Good morning Prisoners②
ウィリアムは自室の目覚ましが鳴る少し前に目が覚めた。
何やらリビングの方でデュランがドタバタと騒いでいるようだ。物が落ちる音と騒ぎ声が交互に聞える。
「ううーん、あと五分だけ寝かせてぇ……」
誰に言うでもなくウィリアムはそう呟き、頭からすっぽりと布団を被る。が、それでも騒ぎ声は嫌でも耳に入り、ベッドのスプリングから伝わる振動がウィリアムの二度寝を妨げる。
「んもー、うるさいなぁ! 朝からなにバタバタしてるのさ!」
ウィリアムが被っていた布団を跳ね除けて飛び起きるのと、部屋のドアが爆発さながらに吹っ飛んだのはほぼ同時だった。
「な……え?」
ウィリアムが驚きのあまりに間抜けな顔で呆然としていると、デュランがアイラを抱えて強襲――もとい入室して来た。
「勘弁してくれよ、デュラン。君はいつからノック代わりに跳び蹴りをブチかます野蛮人になったのさ」
「んな悠長なコト言ってる場合じゃねぇ! こちとら洪水警報発令中なんだよ!」
「は? なになに? 寝起きの僕には何がなんだかまったく理解できないんだけど……」
デュランはずいっと寝間着姿のウィリアムにアイラを近づけた。
「……グ、グッモーニン。アイラ」
「……おしっこ」
ウィリアムは起き抜け早々すべてを理解し、アイラをデュランからふんだくるとそのままトイレへ全力疾走した。




