表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界にTS転生した僕がサキュバスクイーンになった理由  作者: 望月優志


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/109

結果としてはよかった

※男性との性的な表現があります。苦手な方はご注意ください。

 おもわず先程の月の方を振り向く。


 …ま、まぶしい…


「あれは魔の月っていうの。あっちの黄色い月は人の月よ」


 ???


「…『まのつき』??『ひとのつき』??」

「そう。もう1つ神の月っていう白くて大きい月があるんだけど…今日は見えないみたいね」

「…『かみのつき』??」

「そうよ。月は白と黄色と紫があって、それぞれ神の月、人の月、魔の月って呼ばれているの。神の月には神様が住んでいるんですって」

「話はそれくらいにして、そろそろ戻るぞ。神の月は今日は見えなさそうだからな」

「はーい…ふぁあ…セラ、また明日お話してあげるわね」


 ジュリがふざけているのかと思ったら、世話人まで神の月とか言ってる。


 神様が住んでるってなんだよ。


 あれ?一瞬白と黄色と紫の月が3つ並んでる光景が浮かんできたけど…どこで見たんだろう…


 夢か?悪夢で魘されてた時期に見たやつ…あれ、夢だよな??え??わからなくなってきた…


「…今日は疲れただろう。この後は何もせずに直ぐに寝ること。周りの者の迷惑になるからな。いいな?」

「うん」

「…わかったわ…」


 僕は既にとても眠いのですぐ寝るのは大賛成だが、ジュリは少し不満げだ。今日ぐらいは素直にすぐ寝ていいと思うよ…


 世話人に小屋の扉を開けてもらって、中に入る。


「静かにな。ゆっくり休め」


 ジュリに促されるままに壁伝いに寝床に移動し、寝転がる。うーん、眠い上に頭の中がごちゃごちゃしていてよく分からない。


「セラ、おやすみなさい」

「おやすみなさい」


 おやすみ前のキスはなかったが、いつもの様に抱き枕にされて顔を胸に埋められる。


 …なんかいつもと違って、くさい。

 汗臭さもあるが、いつものそれとは違う。


 普段ジュリは汗をかくと甘酸っぱい…うーんと、こうゆう言い方はあまりよくないが、つまり、美味しそうな匂いがする。


 12才の少女に使う表現では無いけど…実際にいい匂いなんだからしょうがない…


 それが今は、そのいい匂いに苦味をつけたような…まあ要するに男臭さが混じっていて、とても不愉快だ。


 ジンムカ様の相手の途中で寝てしまったのは激しく後悔したけれど、結果としてはよかったのかもしれない。ジュリがロリコン変態野郎に貪られているのを見なきゃいけないなんて…それ以上の拷問は無いだろう…


 そもそも相手はお金を払ってヤりに来ているわけだし、ここではそれが仕事だ。それをはぐらかそうとしたり何とか妨害したとしても、きっと阻止することはできなかったんじゃないかと思う。


 最悪の場合は僕は仕事ができないやつとして、ここを追い出される…つまり、処分される可能性があるんだ。


 とにかく逃げる算段がつくまで大人しく従うこと。みんなの事も救いたいなら…自分の感情のままに邪魔をするわけにはいかない。


 くそっ…


 今日は色んなことを聞いた。

 色んなことを感じた。

 色んなことを思った。


 そのせいだろうか…とても頭が痛い。


 くそっ…僕はいつまでここにいなくちゃいけない…どうすれば逃げられる…


 くそっ…くそっ…


 苦い思いが胸を締め付ける。


 それでも身体はとうに疲れ切っていて、苦しい思いのままに意識は闇に溶けていった。


 ………


 ……


 …


 その晩、久々に夢を見た。



 穏やかに恵麻とひかりちゃんと過ごす、なんでもない日常。


 僕と恵麻の結婚式。


 夜の道の散歩。


 夜空に広がる満天の星空。


 青に変わった信号。


 飛び込んでくる紫の光…



「セラ!!!」

「ッ!!…ジュ…リ…??」


 息が苦しい…ボーっとする頭ではぁはぁと荒い息を整えていると、ジュリが優しく抱き締めてくれた。


 …久々にあの悪夢を見た。身体中が脂汗でびしょびしょになっていて気持ちが悪い。怖くて…苦しくて…悲しくて…心の中もぐちゃぐちゃになってしまっている。



 なんなんだよ…最悪の気分だ…



 僕は相当魘されていたのか、周りを女の子たちに取り囲まれていた。心配かけてごめんなさい…


「もう、だいじょぶ…ありがと…」


 みんなが頭を撫でてくれる。抱きしめてくれる。


 …僕は幸せ者だな。



 ??


 ふと、夢で見た紫の光と、昨晩見た紫の月の光景が重なる。


 夢に出てきた紫の光を詳しく思い出そうとした瞬間、背筋に凍る様な悪寒が振り返してきた。


 …思い出すのはやめよう…


 でも、紫の月と夢の中の紫の光が同じ物のように感じるんだ。


 …いやいや、何考えてるんだろうな。


 そもそもだ。僕が轢かれたのは…バイクだった…と、思う…紫色じゃなかった、気がするんだ…なんで紫の光がぶつかってくる夢になってるんだ??


 …くそっ…頭が痛い…


 考えても無駄だ。無駄なんだ。終わったことだ。


 夢で見ただけの事になんの意味がある。


 僕は頭を降って、それ以上考えないことにした。


 考えても意味の無いものは考えるだけ無駄なのだ。それ以外に現実問題として、考えなければいけない事が山ずみなのだから。



「…セラ、セラ、起きて、朝ごはんよ」


 …揺り動かされて気が付く。いつの間にやら食堂に座らされていた。どうやら考えている途中でぐっすりと眠ってしまっていたらしい。


 抱っこされて運ばれても気が付かないとか…子どもかよ!


 …まぁ身体は子どもになってるんだけどね。


 いただきますをして朝食を食べながらも考える。昨日は考える余裕もなく色んな情報を頭に詰め込んだせいで、僕の頭は相当混乱しているんだと思う。


 ちょっと整理しなくちゃいけないな。

hello, world

こんにちは、望月優志です。

え?昨日の投稿のあとがきに色々長々と書いていただろうって?

いやまぁ、事前に書いていたものを予約し終えて少し日数に余裕があったもので…ちょいちょいと書き進めていたのですよ。

とはいえ、そんなに時間があったわけではないんです。全て予約し終えてほっと肩の荷が降りたかと思った矢先に身内が倒れたり、友人の離婚の危機であーだこーだありつつ。

諸々の関係でドタバタしていたため全然書いている暇も無く…それでも少しばかりの空き時間にポチポチと書き進めていたのが少しできたので、今回投稿させてもらいました。

キリがいいので今回は少し短めです。何話分か予約していますので、今日からまた引き続きお付き合いくださると嬉しいです。

それでは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