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悪魔とティータイム  作者: 花と雨
本編後
13/17

しあわせのミルクティー

 突然ですが、私セイロンのミルクティーが一番大好きです!

 アッサムがミルクティーでは定番かとは思いますが、渋みが少くない茶葉が私はお気に入りです。

 牛乳をたっぷり入れてそこへ紅茶を注ぎいれ、まずは一口。香りを楽しんでからお砂糖を少々入れてまた一口。


「おいしい!」

 やはりミルクティーにはお砂糖が最高です。砂糖無も好きですが、砂糖が入った後のコクの深みが溜まらないのです。ましてや最近外が冷えてきたので、ミルクティーの優しいコクと温かさに癒されます。


「お前は紅茶を飲んでいる時が一番楽しそうだな」

 悪魔さんがテーブルの向かい側でくっと笑いながらそうおっしゃりました。

 本日悪魔さんは白いシャツに黒いベストとズボン、ワインレッドのネクタイをきっちりと締め、英国紳士風の装いです。その格好にツンツンした黒髪はアンバランスに見えそうなのに全く違和感を感じません。切れ長の真紅の瞳と恐ろしく整った容姿に上品さと野性味が加わって、壮絶な色気を醸し出しております。この微笑みを前にしたら世の中の女性陣は一瞬で虜になりそうです。

 …そんな色気がダダ漏れているのですが、残念ながら観客は私だけなので全くその効果は発揮されておりません。あまりにも似合いすぎていて、そこだけイギリスなのではと思いたくなる風景です。

 あ、ちなみに私以外には真紅の瞳は漆黒に見えているようです。黒髪黒目でも日本人には全く見えないですけれども…。


「えへへ、分かりますか。こんな美味しい紅茶を飲む時間を毎日取れるって、幸せだなぁって思うんです。それにお話し相手が加われば更に最高です」

 しばらくはこの時間さえも色々と思い出して悲しかったのですが、今はもう大丈夫。悲しみも紅茶に溶けてゆっくりと事実として過去へ馴染んでいくのでしょう。


「俺がいるから今は最高だろう」

 悪魔さんは私をからかうように口角を上げながら笑い、偉そうに長い足を組み直しました。

「はい! 最高です! 一緒にいてくれてありがとうございます!」

 私はこんな悪魔さんに出会えて幸せです。この幸運を言葉で全てお伝えできないのが残念です!


 悪魔さんは何故かぽかーんと大きく目を見開き、それから眉間に皺を寄せて白い肌を少し紅潮させて、慌てて紅茶を一口。

「・・・・っそうか」


 挙動不審な悪魔さんを眺めながら、「とっても幸せです」と考えながら私はミルクティーを口に含んだ。

今は寒いので、ほっと心が温まればいいなと思って書いてみました。

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