1.暗転
「寒っ」
今閉めたばかりの扉を開け、家の中へ入る。家が暖かいせいで外が冷えている事を忘れていたからだ。さすがにパーカーだけは寒い。何故気が付かなかったのか。さすがに冬を舐めすぎだった。
暫く開けていなかったクローゼットを開け、ごそごそとあさる。最近着ていなかったせいでなかなか見つからず十五分程がたって、ようやく見つけたダウンジャケットを奥から引っ張って取り出す。見た感じだと暫く着ていなかったにも関わらず、問題は無さそうである。着た感じも問題無かった。これで寒さは大丈夫な筈だ。着る前より随分と温かくなった。暖房の効いた室内には少し熱すぎたが。
手袋やマフラーも、寒いなら着けた方がいいのだろうが、コンビニへ行くだけだし問題ないと信じよう。第一手袋はどこに仕舞ってあるか分からないしマフラーは毛玉だらけになっている。もし、手袋がクローゼットの中にあったとしても、先ほど少しだけ荒らしてしまったので、探す事が非常に面倒くさい。
それに私の住むマンションからコンビニまでは近く五分と歩かないのだ。ダウンだけ着ていれば寒くは感じない筈だ。たぶん。寒くても何とかなると信じている。
鍵を掛けた事を確認しエレベーターに向かう。私の部屋は四階だから、偶に階段を使うが、降りるのにも結構疲れる。というか、面倒くさい。大して速さも変わらないし、なんなら階段を使った方が速いのだが。面倒、というか楽な方があれば、そちらの方がいいに決まっている。それで、大体私はエレベーターを使っている。
一階から昇って来るエレベーターの表示を見ながら寒さに負けてポケットに手を突っ込んだ。
手袋を探さなかった事を少し後悔する。思っていたよりも寒かったのだ。暑いと思えば何とかなるような寒さじゃない。でも、今から戻って手袋を探すのは時間がかかるし、面倒だ。それに、ポケットの中も自分の体の熱で少しだけ温かい。
その時、ポケットの中に突っ込んだ少しだけ温か手に、何か硬いく小さい物が当たった。
目を焼くような強い光を浴びた気がした。
光が、音が、消えた。
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