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【揺花草子。】(日刊版:2022年)  作者: 篠木雪平
2022年03月
89/364

【揺花草子。】[#3715] 観測者。

Bさん「昨日話した『山月記』の袁傪は

    訓練された声オタだった説。」

Aさん「とんだ仮説もあったもんだね。」

Cさん「実際のところ私たちも

    『この人の声なんか毎日聴いてる気がするな』って

    思う事もちょいちょいあるものね。」

Aさん「確かにありますけれども!!

    まさにいま大人気のキャストさんが同一クールに複数の作品で

    主役級のキャラを演じてるって事はままありますけども!!!」

Bさん「とは言え、『山月記』の舞台は唐代。

    つまり8世紀とかそこらなわけですよ。

    その時代に『このキャラのCV もしかして』なんて言うのは

    ちょっと現実的じゃないかも知れない。」

Aさん「今更それ言う?

    そう言うの飲み込んだ上での話じゃなかったの?」

Cさん「アマゾンのレビューに

    『時代考証が甘い。作者は歴史を勉強するべき。』

    みたいな痛烈なコメントとともに☆1がついたりするわ。」

Aさん「謎の上から目線!!!」

Bさん「ま、そんなわけで、袁傪の声オタ説は一旦引っ込める。

    それでもなおただの呟き一言で虎の正体が旧友だと気付いた理由は

    やっぱり明らかにしないわけには行かないよ。」

Aさん「何なのその謎の使命感?」

Cさん「ここでちょっと阿部さん思い出して欲しいんだけど、

    この『山月記』と言う作品は、徹底して解説調の文体で

    描かれているわよね。」

Aさん「解説調?」

Bさん「学術的にもっと正確な言い方はあるかもだけど、なんて言うんだろう、

    第三者目線で語られていると言うかね。」

Aさん「第三者目線。

    んん・・・確かに、主人公の李徴の視点とかその友袁傪の視点から

    書かれているわけではないよね。

    三人称視点って言うか。」

Cさん「そうね。

    徹底していると言ったのは、

    例えば李徴のセリフ、袁傪のセリフにしても、

    会話の内容をそのまま文字に起こしているだけではないと言う事なの。

    もちろんそう言う箇所は少ないながらも存在するけれども、

    大部分は地の文と一体的になって彼らの発言の

    『骨子』が記述されている。

    言うなれば李徴と袁傪の邂逅に居合わせた別の誰かが

    記録としてしたためている、みたい表現になっているわけ。」

Aさん「あぁー・・・なるほどなるほど。

    なんか言わんとしている事は解る気がします。

    会話劇ではないって言う事ですね。」

Bさん「そこに、袁傪がまるで姿形の異なる虎に

    かつての友李徴を見出した謎があるんではないかな。」

Aさん「えっ・・・何、どう言う事?」

Cさん「つまり、李徴はものすごい癖のある喋り方を

    していたのかも知れないと言う事よ。

    たった一言で『こんな喋り方をするのは李徴をおいて他にない』と

    袁傪をして気付かしめるほどのアクの強い口調だった。

    作中ではそこらへんは削ぎ落とされて発言の要旨だけが

    記述されていると言うわけね。」

Aさん「アクの強い口調・・・?」


Bさん「『デュフフフ、危ないところだったでござるよ〜〜〜』

    みたいな。」

Aさん「アクが強い!!!!!」


 そりゃ気付く。

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