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フリー  作者: 空暉
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謎の少女

話はまた真人に戻る。



ピンポーン


休日の朝に家でゴロゴロしていると、玄関のチャイムが鳴った。


俺は真っ先に彩葉ではないかと疑った。が、訪問して来たのは小学生くらいの女の子だった。


俺はドアを少し開けた。


?「こんにちわ〜‼︎」


無邪気な声が俺の鼓膜に刺激した。


真人「君は誰かな?」


苛立つ自分を抑えながら、少ししゃがんだ状態でそう問いかけた。


南「みなみねぇ、みなみって言うんだよぉ!小学2年生なの〜!よろしくねぇ〜」


この少女は、いきなり個人情報をばら撒いてきた。


真人「えっと…みなみちゃんはどうして俺のお家に来たの?」


みなみ「えっとねぇ〜勝負しに来たの〜!」


真人「え…?勝負?えっと〜なんの勝負かな?」


みなみ「フリーの勝負をしに来たの〜」


小学生でもフリーが流行っているのか。可哀想に。だが俺は小学生をいじめる趣味はないので、早急に帰って貰おう。


真人「あのね、フリーは小学生が遊んで良い場所じゃないんだよ?分かったら早くお家に帰りなさい。」


みなみ「え〜いやだ帰りたくない〜」


真人「でもホストをやるにはお金が必要だよ?俺今お金ないからフリーの勝負できないね。」


と、軽く嘘をついてみた。


みなみ「じゃあお金あったら勝負してくれる?」


真人「えっ…も、もちろんだよ。」


みなみ「やった〜じゃあはいっ!」


そう言って、みなみは200万円をバッグから取り出した。


真人「えっ!それ…どこから?」


みなみ「えへへっ内緒‼︎」


いや、考えるまでもなくフリーで稼いだ金だ。この子、何者?


みなみ「これで勝負してくれるよね?」


真人「あぁ…そうだね。」


金があったらやると言ってしまった俺は、子供相手に嘘はつきたくなかった。


みなみ「やった〜〜じゃあ行こっか!」


真人「うん…」


こうして、謎の少女と勝負をする事になった。



フリーの会場に行くまでに、少し気になっていた事を質問してみた。


真人「なんで俺の家に来たんだ?他の友達は?」


みなみ「みなみねぇ、友達に勝っても何にも嬉しくないの。だから前にフリーの会場からお兄ちゃんが出てきたのを見て、この人強そうだなぁ、この人と勝負したいなぁ〜ってずっと思ってたの!」


真人に 「あ、そうなんだ。」


友達に勝っても嬉しくない…か。なんだかわかる気がする。


そうこうしているうちに、フリーに着いた。


みなみ「じゃあホストで受付してくるからちょっと待っててね〜!」


そう言って元気よく走って行った。


しばらくすると、ホストにみなみというアイコンが出た。そこには、こう書いてあった。


トランプゲーム


このゲームはトランプを使用します。


イカサマとみなされる行為は即負けとみなします。


ゲームの流れとしましては、まずお互いに机の上に裏向きにカードを出し合い、裏向きに出したカードを一斉に表を向けたとき、出したカードが強かった方の勝利とし、負けた人の机の上に出したカードを勝った人が奪うことができます。引き分けだった場合、その回は無効、つまりなかった事として続行します。


これを5回行い、5回目に勝った人の勝利とします。

つまり、初めの4回で何回勝っても、そこで勝敗は決しません。

ただし、カードは4枚しか存在しないため、4回連続で負けた場合は4回連続で勝った人の勝利とします。


では、カードの説明に入ります。


3は2と1より強く、2は1より強く、ジョーカーは2と3より強く、1はジョーカーより強い、という形です。一応分かりにくいようでしたら、下の図をご覧ください。


3➡︎2と1


2➡︎1


ジョーカー➡︎3と2


1➡︎ジョーカー


左が強く、右が弱い。


そして、今回特別ルールとして、みなみは5回目にジョーカーを出さないと、負けとみなします。


以上。



小学生が書いたとは思えないほどの丁寧さに驚きはしたが、それよりも特別ルールの方が気になった。


5回目に勝った人がこのゲームの勝者のはずだ。なのに、みなみは5回目にジョーカーを出すと言っている。


それはつまり、最後に1を出せば俺の勝ちという事になる。


逆にみなみが勝つには、俺に4連続で勝つか、途中で俺に1を使わせて勝つしかない。


圧倒的なこちらの有利。


この子は一体何を考えているのだろう…?


とにかく、みなみがまっている部屋に行く事にした。



コンコン


ドアをノックする。


みなみ「あっ、どうぞ〜!」


何も言わず部屋に入る。


部屋はいたってシンプルで、置いてあるのは机と椅子だけ。


そこに足をぶらつかせながら椅子に座っている女の子がいた。


俺が椅子に座ると、みなみが話し出した。


みなみ「じゃあ始めるね〜!」


そう言ってトランプを出す。


みなみ「じゃあまずは…はいこれ!」


みなみが俺にトランプを差し出してくる。


点検しろという事だろう。


俺は一通り点検を済ませた後、みなみにカードを返した。


みなみ「じゃあ始めよっか!」


そう言ってみなみは4枚のカードを渡してくる。


みなみ「じゃあみなみはねぇ〜これっ!」


みなみはなんの躊躇もなく机の上にカードを置いた。


さて、俺も出すカードを選ぶとしよう。


まず、手札にあるのは1、2、3のスペードと黒いジョーカー。


みなみは5回目にジョーカーを出さないといけないから、ここでジョーカーを出して俺に1を出されたら即終わり。だから今回ジョーカーはまずないだろう。


いや…もしかするとジョーカーを出すかもしれない。俺もみなみと同様、最後まで1を持っていないといけない。つまり、ここで俺が1を出すわけがないと思われているのかもしれない。


そう考えると俺も有利ではない。


こいつだけが最後にジョーカーを出さないといけないのではない。俺も最後に1を出さないと負けるんだ。だから俺も1を出しづらくなる。


まてよ…やっぱり俺の方が有利だ。


もし一回目で俺が負けても、1で負けない限りはまだ俺に勝ち目はある。だが、みなみは1回でも負けると、その時点で俺の勝利となる。

(次から俺が1以外のカードを出し続ければ良いから)


そう考えると、1回目にそこまで勝負を行かなくて良い気がする。


3を出そうか…?


ここでジョーカーを出すと、みなみが1を出していた場合、俺の勝率が50%になる。それに、みなみが1を出す可能性は充分にあると思う。


なんにせよ、みなみがジョーカーを出してくるとは考えにくい。


うーむ…


色々考えた結果、1番安全な3でいこうと思う。やはり、初めは様子見が必要だ。博打を打つのは俺の主義ではない。


俺は3のカードを机の上に置いた。


みなみ「あ〜やっと出してくれたの〜?みなみ待ちくたびれたよ〜」


みなみは落ち着かない姿勢でそう言った。こういう仕草は本当に子供っぽいと思う。


真人「あぁ、ごめんね。」


みなみ「いや、良いんだけどさっ‼︎」


良いのかよ。と、少し腹が立った。


みなみ「じゃあ開けるね〜せーのっ!」


一斉にカードを表に向ける。


みなみが出したカードは…


ジョーカーだった。


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