3.興味
美味しそうだと思ってしまった。
そう思ってしまったらそうとしか思えなくって。
丸くてこの大きさだということは、飴のような味だろうか。甘い味であることに、間違いはないだろう。果物の味だろうか。どこかで見たような、見たことのないような。
苦かったり、辛かったりするのは嫌だ。
しかし、こんなに触ってもベタベタしないとは。
もしかしたらナッツ系なのかもしれない。
芽が出ている気配も無い。
やはり、あまり凸凹していないということは飴だろうか。
現状、出来る事は何も、無い。
此処がどこかも分からない。
このままで、生きていられるのかも分からない。
それならば、いっそこの得体の知れない、美味しそうなナニカの味を確かめたっていいじゃないか。
飲み込んだりしなければ、死ぬことは無いだろう。
だから、食べていいはずだ。
それに、美味しそうなのだ。
美味しそうということは、腐ってなどいなくて食べられる物だということなはず。
そう、それに何も見えない今、食べる事でしかこれが何であるのかは、確かめられない。
仕方の無いことなんだ。
食べるしか、道は残っていない。
ぱくり。
「!?」
すごく美味しいのに何味なのか分からない。果物ではないが、優しい甘さがあり、塩気も感じる。今まで食べたことのある全ての物の味、とでも言えばいいのだろうか。懐かしい味。甘い、と思ったら醤油の味がして、とても辛い味になり、舌に苦さがこびりつき、あとの甘い味で事なきを得る。
口の中のナニカは、全然小さくならなくて。
口の中の唾をごくんと――――
ごっくん
「…あっ」
やばい、飲み込んだ。
読んでくださりありがとうございますm(⇀‸↼)m




