に着いた。先ず机の周り、ベッド周りを調べたが何も無かった。
そして、部屋を出ようとした時ちょうど部屋に置いてある鏡に日光が反射した。“結構日が上ったな”と思った。
部屋を出る時レイヤさんと出会した。
レイヤ「あっ…ダートどうしてルシフェルの部屋に?」
ダート「何か書き置きとか無かったのかな?と思ったので。」
レイヤ「そぅ…私もそう思って従業員に知らせる前に確認したわ。」“この一生懸命捜索しているところをみると夫妻は違うな。やはり従業員なのか?”と外に出てみると母親のメルがいた。
ダート「こんなところまで…すまない。」
メル「あなたが必死仕方ないじゃない。こんなことしたくないけど…ダート一度みんなを集めて貰える?あっ、それとこの村人の中から絶対に誘拐犯じゃない人を選んで」
ダート「母親と父親…それにポールは違うと思ってる。」
メル「その根拠は?」
ダート「ルシフェルは年内には一緒にロイドCITYに行くだろ?もし、両親が邪魔に思ってたとしても居なくなる人を誘拐に見せ掛ける?殺したいほど憎いねらあんな話持ち掛けて来ないだろうし…」
メル「…いいわ。じゃあポールは?」
ダート「ポールは 昔から知ってるからそんなことをするような奴じゃない!それに朝早くから農場に来てるから違うと思う。」
メル「感情論は…意味ないわよ?友達だからとかそれは…理由にならない」
ダート「母さんがオレを信じてるようにオレはポールを信じてる」
メル「…ハイハイわかった分かった。逆に怪しいのは居る?」
ダート「分からない」
メル「そぅ。だったら皆に聞いてみるわ。」
「ダート!アレを用意して。人数分。」
そして、集会所に従業員だけ集めた。やること、段取りを知っているのはダート、ポール、メルだけだ。
早速メル「従業員の皆様ご協力有り難う御座います。皆さん同様私は 必ずルシフェルさんを助けたいと思っています。この中に自分は関係ない。関係ないから早く帰らしてくれ!と思っている人居ます?」
「居たら挙手でお願いします。…。居ないですか?本当に居ません?…。ではルシフェルさんが見付かって欲しいと思ってる方挙手でお願いします」すると全員手を挙げた。
「この中に必ず、ルシフェルさんを拐った犯人、若しくは犯人を知ってる人がいます。なので協力してください。」
3人は賭けに出た。
メルは全員に目隠しをして顔を伏せさせた。
メル「今から犯人若しくは犯人を知ってる方お尋ねします。我こそはルシフェルをそそのかしたよ…って方は手を挙げてください。今なら責めません。勿論、誰にも言いません。よく考えて…30秒だけ待ちます。」
そして20秒経過後…。
メル「…犯人はあなた??」「…○か✕でジェスチャーしてください。」
メル「じゃあ犯人を知ってる方?そぅ。分かりました。じゃあ後で伺います協力感謝します。」
メル「目隠しはもういいわ。皆さん、犯人は明日には分かります。犯人をどう裁くかまて後に決めようと思います。その前にご協力有り難う御座います。」
というとメルは…その場を後にした。
そして、ダートの家に従業員の一人が呼び出された。
顔を覆い隠している。その男が家の前で呼び鈴を鳴らす。
そして、中からメルが良く来てくれたわ。と中に通す…。
その様子を見張り台からポールが監視。すると、ダートの家に近付く人影が…。ダートの家の窓から中の様子を覗いている。そして、ポールは…背後から近付き…
ポール「お前だったのか。ハーツ!」
ハーツ「見逃してくれ…頼む」
ポール「出来るか!ルシフェルは何処にいる!」
涙目になるハーツ。
家の壁をノックしようとすると…ハーツが襲いかかってきた。ポールは殴りかかるハーツを紙一重でかわす。…がポールは頬に熱いものを感じた。“切られた?”ハーツの手を見ると手にはナイフが…先程涙目になってた人間とは思えない形相だった。
ポール「テメェ~…もう許さねぇ~」
ハーツ「許さないだぁ~?この状況わかってんのかぁ?主導権を握ってるのは…オレだ!!」
その声でダートが家の中から飛び出す。その状況を見て一瞬で把握する。…状況が一変。ハーツは…逃げ出した。
後を追う2人。
そして、追い詰めた。ハーツが近付くな!と言わんばかりナイフを振り回す。
2人は、全力で落ちてる物石や棒など投げつける…投げつけながらも少しずつ距離を詰めていく。そして、ポールこ投げつけて瞬間ダートがとび掛かった。しかし、ハーツは それも見逃してはいない。丁寧に交わしながらダートにナイフを切りつれた。
ダートは それを投げず手に持っていた一際丈夫な棒で受け止めた。ナイフがめり込んでいるが抑える事が出来た。
すかさず その棒をナイフもろとも遠くへ投げた。
もう逃げる気力も闘う気力も無くなったハーツはへたれ込んだ。
