神は僕に嘘をついた
やあ、僕はイタズラ好きな神様。
でも神様としての仕事はしてる。
だって仕事をしないと自分の世界がいじれないから。
だけど皆、自分の世界に夢中で全然仕事をしないわ、色々な世界を作りすぎて、面倒を見切れてないわで、もう大変。
え?何で僕だけが仕事しないと世界がいじれないかって?
それは簡単な話だよ!僕はイタズラが大好きだからね。上の神に嫌われてしまっているんだよ。悲しいね。
そんな僕は1つ思いついちゃったんだ。面倒を見切れてない世界を一人の人間に存続させるべきか滅ぼすべきかを決めさせる遊びを。
その遊びを上の神に提案すると。上の神は悩んでた事も解決できるし、僕の好奇心もそっちに向くからとOKを出してくれたんだ。やったね!
そうして僕は、まず一人の人間《泥人形》を早速作ってみた。ちなみに今回の人間には、事故で今死んだばかりの高校生の記憶を埋め込んでみた。
高校生ってさ色々と使いやすいから、皆大好きなんだよね。
そんな高校生に僕は神様として語りかけてみる。
「やあ、はじめまして、僕は君達の言うところの神様。」
「早速だが、事故で死んでしまった、かわいそうな君を異世界転移させてあげよう。」
他の神を真似して言ってみる。そんな目の前の高校生はこの言葉に喜びながら話しかけてくる。
「マジで?俺異世界転移できるの?もちろんチートスキルは持ってるんだよね?例えば剣を無限に出したり。魔法を全属性使えたりさ。もう俺マジで豪運なんだけど。」
面白いなーこの人間。老人とかだと最初は(本当に神様なんですか?)とか反応するのに。この人間僕の事をイベント扱いしてるよ。まあ使いやすいからいいんだけどね。
「うん。でも君には1つやってもらいたい事があるんだ。」
「え?なんすか?もしかして世界を救ってくれとか?もうバリ余裕でしょ。」
「いや、君には異世界転移した先で、その世界が存続するべきか滅ぼすべきかを判断してほしいんだ。」
高校生は思っていた返答と随分と違い動揺する。ただ色々な本を読んでいたのか、数分で受け入れ高校生は詳しい事を聞いてくる。
「あの、それやるんで、詳しい事を聞いてもいいっすか?」
「うん。じゃあ説明をさせてもらうよ。」
これはルールみたいなものだ。
その1 存続か滅ぼすかを決めるタイミングはいつでもよい。
その2 存続させる場合、高校生は次の世界に行って貰うこと。
その3 逆に滅ぼす場合、その世界を滅ぼしてから高校生には次の世界に行って貰うこと。
その4 世界にいていい期間は無限であること。
その5 転移場所はランダムで決まること。
その6 転移するたびに1つチート能力がつくこと。
その7 ステータスオープンと叫べば自分の能力を確認できること。
まあこれの内1つは嘘なんだけどね。笑。
それに順次ルールを追加していく予定だと伝える。
高校生はルールを聞き目を輝かせる。改めて世界の命運を握れる事に優越感を感じる。そうして高校生は早く転移させてくれと懇願してきたから。僕は早速転移の準備を始める。
「今から転移する世界は戦争の世界。この世界は魔王が強すぎて魔王を討ち果たせる者を探していたんだ。そんな世界に君は救世主として行く。」
「さあ、張り切って世界の命運を決めてきてくれ。」
「………………」
高校生は何かを言いかけていたが、僕は無視して転移させる。
ここからは高校生視点で話を見てくれたまえ。
………
「異世界きたー!」
そう俺は森の中で叫ぶ。周りを見渡してみると、全然戦争の世界らしくない。今俺が立っている場所は森の中だし。
戦争の世界なら荒れ果てた荒野とかさあるじゃん。そこに急に現れるチート能力持ちの俺、一人で軍勢を相手にして華麗に勝利。
そうして俺はこの世界でハーレムを築く。みたいな展開を期待してたのに、ランダムだから仕方ないけどさ。
ちなみに神様が言うには俺は世界の命運を握っているらしい。
この戦争の世界をいつでも滅ぼす事もできるし存続させて次の世界に行くこともできる。
俺ってば豪運。まあそんな事は置いておいて、早速ステータスを見ようかな。
「ステータスオープン」
そうして俺のチートステータスが表示されるはずだったのだが。
レベル1
HP 30 MP 15
攻撃力 20 防御力 5
運 60 スキル 命運
次のレベル必要経験値 100
あれ?弱くね?しかもスキルの説明を読むと世界の命運が決められるって。これチートでも何でもねぇじゃねえか。騙しやがって。
まあ次の世界にいけばまたスキル貰えるらしいし。とりあえず騙してくれたなってことで、この世界は滅ぼしてみよう。
どうしたらいいかわからないからとりあえず叫んでみる。
「お~い神様。」
「この世界滅ぼしてくれ〜」
……………
返事がない。あれ?どうしたらいいんだ?俺は改めてスキルを確認する。そうすると選択画面が出てきて。
「存続させる」「滅ぼす」
よしもちろん滅ぼすだ。名前からしてろくな世界じゃないだろうし滅んで正解。
そうして俺は「滅ぼす」を選択する。
この選択が間違いだったと俺はこのあと後悔することになる。
………あれ?滅ぼすを押した瞬間から体が熱くなってきた。
どんどん俺の体温は高くなっていき、やがて俺は人間の形を保て無くなる。
熱い、痛い。
熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、
そんな事を思いながら、俺という原型を失った何かは世界を滅ぼしていく。
あの神は俺に嘘を付いた。
存続させるを押したら生きれたのに……




