鳥越家
僕の目の前には小さな家が
隣の少女は
「ねっ、大きいでしょー」
イタイ・・・これで大きいって?よほど貧乏なのだろうか?
「さっ、入って」
鳥越さんの笑顔がまぶしい
貧乏なのにその笑顔・・・泣ける
家に入ると玄関で美人な方が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。疾斗君」
背中に羽、背中に尻尾
夢魔か
「ただいま、お母さん」
お母さん?ということは鳥越さんも夢魔かな?
「どうも〜 鳥越・ライムウェル・ローラン・ウェルクスよ」
それからお察しのとおり夢魔よ、と付け加えた。
「ライムって呼んでね?」
ううむ、とても子供がいるとは思えない。
「お城より小さいと思うけど他の家より大きいと思うわよ?この家」
俺の考えを見通したみたいに答えた。
「お城?なんで?」
しばらく、ライムさんによる説明
「ふぇー、あのエイブラハムとグランネースの子供!」
(そこまで驚かなくても)
「さぁ、お茶にしましょうか」
紅茶は、とてもおいしかった。
あっという間に、時間が過ぎていった。
話題は先ほどの意味の分からない絡み男たちの話へ
「んでね、んでね。あっという間にバーンってやっつけちゃったんだよ」
「あら〜、すごいわね〜」
他にもあと3人ほど下宿しているとか、学校は同じスウェラリア魔法学院だとか
お茶が、終わった時に部屋へ案内された。
「おぉー、荷物が届いてる」
「あたしの部屋は向かいの部屋だから、お母さんの部屋は突き当たり」
あとは、下宿人の部屋とからしい
一人部屋の戻って荷を解く
家から持っていたものは、魔術具、衣類、勉強道具などだ。
片付け終わるころには7時になっていた。
「疾斗ー!晩御飯だよー」
多分、鳥越さんであろう。
早速、君がなくなったなぁーと思いつつ、テーブルへと向かった。
降りていくと、赤い髪の女の人が居た。
耳の形からしてエルフだと思う。
たぶん下宿している人だろう。
「はじめまして、黒羽根・オズワルド・疾斗です」
一応挨拶しておく
「は、はじめまして、クリシス・バトネック・アルフェルタです。エルフです」
ビンゴ!!やはりエルフでしたか
「ここに住むことになりました。よろしくお願いします。疾斗と呼んでください」
丁寧に頭を下げる。
「は、はい。よろしくお願いします。アルフェルタって呼んでください」
そのまま、アルフェルタさんと別れいいにおいのするほうへ
2人、知らない人がいた。
一人は耳からして狼男の男の子、黒髪
もう一人は金髪、ヒューマンか?
「黒羽根・オズワルド・疾斗です。よろしくお願いします」
挨拶を忘れない俺
狼男の子が
「僕は、ダグナール・D・フェイヘル。フェイヘルと呼んでください。よろしく。」
金髪の女の子が
「私はライカーク・レネペオル・エスク。吸血鬼の真祖だ。エスクと呼べ」
真祖?
真祖って最強種の真祖?
この家に普通のヒューマンはいないな〜
「お前の血はうまそうだ。今晩、貰いにいくかも知れんぞ?」
うぉぉい!狙われてません?僕、狙われてますよね?
「フフ、何、味見だ。献血程度に貰おう」
怖っ!!
「何言ってるのエスク。いつも断って吸ってるくせに」
「う、うるさい。ばか者。」
程なくして夕食
「さぁ、今日は疾斗君のウェルカム・ディナーよ。召し上がれ」
夕食はとてもおいしかった。
夕食後、風呂に入り、もう寝るか?という時にライムさんが来て
「疾斗君、家の彩芽ちゃんに襲われないようにしなさいよ〜♪」
といったのが気になった。覚醒前でしょう
ベッドに横になった時、コンコンとノックされた。
あけてみると、エスクさんだった。
「どうしたんです?エスクさん」
「さんはいらん。血を貰いにきた」
血、というと赤い血液
冗談じゃなかったのか
「えーと、どうやって飲むの?」
「首筋から貰う。大丈夫だ。死にはしないし抵抗できるのだろう?」
ホントに吸う気だ。この人
それからわずかばかりの『献血』をしてふらふらになった。
最後にエスクさんが
「思いのほかうまかったぞ。また貰いに来るからな・・・」
といった気がした。
とりあえず、俺の意識はブラックアウトした。