ジョーカーと1
真人「え…?」
こいつ…馬鹿なのか?
真人「分かっているのか⁉︎お前は最後にジョーカーを出さないと負けるんだぞ‼︎」
みなみ「分かってるよ〜?だってみなみがルール決めたんだも〜ん!」
みなみは怯えた素振り一つ見せずに言った。
真人「じゃあどうして…」
みなみ「そんな事より早く次やろうよ!」
真人「あぁ…」
そうか、
こいつ…馬鹿なんかじゃない。
俺が1を出せないと知っててジョーカーを出したんだ。
完全に一回目は持っていかれた。だが、次からはそうはさせないと俺は心に誓った。
みなみがさっき俺の出したカードを回収する。
そして、また次の勝負が始まる。
するとまたみなみが先にアクションを起こした。
みなみ「ん〜…次は〜これっ!」
みなみは迷った素振りを少し見せた後、カードを机の上に置いた。
なんて恐ろしい小学生だろう。このゲームはそんな遊び感覚で出来るものではない。
とにかく落ち着こう。
俺の今持っているカードは1、2、ジョーカーだ。
まず、ジョーカーを出した場合、みなみが1を出していたとすると、その時点で俺の負けは確定する。それは1を出した時も同じようなことが言える。
でも2を出した場合は、それで負けても次の回でまだ勝負が出来る。
もちろんそんな考えじゃだめだ。後になればなるほど、俺の勝率は下がっていくのだから。
ならばここで勝負をするべきだ。
ここで勝てば俺の勝ちなのだから。
ぱっとカードを見る。
やはり、1番強いカードはジョーカーだ。
みなみから見てみれば、俺が1か2を出すことを想定して3を出すという可能性が高いと思える。こいつも子供だからそういう思考を持っているはずだ。
だからこそ今回はジョーカーを出す。
俺はジョーカーのカードを机の上に置いた。
みなみ「あ、やっと出してくれた〜〜じゃあいっくよ〜せーのっ!」
一斉にカードを表に向ける。
今回は、引き分けだった。
また、みなみがジョーカーを出したのだ。
この子…本当にただの馬鹿なんじゃないか?ただジョーカーが強いという理由だけで出しているんじゃないか?とさえ思える。
みなみ「今回は引き分けだったね〜!」
真人「あぁ、」
みなみが自分の出したカードを回収する。それに合わせて俺もジョーカーを手札に戻す。
みなみ「じゃあ次は〜これっ!」
また同じセリフ。もう聞き飽きたくらいだ。
引き分けになるとその回はなかった事になるので、また二回戦が始まる。
最後に出さないといけないジョーカーを2回連続で出してくるような奴の精神状態だ。だからまた次もジョーカーを出してくるんじゃないか?
いや、違う。ここまでジョーカーを出し続けておいて、俺の1を誘っているのかもしれない。
そうだ、俺が1を出すのを待っているんだ。
でも本当にそうか…?そんなに単純な奴だろうか?結論、こいつはそんなに単純な奴ではない。
もし本当にこいつが俺の1を出すのを待っているんだとしたら、今回3を出すのだろう。
だが、それをひねるとすれば…
今まで、子供だと思って甘く見ていた。それが今回の俺の反省だと思う。子供だからジョーカーを出すのだと。
でも違う。こいつは俺が1を出せないビビりだと思っているからジョーカーを出すのだ。だから今回は1を出そうと思う。
俺は1のカードを机の上に置いた。
これでラストだ。
みなみ「じゃあ開けるね〜せーのっ!」
みなみがカードを表に向ける。
そのカードは
3だった




