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齢18で城を手に入れたら  作者: ロカク
一回生編 ~夏~
8/13

周囲に渦巻く黒い影

 デパート爆破事件から翌日、俺たちは普通に一日を過ごしているわけだが、ニュースを見る限りまだ昨日の事件の犯人は捕まっていないらしい。探してとっちめてやりたいところだが、手がかりもないし……


「そこはこうだな」


「……できた」


「すげーな、それ中学生レベルじゃないか?」


「……へへ」


 今日は当初予定していた通り夏休みの宿題を見てやるつもりだったが、雹花はもう終わっているらしくかなり先を見越した勉強をしている。土筆と染谷さんの様子からすると……遊んでるんだろう。


「休憩がてら散歩ついでに買い物行くかー」


「……うん」


「私も行きます!」


「留守番もつまらないし、私も行こうかしら」


 というわけで四人で出掛けることになった。と言っても近くのスーパーに行くだけだが。


 -一時間半後-


 一通り買い物を済ませ、家に帰ることとなった。


「ちょっとトイレに」


「私も!」


「……私も」


「なんでだよ」


「まぁいいじゃないですか!連れションってやつですよ!」


「女子がそんなこと言うなよな」


「私はここで待ってるわ」


 ということで帰り道の途中にある公園に立ち寄ることとなった。連れションったってもちろん俺と鵜久森姉妹は別々なわけで……


「もし先に終わってもここで待ってろよ! 戻ったかどうか分かんねぇから!」


「了解でーす!」


 とは言ったものの当たり前のように俺が先に終わり、しばらくして鵜久森姉妹も二人揃って出てきた。


「さぁ! 帰りましょう!」


 先を行く土筆を追う形で俺と雹花も染谷さんが待っている場所へ戻った。


「あれ? お姉さんいないですねぇ」


「先に帰ったのか?」


「でも待ってるって……言ってた」


 これはほぼほぼ連れ去られたということになるだろう。なんて冷静に分析している場合じゃないだろ! 何か手がかりはないのか!?


「久我さん! あれ!」


 そう言って土筆の指差す先には不自然に大きな袋を車のトランクに乗せようとする黒服二人がいた。


「おい! お前ら! 何やってんだ!」


 俺の声に気づいた黒服たちは袋をその場に置いて車で逃走した。当たり前のようにナンバーは隠れていた。


「お姉さん!」


「ちょっと待て! 下がってろ、俺が開ける」


 俺は袋に近づき、開けようとする土筆を制して少し下がらせた。もしかしたら違うものが入ってるかもしれないし、仮に染谷さんだったとしても万が一、億が一って事もあり得る。


「ふぅー……ふっ!」


 袋を開ける瞬間、恐怖のあまり顔を背けた。しかし爆発したり、血が流れたりするわけでもなく……


「あっ……」


「いや、まだだ!」


 袋の中に入っていたのは紛れもなく染谷さんだったわけだがまだ油断はできない。呼吸は……


「よし! 大丈夫だ!」


「うぅ……お姉さ~ん!」


「……よかった」


 とりあえず怪我はないようで一安心だ。が、最近何かがおかしい。雹花が溺れかけたのをはじめデパート爆破事件、そして今回の誘拐未遂。俺の周囲の人が危険にさらされている気がする。


「……ナル?」


「あー悪い悪い、ひとまず帰るぞ! ここにいたらまた何があるかわからんからな!」


「お姉さんは私が!」


「無理だろ」


 結局染谷さんを俺がおぶり、荷物を鵜久森姉妹に持たせて家に帰った。それからも一向に目を覚まさない染谷さんに土筆は付きっきりだったのだが、外は夏と言えど薄暗くなってきていた。「もうちょっとだけ!」と粘ってはいたものの、さすがにまずいということで鵜久森姉妹はしぶしぶ帰っていった。


(それにしてもここに引っ越してきてからやたら事件やら事故が多いんだよなぁ、心当たりは……)


「うーん……あれ? いつの間に帰ってきたの?」


「気づいたか。帰ってきたのは数時間前だけど、何があったか覚えてないか?」


「後ろから薬的なものを嗅がされた気がするんだけど……そこからは覚えてなくてさぁ」


 外傷がなかったのはそういうことか。


「そうか、帰れるか? ……と言いたいところだが、もしまだ体調が優れないようなら部屋は貸すぞ」


「それは助かるわー、迷惑はかけないから!」


 それは前提なのでは? そもそも半分住み着かれているようなもんなので特に違和感もない。帰り道で襲われてもたまらないので俺も染谷さんも懸命な判断だと言えるだろう。土筆には連絡しとくか、雹花にも話は回るだろう。


「久我くん、薄々思ってたんだけど最近……」


「それについては明日話そうと思ってたんだ」


「そう、じゃあもう休ませてもらうわ」


「何か食わなくて大丈夫か?」


「食べる! って、カップ麺じゃないわよね?私は一応怪我人よ!」


「えっ!? あー、今日買ったレトルト粥でよければ」


「うん、まぁ良しとしましょう!」


 良しも何も俺が買ったんだけど……何はともあれ精神的ダメージが表立って見られないのは助かるところか。


「久我くん! それお湯いるやつでしょ?」


「おう」


「じゃあ沸かしとくね!」


 こうして俺もレトルト粥を食い、染谷さん誘拐未遂の日は終った。立て続けに起こる俺の周囲を対象としているであろう事件、一体誰が何の目的で行動しているのか。ちょっかいか、本気の殺意か……まずは明日の作戦会議から始めよう……

どうもお久しぶりです!ロカクと申します!

色んな方向で夢を追いかけていたら結局ここに戻って来ました!

さて、今回のお話は染谷さんが誘拐されてしまいました。実際ニュースとかで見ると「何でこんなことするんだろう?」と思ってしまいます。それはさておきこれからはまた週一ぐらいで投稿できたらと思っています。「人間の~」の方をお待ちの方はもう少々お待ちください!では、また次回(^-^)/

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