都会は恐ろしい
ヒロイン登場って感じです。
出発の日
魔法学院では自分の家の家紋を入れたマントを一着用意せねばならないらしく俺は黒羽根の紋章を背に刻まれたマントを着用して城をでた。
「グランネース、あの子はきっと成長して帰ってくるさ」
エイブラハム魔術師は、息子を心配する母にそう声をかけた。
そんなことが話されてるとも知らず俺は駅という建物にいた。
魔族圏の地域から出るのは初めてのことで見るもの全てが新鮮だった。
行き交う人間、無数の建物・・・
電車という乗り物は、本で見たから分かる。
きっぷというものを買って乗るもの、と書かれていた。
幸い、金はたくさんあった。
が、買い方は皆無
仕方なく、かかりいんという人に聞くと丁寧に教えてくれた。
人間て優しいんだな・・・と感動する疾斗少年だった。
電車という乗りものは、遅かった。
というよりも疾斗のほうが早いのだが・・・
それに、周りの人の目が俺に向けられている。
珍しいのだろうか?
確かに銀髪赤眼というのは、周りを見回しても自分だけ
俺、都会でやってけるのかな?
くじけそうになる。
疾斗が不安に駆られてる中電車が止まった。
「え〜と、確か迎えが来てくれるといわれたんだけど・・・」
1人暮らしは危ないからと両親の知人の家にお世話になることになってたんだけど・・・
早かったかな?
確か、待ち合わせは2時半
現在1時45分
まだ結構時間あるな〜
(とはいっても、うろついて迷子になるのはいやだしな〜)
仕方ないので、待ち行く人々の観察をしてみる
いかにも魔術師風の男、母と子供、獣人、男たちに囲まれている女の子・・・ん?
「ちょっと、やめてよ」
「いいじゃんいいじゃん〜俺等と一緒に遊ぼうよ」
(あれは何してるのだろう?)
疾斗は、人とあまり会わない生活をしていたためこういうことには疎かった。
しばらく見ていると男たちが疾斗の視線に気づいたのか
「お前、何見てんだよ?」
疾斗は、なぜ自分が怒られているのかわからなかった。
だから
「い、いえ見てないです」
挙動不審な返答しかできなかった。
あっという間に男たちに囲まれた疾斗は泣きたくなった。
(都会は恐ろしいなぁ)
「ざけんじゃねぇよ!」
殴られた。
「ぐふっ・・・」
「きもいんだよ」
囲まれて殴られ蹴られた。
「もうやめてッ!!私がついていきますから」
「おっいいじゃん。行こうぜお前ら」
だが、ここで彼らは謝っとくべきだった。
「ちょっと待て」
静かだが良く響く声
「あ?まだ殴られてぇーの?」
すでに疾斗の周りの魔力が火花を出してる
ボキッと音を立てて大男が吹っ飛んだ。
次に魔力を大砲のように打ち出して3人に打ち下ろした。
小さいクレーターができた。
最後の人たちは魔力を込めたアッパー
何メートルかとんだあとグシャっと落ちてきた。
全員ピクピクッと動いてたのでまだ生きてると思う
だが、怒りは収まらない。
上級魔術のひとつでも使ってすっきりしたかったが町だったためはばかられた。
仕方がなく死にそうなやつには回復呪文魔術をかけてやった
「あのっ、疾斗君ですか?」
さっき助けた女の子が声をかけた。
声をかけられたのにも驚いたが・・・
「何で名前を?」
「はじめまして、鳥越ローラン・ローウェルン・彩芽です」
誰?都会では、名前を当てるのがはやってるのかな?
「え〜と、どちら様でしょうか?」
「あ〜もうっ、あなたの下宿先の娘!!」
なるほど、気丈な子だ。
「はじめまして、黒羽根・オズワルド・疾斗です」
一応名乗っとく
「さっきはアリガト・・・」
そういって鳥越さんとやらは俺の手を取って歩き出した。
歩くこと15分程度
その間
その髪かっこいいねーとか強いねとか、鳥越さんが話してた。
「じゃーん、ここがあなたの下宿先でーす」
そこで僕が見たのは・・・