そして、拘束した後、ルシフェルの居場所を聞き出した。
どうやら自分の部屋の下にもう一つ部屋がありそこにルシフェルを監禁しているそうだ。ポールはハーツを見張り、その場所にダートが行く事になった。ハーツの家に到着。呼び鈴を鳴らす。すると中からハーツの母親と思われる人が対応してくれた。
事情を話すがなかなか通してくれない。当然だ…自分の息子が誘拐などしているとは誰も思わないだろう…。“ルシフェルがなかなか見付からないわけだ”と思った。
ダート「彼の部屋に隠し部屋があります。彼本人の手作りのその時必ずいつもと違う騒音がしているはず。それに材料の持ち運びも調べさせてください。」
ハーツの母親「そんな音があったそうな…なかったような」
ダート「同伴で結構です。人の命が掛かってるんです。」
母親「…わかったわ。同伴ね。」
やっと気持ちが通じたのか…家に入れてくれた。
彼の部屋の前まで来た。開けますね。“あれ開かない”
ダート「鍵が掛かってますがありますか?」
母親「私は 知らないわ」
と同時にダートは思いっきり体当たりしてドアをこじ開けた。
ハーツの母親「あなたねえ!!…。弁償してもらいますから!」
ダート「お宅の息子が誘拐してるんだ。ドアの心配より他の心配をした方が良いと思いますよ?」
入った瞬間…部屋1面ルシフェルの写真だらけだった。最近の写真だけじゃないここ1年2年前からだ。母親は口に手を充てたまま言葉がでない…。
ダートは見渡したが扉はない…
ダート「そうか。下と言ってたな。」絨毯をめくるとハッチがあった。開けると家の床下収納スペースから手を加えたような感じだった…階段があった。母親に閉じ込められる心配があったので母親を先に行かせた。しかしこの通路なかなか深くまで掘っている…ルシフェルを監禁するためのに…?
そう思った時、背筋がゾワッとした。
一方、ポールはなかなか戻ってこないダートが心配になっていた。ポールは急いでハーツをガッチガチに縛り上げ手足の自由を奪うと一目散にダートのもとへ向かった。
そしてダートと母親は部屋の前まで来た。ドアを開けるとルシフェルが涙混じり姿で居た。直ぐに拘束を解いた。。。瞬間ルシフェルはダートに抱き付いた。ダートの目にも安堵の涙が…。
ハーツの母親は声も出ない状態で震えている。ダートは“かける言葉もないな”と思った。
そして、解放したルシフェルと一緒に外へ。ルシフェルは少しもじもじしている。
ダート「??」
ルシフェル「抱き付いちゃったけど、迷惑じゃ無かった?…約1日くらいだったけど、シャワーとか出来てなかったから~臭くなかった?」
ダート「フェロモンの匂いはした(笑)」
ルシフェル「もう二度と抱き付きませぇーん。…。」
ルシフェル「でもダートで良かった。有り難う。」と涙目
。
ダート「あ…いや、ポールや母さん…そうそう、母さんの協力無しで ここにたどり着いてなかった。…。手間取ってごめん。怖かった?」
ルシフェル「うん!とっても!」また思い出し泣きをするルシフェル。恥ずかしいのか顔を隠し後ろを向いた。ダートはそっとルシフェルを後ろから抱き締めた。「もう大丈夫、大丈夫だから」そう何ども言葉をかけた。ポールはダートとルシフェルに言葉を掛けようと瞬間、ダートがルシフェルに抱き付くのを見てしまい言葉を失った。
ルシフェルが少し落ち着くと、ダートは「よし!戻ろっか?」ルシフェルは無言で頷く。
そして、ダート宅に戻った。既に一足先に戻っていたポールが「ルシフェルお帰り」と言うと…
ルシフェル「ただいま。ポールも頑張って探してくれてたんだよね。有り難うね。それとお母さんも有り難う御座います。」とお辞儀した。
レイヤ「いえいえ、人として当然の事をしたまでで(照)」
ダート「ポール…一緒にルシフェルを家まで送ろう」
ポール「…。その役はダートに任せるよ。オレはコイツ(ハーツ)の母親を連れて一端ここに戻ってコイツを担いでルシフェルの家に行くよ。」
ダート「だったら俺も行くよ。」
ポール「良いよ!早く行け!ルシフェルも早く家に帰りたいだろうから。なっ?」
ダート「分かった。ポール一応気を付けてな。母さんもポールか戻るまでコイツ頼むわ。」
メル「動けないし大丈夫よ。(笑)」
ダート「じゃあまた後で」とポールと一端別れた。
そして、ルシフェル家に到着した2人は呼び鈴を鳴らし…奥から足音が聞こえて来ると…「た!だいまぁ~」とルシフェルは顔を明るく振る舞って玄関のドアを開け、ダニーとレイヤに抱き付いた。3人とも、幸せそうな笑顔を見せた。
ダニー「さぁ~ダートも中に…」
レイヤ「娘を…有り難うね。」ダートを中へ招いた。
