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佐藤浩司と桜ちゃん

俺、佐藤浩司さとうひろし


拓真とミナとの参拝が終わり愛しの彼女、桜ちゃんと無事合流して

2人でアハハ、ウフフな元旦デートをお楽しみ中…

のはずだった

いや、さっきまでは順調に楽しくデートしてました…



ソロソロ日も暮れかはじめたしディナーはどこでとりましょうかね?と

桜ちゃんと話しながら駅前を通ると

拓真が駅前広場に一人で佇んでいた


「あれ?拓真だ…こんなところに一人で

どうしたんだろう?」


俺がボソっと呟くと桜ちゃんがそれに反応した


「友達?」

「そう…俺と同じサッカー部のGKの拓真」

「へぇ…背も高いしガタイも良いけど…なんか可愛い感じの人だね?」


もう一度拓真に目をやると

拓真は腕時計で時間を確認しながら

駅の方をチラリと見て

「ふぅ」とため息をついて俯いた


「拓真…今日森先輩と会うからって俺と同じタイミングで参拝メンバーと別れたんだけど…何で今ここにいるんだ?何かあったのかな?」

「森先輩?」

「うん…3年の先輩で拓真と同じGKで拓真より更にデカい人…」

「ふぅん…」


ハッ!ヤバい

今、桜ちゃんの瞳がキラリと光った


「さ、桜ちゃん?」

「ねぇ…ひろくん…ちょっと…ちょっとだけ様子見てみない?」


あぁぁぁ

やっぱり!


「なんか、あの拓真くん?凄くいい匂いがするんだよね」


桜ちゃんは…母親がBL漫画家で本人も『うすいほん』を描いている筋金入りの腐女子だ

彼氏である俺にBL布教をし

『うすいほん』の制作を手伝わせ

腐沼に爆速で引きずり込んだ張本人だ

そして桜ちゃんの腐の匂いを嗅ぎ分けるセンサーは超人的なのである


「浩くん…良いよね?観察!」


桜ちゃんは瞳をキラキラさせて俺を見つめる


…可愛い


こう言い出したら桜ちゃんはもう止まらない

納得するまで拓真を観察するのだろう…

それに俺もちょっと気になる…


「うん…良いよ」


せっかくのデートだけど…

まぁ…桜ちゃん楽しそうだしね


俺はとことん桜ちゃんに弱いのだ


拓真…なんか…ごめんな


俺は拓真への多少の罪悪感を胸にしまい込み

2人で物陰に隠れながら拓真の様子を見ることにした



拓真は

ぼんやりと人の流れを見ていた


暫くすると駅の改札の方から

森先輩がやってくるのが見えた

体が大きいから人混みの中でもとても目立つ


「あ!森先輩だ!」

「え?あの大っきいひと?」

「そうそう…ん?待ち合わせってこれからだったんだ…カラオケ行ってからでも間に合ったんじゃ…?」

「ねぇ…浩くん、ここからじゃ話とか聞こえないね」

「そうだねぇ」

「…浩くん!カップルのふりしてさりげなくもっと近くに行くよ!」

「桜ちゃーん…『ふり』じゃなくてホントのカップルでしょうよー」

「!?そうだった!ごめーん」


テヘっと笑う桜ちゃん

…可愛いから許す


そろっと拓真に

バレない程度のギリギリラインまで近づき

聞き耳をたてる



「よぉ!拓真」

「森先輩!」

「お前来るの早いな?待ったか?」

「いえ…今来たところです」

「そうか」


森先輩がニカッと笑って大きな手で拓真の頭を撫でる

それを見た桜ちゃんは嬉しそうに目を大きく丸くする


「あ、先輩明けましておめでとうございます」

「おう!おめでとう。今年もよろしくな拓真」

「こちらこそよろしくお願いします」

「さて…今日は店の予約してあるんだ。ハンバーグの美味しい店なんだけど…拓真はハンバーグ好きか?」

「はい!好きです」

「よし!行くか!少し歩くけど良いよな?」

「はい!」


ところで…何で森先輩は拓真を今日呼び出したんだ???

元旦の夜にわざわざ後輩呼び出すって…何?


そんな事を考えていると桜ちゃんが俺の腕をグイッっと引っ張る


「浩くん!行くよ!」

桜ちゃんが耳打ちをする

「え?ついてくの?さすがに…それは…」

俺が難色を示すと桜ちゃんの顔がしょんぼり顔に…

「ねぇ…浩くん、だめ?」


クッッ


さっきも言ったが俺は桜ちゃんにとことん弱い


拓真…森先輩…すまん…


「…良いよ…行こう」

そう言うと桜ちゃんは満面の笑みで言った

「ありがと!浩くん大好き」






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