いっぱいなでなでしてあげる
※ジュリ視点になります
子供の成長は早いもので、次の日にはゆっくりハイハイができるようになっていたのにはとっても驚かされた。
一生懸命私の元に向かってくる姿が可愛くてたまらない。
最後には私の膝に抱きついてきて、セラも私のことが大好きなんだって思うと嬉しくてまた涙が出てきた。私の涙声に気がついたのか、心配そうに見上げてきたお顔も愛おしくてたまらない。
もう少しもセラと離れていたくないと思っていたところに世話人が昼食の時間だと呼びに来たので、私は急いで世話人に交渉しに行った。
セラも座れるようになったから私達と一緒に食堂で食べられるはずなのだ。
世話人はちょっとごねていたけれど、セラのご飯は世話人が食べさせてあげていいよと言ったからか、渋々了解してくれた。
結果としてこれは良くなかったと食べてる途中でわかったんだけど…どうやらセラは私たちの食べてるものが美味しそうに見えたらしくて、ちょっと不機嫌になってしまったのだ。
意地悪するつもりはなかったの…ごめんなさい…
でもなでなでしてあげると、不機嫌なのにすぐによによ顔になっちゃうセラが大好きよ。いっぱいなでなでしてあげるからね。
夕食を食べ終わると、お客様のお相手がない子たちは部屋に戻り、お相手がある子たちは身体を洗いに行き、そのままお客様のところへ行く。予め指名の予約がない場合はお客様のお相手があるかどうかはその時にならないと分からないので、いつも夕食を食べたあとに世話人に声をかけられることになっているのだ。
先日、私のお相手であるジンムカ様が来る時はセラの食事とトイレをさせるために1度部屋に戻って、後から世話人に呼びに来てもらった。私じゃないとセラを抱き上げた時に高さがちょっと足りないからだ。
セラのお世話は私がいないとできない。そう考えるとなんだか嬉しいようなふわふわした気持ちになってくる。
ふふん♪
ジンムカ様は一昨日来たばかりなので、今日の私は部屋にそのまま帰るだけだ。なので食事の後に普段どおり部屋に戻ろうと思っていたところ、なぜか世話人に呼び止められた。
「今日のお客様のお相手はミルカ、シアノ、セシルの3人だ。それとジュリ、みんなと一緒にセラの身体を洗ってやれ」
そうだった!セラを綺麗にしてあげなくっちゃ。
目覚めてくれた嬉しさですっかり忘れていたけれど、髪を洗ってあげたいって思ってたんだった。
私はセラを背負い、ほかの3人と一緒に井戸へと向かう。
シアノは11才、短めの青髪の大人しい子。
この子は小さい頃からいつも不機嫌そうな顔をしているけれど、それが普通の表情らしいのだ。私は楽しいと勝手に笑顔になってしまうんだけど、シアノは楽しくても勝手に表情が変わることがないって言っていた。不思議だ。お客様からの予約もミルカと同じくらいもらっているから、来年はたぶん彼女が1番上の姉様になるんだろうな。小さい子の面倒見もよくてセラのこともよく気遣ってくれるし、私が大人用の娼館に移動してもセラをちゃんと気にかけてくれるんじゃないかと思う。
セシルは9才、濃い緑髪で髪にくねくねとした癖がいつもついている子だ。
最初はいつも寝癖がついている子だなーって思っていたけれど、不思議なことにこのくねくね、髪を濡らすと真っ直ぐになるのだけれど、洗って乾くとまたくねくねしだすとっても不思議な髪なのだ。はじめて洗いっこして髪を整えてあげた時なんて、普段より更にもふっと広がってとても驚いた。癖っ毛というらしい。
井戸の近くにセラを座らせる。
どうやってセラの身体を洗えばいいかしら。桶を準備しながらみんなに話したところ、今は4人いるし私が先にミルカの身体を洗うのを手伝った後に、私とミルカの2人でセラの身体を洗うのがいいんじゃないかということになった。
