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001話 今、愚痴らずにいつ愚痴るというのだ!!

【筆者からの一言】


はじまり、はじまり~



永禄十三年(1570年)四月 【とある街道にて】その一


あぁーやってられんわ。

馬鹿馬鹿しくて何もやる気がおきん。


せっかく貰った嫁さんと、やっと得た居場所をあっという間に取り上げられた。

幾ら何でも扱いがひどすぎだろう。あんまりだ。容赦無さすぎだよ。


八男だからってそれはないでしょう!だよ。

どっかの書籍化された某人気web小説のタイトルみたいだよ。


だいたい、これまでだって俺への扱いは他の兄弟に比べ酷かった。

幼少の頃に寺に入れられ家族にはろくに顧みられず、いきなり呼び戻されたかと思えば捨て駒として武田への人質に送られた。


幸い命を失う事もなく無事に実家には帰してもらえたけど、あれは信玄様々だね。


それで実家に帰ったら今度は幸いにも一門の重鎮の家に養子に入って、嫁さんを貰えて万々歳。

これまで苦労した分の代償かとそりゃあ嬉しくもなる。


だが、しかし……


養子に入って結婚して数ヶ月しか経っていないのに、養子先と嫁と縁を切って、今度も人質として他国に送られる事になった。

あぁーやってられんわー。


しかも今度の行き先は実家の宿敵、上杉だよ、上杉。かれこれ17年も戦っている相手だよ。

それだけ戦ってたら上杉家の中にも当然、実家に恨みつらみを抱えている奴も大勢いるだろう。

どんな顔をして行けばいいというのか、そんな家。


だいたいさぁ人質を出すというのなら俺の他にも適任者はいるんだよ。

未婚の弟がいたんだ。

それなのに、またもや俺をご指名とは……


俺が一門の重鎮の家に養子に入ったのも最初から上杉へ人質に出すための布石だったんだろうな。

箔付で重鎮の家に養子で入れて、表向きは重要人物を人質として送りますって形にして、決して捨て駒を送り付けたわけでは無いという上杉へのアピールなんだろう。


親父と兄もどこまで俺を冷遇すれば気が済むんだか。

上げておいて思いっきり突き落すんだからな。マジやってられんわ。


まぁ俺がどんな人生を送るかは、史実で知ってはいたけどね。

八男なんて便利な駒扱いなのも頭では理解はしていたけどね。

側室の子だから正室に疎まれ冷遇されるのも覚悟はしていたよ。


だけど、それを実際に我が身として体験するとキツイわ。ホントにキツイ。

親父と兄の前では一切、不満は言わず表情にも出さずに粛々と拝命したけどね。


だが! 心の中では愚痴りたくもなる!

今、愚痴らずに、いつ愚痴るというのだ!


まぁ上杉謙信は史実では俺にはいい人っぽいから、救いはあるけどさ。

あっ今の時点じゃあ、まだ謙信じゃなくて輝虎と名乗ってたっけ。

でも輝虎よりも謙信の方が読者にはわかりやすくていいか。


そんなわけで今回の俺の憑依だか転生だかの人生は北条三郎をしています。

これから上杉影虎と名乗る予定の武将です。


現在、実家の小田原から越後に向けてドナドナされてる道中です。トホホ。


【つづく】

【筆者からの一言】


北条三郎くんには六男説、七男説、八男説とまぁ色々と説があるわけですが、やはり「小説家になろう」でお話を書く場合はネタ的に八男説ですよねぇ。

他でこのお話を連載していたらきっと八男説は採用しなかっでしょう。


ここでネタに走らずにいつネタに走るというのだ! という感じ(´ー`)エヘヘ


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