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胡散臭い仮面の店長

 女性店員に呼ばれて店の奥から出てきたのは、胡散臭い仮面を被った白髪の男。店長らしいが…店長なのか?


「いやあ、待たせたね。これが売りたい品かい?」


 胡散臭い男はそう言いながら、品物を見るでもなく、俺の眼を覗き込む。……なんだコレ、気味が悪い。


「そうだ。全部で幾らになる?

出来るだけッ、高く‼︎ 高く買い取ってくれ‼︎ 」



-----


 俺は金が無い。無いどころか借金まみれだ。

 仕事と人間関係のストレスで、買い物が止まらなかった。家電、ゲーム、課金、課金…。金が尽きたら借金して、ギャンブル、ギャンブル、ギャンブル…。

 気が付けば、毎月の返済金額がヤバい事になっていた。いや、返済金額が月の収入を上回ってしまっている。分かっている。もう廻らない、もう手遅れだ。


 だが、それでも廻さないといけない。だから俺はガラクタを掻き集めて、此処へ売りに来た訳だ。


-----



「……ふぅむ?」

 胡散臭い男は、俺の眼を覗き込みながら、(ヤレヤレ…)といった表情を浮かべた。


「----------して。全部が売れたとして、足りるのかな?貴方の必要な金額に。本当に足りると、貴方自身思っているのかな?」


 買取り屋の人間とは思えないセリフを吐く男。

だが、男の言うことは正しい。俺自身が、これで何とかなるなんて、思っていないからだ。

 自分が信じてもいないことを、信じ込もうとしている。我ながら滑稽だ。滑稽すぎて、俺は何も言えなくなってしまった。



 男は、フッと視線を緩めると、俺に言った。


「-----付いて来なさい。貴方に良い取引がある。」


 そう言うと、男は店の奥へ向かって行く。

俺は何故か。何故か。男に付いて行くのだった。

序章その2

仮面の男なのに視線や表情が判る(気がする)のは

仮面がハーフマスクだからです。

設定無視やミスでは無いです。

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