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吐息の正体

 …だめだ。


 冷静に思い出そうとしても、思い出せるのはここまで。


 痛みに目を覚ませば動物の飼育小屋って…何の冗談だよ…


 過去を振り返ったところで今の状態が変わる訳もなく、相変わらず僕の左右からはふぅふぅ、ハッハッと小さい吐息が聞こえてくる。


 部屋の中は暗すぎて、両隣にいるナニかの輪郭さえわからない。

 このまま朝を待った方がいいだろうか…どうしたらいい…


 全身の痛みと何も見えない状態で考えがまとまらないまま時間だけが過ぎ、体感で1時間くらいたった頃だろうか。


 遠くの方、おそらく部屋の外を歩いているであろう足音が近づいてきた。


 薄目を開けて様子をうかがっていると

 ガチャン、ギギッとカギと扉が開く音がして、足元のほうから薄明かりと共に男の声が聞こえてきた。


「∫s∮b◇ct∨⊃」


 ???


 うまく聞き取れなかった…?


 扉の所にはランタンを持った大柄な男の人と、子ども。今年12才になったひかりちゃんより少し高いくらいの背たけで…髪が長いから女の子だろうか。


 部屋の中に女の子が入ってきて、扉が閉まり始める。

 部屋が完全に暗くなるまえに慌てて自分の両隣を目線だけで確認すると、どちらもすぐ隣に子どものようなシルエットが見える。


 どっと身体中の力が抜けた。


 平然を装っていたけれど、僕は相当気を張りつめていたみたいだ。

 緊張が解けた反動なのか、痛みもまたぶり返してきた。いたた…


 獣じゃなくて本当に良かったけど、なんで子どもがこんな臭い部屋に??

 入ってきた女の子も…


 そう思っているうちに扉が完全に閉まり、外から鍵を閉める音と男が遠ざかって行く足音が聞こえてくる。


 さっきの女の子は僕からみて左側の壁際に寝床があるみたいで、ガサゴソとゆっくり寝転がったような音が聞こえてきた。と同時に、小さく女の子の話し声が聞こえてくる。


「…♯gⅢacj…◇o%×w∧?」

「◇o%×w∧…△⇒∇≦∀♭Ⅰ∑〓。…∃℃e*≦?」


 …今度はさっきよりよく聞こえる。けど、今まで聞いたことない言葉だ…何語だろう?


 知らない言葉で何かを話してる2人。


「…≡♭…o∂l∫∩」

「o∂l∫∩」


 どうやら2人とも寝ることにしたのか、すぐに話し声は聞こえなくなった。


 さっき部屋に入ってきた女の子の髪は、薄目でうっすら見ただけだが金髪のように見えた。

 僕の両隣に寝ている子もシルエットしか見えなかったが、髪は黒じゃなかったように思う。


 知らない言葉に、黒じゃない髪の色。


 信じたくないが、もしかして外国なのか?

 いや、日本の外国人が多く住む地域に運び込まれた可能性も…あるのか?


 わからない…何もわからないけど、動物の飼育小屋じゃない事だけは確かだ。食べられたりしない。


 そう思うと安心したのか急に眠気が襲ってきて、僕は気を失うように深く眠ってしまった。




「っっっ!!!」


 腹部の痛みに目を覚ます。


 どのくらい眠っていたんだろう…身体が痛いのは相変わらずだが、とても怠くて重い。

 辺りは明るくなっている。


 ふと、心配そうな顔をした5才くらいの痩せ細った、けれど可愛らしい顔つきの茶髪に茶色い目をした女の子が覗き込んできた。


「♯gⅢacj!! ∃℃e*Åw¶!!」


 え、なんて?


 …そうだ、外人さん達の部屋にいるんだった。僕はなんでこんな所に…

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