冒険者ギルド
遂に来たぞ異世界の街アイギス!
この街はアイギスという名前のそこそこ大きめの街で、冒険者見習いの多くはこの街で成長していき冒険者や王都の騎士団に入ったりとするらしい。
この世界で初めての街ということで今の僕のテンションはとおっても高いぞ!
ドットさんからもらった地図にはこの街の冒険者ギルドやスキルの指南所、冒険に必要な武器防具をそろえる装備屋に回復アイテムを取りそろえる雑貨屋が載っている。
とりあえず街に入って分かったことがあるが、この街はその特性により屈強な体つきの男やいかにも強そうな雰囲気の人がたくさんいる。
そしてそんな人間たちが出入りしている大きな建物。これが冒険者ギルドだ。
いざ入ってみると中はかなり広く、酒場やクエストカウンターなど中にも様々な設備がそろっている。
とりあえずカウンターのお姉さんにいろいろ聞いてみるか。
「すいません、冒険者になりたいんですが。」
「ほかの街で冒険者になったことはないですね。ならステータスカードの提示をお願いします。」
カードを預けるとお姉さんは少し目を見開く。
「失礼しました。加護を持っている方もあまりいませんが3つも持っている方だとさらに珍しく、つい。」
ドットさんも言っていたがやはり加護というのはかなり珍しいもののようだ。
「はい、確認できました。特に問題も見当たりませんので冒険者登録をしていただきます。」
とまたあの魔道具を差し出され手を向ける。
「登録が完了しました。ソウタさんはEランクなので、冒険者ランクもEランクからとさせていただきます。」
「その個人のランクと冒険者のランクって何が違うんですか?」
「個人のランクというのはその人の強さの指標になっております。Eであればアイギス周辺の弱いモンスターなら倒すことができます。A+ともなれば最強核のモンスターである竜種の単独討伐が認められるほどの実力となりますね。
それと違い冒険者ランクとはギルドでの依頼をこなしていったり一定の成果を達成したときに上昇します。ギルドからの信用度ととらえていただくとわかりやすいと思います。」
なるほど?個人のランクはレベルみたいなものととらえればいいのか。
「ランクはどちらもE-からA+まであり、ランクによって受けられる以来や報酬の違いがあります。
また同じランク帯の人と最大6人まででパーティーを組むことができます。パーティーを組むことによってクエストの安全性に大きく変化がみられるため初心者のうちにパーティーを作ることをお勧めします。」
まあなんとなくわかってきたな。ランクが高く冒険者ランクが低ければ難しいクエストを受けられるが報酬は低い、こんなところだろう。
そしてパーティーについてだが…これはどうしよう。
「そして冒険者登録をした方はこの街での冒険者用設備をご自由にお使いいただけます。並びに装備を買うときやポーションの購入の際に一定量の割引が発生します。これは冒険者ランクの高さに依存します。」
やはり冒険者ランクというのはかなり大切だな。最初のほうは冒険者ランクを上げることに注力してみよう。
「これにて説明は以上となります。ではよい冒険者ライフをお送りください。」
よし。これで僕も晴れて冒険者という肩書を手に入れた。ステータスカードを確認するとギルドのものであろう紋章がついている。
パーティーを組むにしろある程度のお金や知識があったうえでのものだろう。
僕はそれに足る実力もこの世界の常識も無い。
ではまずどうしようか。装備を整えるにしろアイテムを買うにしろお金が足りない。
ということは依頼か。ギルドで簡単な依頼を受けてお金を稼ぐところからだな。
いったん引き返してギルドのクエスト掲示板を探してみると多種多様な依頼がある。
探し物をしてほしいだとか近くに出た魔物を追い払ってほしいとか、
さらには、街から街の間を1か月ぐらい護衛してほしいなど難易度から報酬から内容までおもしろい。
物色している中で一番面白くかつ自分にでも出来そうなものを探すと、ちょうどいいものを見つけた。
両親が遠くの街までいかなければならないためその間子供を見ていてほしいというものだ。
正直、まだこの世界の常識について知らないところが多すぎる。
そして大人に質問をするとなぜ知らないのかという目で見られることが多いだろう。
その点、子供は知らないが当たり前という考えでいるため質問をすることにためらいがない。
いい依頼だ。これにしよう。
そう思いこの依頼をカウンターで受注する。
「この依頼は1か月間、依頼主の家に滞在していただきます。内容としては子供を危険から守ること、子供に常識をはき違えた行動をさせないこと、子供に窮屈な思いをさせないことだそうです。報酬は依頼主が帰ってきてから、すべて払うこととなっております。以上で説明を完了しますがご質問はありますか?」
「その僕が見守っている子供ってどんな子なのでしょうか。」
「名前はクレア。性別は女性で年齢は15歳。種族はエルフですね。それ以外の情報が必要でしたら本人に直接お聞きください。」
なるほど、ある程度のことは分かった。
しかし女の子か、特に問題にならなければいいけど。
まあどちらにせよ依頼は依頼だ。
明日お伺いしてみよう。