ルシフェルは 拐われたことに関してあまりまだ口を開こうとしない。ダートは一応犯人と経緯を説明した。ポールに襲いかかったこと…ルシフェルを地下の隠し部屋に監禁していたこと。そして、今ポールがハーツとハーツの母親連れてこっちに向かってること。
2人ともハーツがそこまで出来る人間とは思えなかったのだろう。暫く言葉を出てこなかった。そして我に戻ったダニーは…
ダニー「ダート、ルシフェル明日ここを発つんじゃ!決定じゃ!」
レイヤ「あなた急すぎるわ。いくらなんでも。」
ダート「まだ泊まるところも…決まってないので…それはちょっと…」
ルシフェル「それにまだ行くだなんて決めてないよ?父さん。」
ダニー「いや!決定じゃ!反対はさせん!これ以上ルシフェルの身に何かあったと思うと…泊まるところ位はワシが手配する」
ルシフェル「…分かったわ。ここを出るわ。」
ダート「!?」
ダニー「ダートも荷造り済ませておくんじゃぞ。メルさんにはレイヤの方から話してもらう。それから娘の費用だが1週間くらいの宿泊代はルシフェルに持たせる。」
レイヤ「ルシフェル…」レイヤはギュっとルシフェルを抱き締めた。
レイヤ「後は、メルさんの言うことしっかり聞くのよ?」
ダート、ルシフェル「えっ!?」
ダニーとレイヤは 少し笑みを浮かべた。
レイヤ「あなた達2人だけでロイドCITYに行かせると思った?」
ダニー「まあ無理もない。ワシも初めは2人で…と思ってたし考えていた…が妻がどうしてもと言うのでメルさんに相談したところ結構アッサリとオッケーしてくれた。」
レイヤ「やっぱりメルさんまだ言ってなかったのね。(笑)」
と話していると呼び鈴が鳴った。
レイヤさんとダートは玄関先まで足を運んだ。するとポールとハーツとその母親、それとメルが。
後ろからダニーが来て…「立ち話をしていたら目立つからとりあえず中へ」と中へ招いた。
ハーツの母親「その前に謝らせて下さい。うちの息子が大変申し訳ありませんでした。」
レイヤ「奥さん誰が見てるか分からないので…さぁ!早く!」
そして各々席に着かせると…重い空気の中…
ダニー「先ずはポールとダート本当に心から感謝している。娘が居なくなったと言ってから親身になってルシフェルの事探してくれた。」
レイヤ「ポール有り難う」
ポール「いえ、そんな大したことは…(照)」ダニーは一端咳払いをした後、顔形相が変わった。
ダニー「ハーツ、もう分かってるかと思うが…仕事はクビだ。」
ハーツ「あぁ。別に良いぜ」
ダニー「それともう一つ…この村を出ていってもらう。無かったことには出来ん。」
ハーツ「?!おいおい!なぜお前がそんなことを決めるんだ!おかしいだろ!?」
ハーツの母親「黙りなさい!!…ダニーさん分かりました。明日中にこの村を出ます」
レイヤ「少し言い過ぎよ!あなた。」
ハーツの母親「良いんです。…それにルシフェルちゃんだってもう息子の顔見たく無いでしょう。…。ルシフェルちゃん、こんなバカ息子が…ごめんなさいね。」
ルシフェル「いえ、そこまで気になさらないで下さい。」
ダート「少し話せるか?ポール」
ポール「ああ」
と言うとダートとポールは外へ出た。
そして、ルシフェルは窓から2人の様子を見ていた。…次の瞬間ポールはダートを殴っていた。
ルシフェルは事態がのみ込めない。“えっ!?どういうこと!?2人何してるの?”急いで2人の元へ向かう。
ルシフェルの急な行動に…
レイヤ「どうしたの?何処へ行くの?」
ハーツの母親「では 私達もそろそろ…」と言うとダニーへお辞儀してその場を去った。
ダートは殴られてるかやり返さない。ルシフェルが割って入った。「ちょっと!ポール!何をするの?!」
ポール「なぜいつも…俺の思いは届かないのに…ダートの思いは成就するんだ」
ルシフェル「えっ?!何の話?私が聞いたらダメな話?」
ポールは、覚悟を決め今なら言えると思った。
ポール「ルシフェル…オレはお前の事が好きだ。好きだったんだ。ずっーと前から…」
ルシフェル「!!」ルシフェルは口に手を充て目を泳がせている。
ポール「だから、このポールが今度は守ります。行かないで~考え直して欲しい。」
ルシフェル「ポール有り難う。嬉しいわ。私も好きよ?…。」
ポール「じゃあ…」
ルシフェル「でも、それは友人としてなの!そんな目で見れないわ。ごめんなさい…」と言うとルシフェルはダートを連れて家に戻った。ダートはポールに声を掛けようしたが、言葉が浮かばなかった。
そして、メルとダートも暫くダニー達と明日の話をしたのち、家に戻り明日の為の身支度をした。
”なんか今日は色々あり過ぎた。”ハーツの事を考えていた。”少し短い付き合いだったが悪い奴には見えなかったのに…”と思いながら いつの間にか眠りについていた。