表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世は女王でしたが、男尊女卑な異世界で家族に虐げられています〜だから、もふもふと魔術で成り上がります【第一部完結】  作者: 碧井 汐桜香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/50

33.精霊

「ばあや、これ……。いつもありがとう。お兄様に言われて……女性が家から出るのは、かなり難しいって。それでも、わたしと一緒に長の家にきてくれて、ばあやがいなかったら、わたし……今、生きていられなかったから。ありがとう」


 ばあやに買った羽織と匂い袋を差し出すと、ばあやは目を大きく見開いた後、わたしごと贈り物を抱きしめてくれた。


「婆にとって、お嬢様はかけがえのない存在で、大切な宝物なんですよ」


 そう言ったばあやの目から一粒涙がこぼれ落ちた。わたしがそれを袖で拭くと、ばあやが笑ってくれた。


「お嬢様の近くはなぜか暖かいから、こんな高価な羽織なんて婆にはもったいないですよ」


 胸を張ったようにくるりと回ったマーシーと目が合った。ばあやにも暖かさを感じるようにしてくれていたらしい。


「お兄様に聞いたら、ばあやの服装も長の養女となったわたしの評価に関わるらしいの。だから、わたしのためだと思って受け取って?」


 羽織をぎゅっと抱きしめてばかりのばあやにそう言って、羽織らせてあげた。嬉しそうに笑ったばあやは、若々しく、綺麗だった。


「あら。匂い袋じゃありませんか……」


 ばあやが匂い袋を見つけて、手に取って嗅いでくれた。うっとりとした笑みを浮かべたことから、調香は問題なかったらしい。そして、ばあやが満面の笑みでわたしに言った。


「長の養女となられたのですから、お嬢様にも教養やマナーが必要ですね。力不足ながら婆が一緒にお手伝いしますよ」


 いつの間にか、わたしの教育が始まることが決定した。楽しく修行したり、地下水路に潜ったりしていたが、忍びらしい修行以外にも、高位の者の所作が必要らしい。それは、忍びとしても必要な能力だとわかったため、わたしはおとなしく頷いた。


 高位の忍びの家の子女には、忍びとしての知識だけでなく、地上世界の貴族子女としての教養・マナーが求められるらしい。教養の中には刺繍や裁縫のようなものから、調香メイクといった美や流行に関するもの、他国の書物も含めた知識、そしてどのような場所にでも潜り込めるマナー。……一応前世女王だから食事マナー・外交あたりなら問題ないと思いたいけど、お兄様の所作を思い出して自信をなくす。もしかして、あのレベルが求められる? かなり努力してやっと届くかどうかだよ……。ここ数年孤児のような動きや食事をしていたため、この世界での食事マナーについては自信を持てない。しかも、地上世界についてはばあやも詳しくないらしいが、他国レベルの文化の違いがあり、そちらのマナーも必要となるとかなり難しいらしい。やってみるしかない。そう思って、次回お兄様に会った時にどこで習えるか聞いてみることにした。ばあやも学びたいと言っているから、わたしはしっかり覚えて帰ってばあやに教えてあげないといけない。……高位の家の娘はこんな気軽に歩き回らないらしいから、その認識から直していかないと。わたしに直せるかな?



「では、お嬢様。ちょうどお食事時ですから、食事のマナーの復習をいたしましょうね?」


「はいぃぃ!」


 基本的にはできている。ただ、空腹時になると途端に壊滅的になる。これは今世のせいだろう……。多分。決して女王時代に執務と昼食の時間を天秤にかけて、早食いしていたからではない。


 基本的にはフォークとナイフ、スプーンを使って食べるが、地上世界では、木の棒を二本使う可能性があるらしい。一度渡されて挑戦したけど、あれで食べようと思った人間はどれほど器用だったのだろうか。うまく持てなくて突き刺したら、ばあやに怒られた。フォークのように刺して使った方が絶対にいいのに……。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