セラはまだ立ったりできないし、洗い方も知らない。バランスを崩して倒れたりしたら大変だ。
そしてなぜか私も洗って貰うことになった。シアノが言うには、セラに私たちが体を洗うのを見て、これから何をするのか知ってもらってからやったほうがいいだろう、との事だ。特に髪を洗う時はじっとしてないといけないし、確かに何をしているのか知らなかったら怖いかもしれない。
世話人が来て井戸の水を汲んでくれたので、そこで私たちは服を脱いで裸になった。セラがなんだかキョロキョロとあちこちを見て落ち着きがない。初めての光景に戸惑っているんだろうな。やっぱりシアノの言う通り先に見てもらって正解だった。
最初はミルカが私の身体を簡単に洗ってくれた。こうしてミルカと洗いっこするのも久しぶりかも。1年ぶりくらいかな。
お客様のお相手はみんな順番だし、11才と12才は気難しいお客様がいつ来ても対応できるようにと、同じ日にお客様のお相手に出ることは少ないのだ。
私も背が伸びたり胸が大きくなったり、どんどん大人になっていっている自覚はあったけれど、ミルカも同じように大人になっていたんだ。夜は暗い中で舐めるからあまり気づかなかったけれど、こうやって明るい中で見ると以前との違いがはっきり見えてなんだか新鮮で不思議。
私はミルカに水をかけてもらいながら布でかるく全身を擦ってもらって、今度は交代してミルカの身体を洗っていく。乳首や股が擦れるとピクンとなる癖は相変わらずだ。他の子でもピクンとなる子はいるけれど、ミルカはすごくピクンとなる。そのせいでイタズラ心がわいてきてしまうのだ。でもイタズラしてはいけない。
こないだ、ミルカがお客様の相手をして帰ってきて、舐めて綺麗にしている時のことだ。
綺麗にしている途中で乳首に舌が当たるたびにピクっとするのがおかしくて、ちょっとしたイタズラ心でちゅぅっと吸ってみたのだ。
そしたらミルカの「ッッ!!!!」という声にならない悲鳴とともに、突然勢いよく私は両頬をガシッと掴まれ額どうしをコツンとぶつけられ、今までミルカから聞いたことが無い静かで怖い声色で「…じゅりぃぃ。やめて、ね?」と言われたのだ。
あの時は真っ暗で本当によかったと思った。あの状態でもし明るくて表情まで見えてたら、私はおもわず泣いてしまったかもしれない。それくらい怖かった…
そして今、私はミルカにうっすらと笑っているような、怒っているような…ちょっと怖い笑顔で睨まれている。燻っていたイタズラ心がすぅっと消えていくのを感じた。なにもしないってばぁ…
とはいえミルカはお客様のお相手があるのだ。他の子にするのと同じように念入りに身体全体を綺麗にさせてもらった。
身体の次は髪だ。髪を洗う用の砂の入った桶を持ってきて、お互いの髪を交代で丁寧に洗い、整える。
「うん、いい感じ。綺麗よミルカ」
「ありがとう。…ジュリも綺麗よ。羨ましいくらい」
「ふふっ、羨ましいってなによ。じゃあ、そろそろ私たちを見て羨ましそうにしてるセラのことも洗ってあげましょ」
身体や髪を洗っている途中にセラがどうしているかちらちらっと見ていたけれど、うっすら頬を赤くして洗いあいっこしている様子を羨ましそうに見ていた。これからちゃーんとセラも綺麗にしてあげるからね。
私とミルカがセラに近づくと、セラは自分も洗ってもらえるんだとわかったようで顔を真っ赤にしてそわそわしはじめた。
あぁ、すっごく可愛い…頭を撫でると真っ赤なお顔で私の胸を見たままぽーっとしてしまっている。
セラはまだ5才だし、あと6年もしたらきっと同じくらい大きくなるわよ。




