表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界にTS転生した僕がサキュバスクイーンになった理由  作者: 望月優志


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/108

上手におしっこできてえらいね

※ジュリ視点になります

 次の日の朝、朝食を食べた後はいつもお庭に生えている野草の新芽を詰むのだけれど、私はセラがいつ目覚めるか分からないので1人部屋に戻ってきていた。


 部屋でセラの寝顔を眺めながらくつろいでいると、セラが目を覚ましたようだ。


「セラ」と呼ぶと、ぱちぱちと瞬きをしていて可愛い。


 セラから私が見えるように覗きこみながら「セラ、おはよう」と声をかけ、頭を撫でながらおでこにキスをする。


 …セラが少し恥ずかしそうな、可愛いお顔をしている。


 …そうだ、今は部屋に私とセラしかいない。すぐにスープを飲むのだからお口のお掃除なんて必要ないんだけど、今のうちにキスしちゃおう。セラのこの少し恥ずかしそうにしている可愛いお顔をみるとなぜか意地悪したくなってしまうのだ。


 お口の中を舐めてお掃除してあげると、セラはふっふっと息を荒くして、少し苦しそうな、トロンとした表情になる。あぁ、この表情…心がぞくぞくしてもっともっとしたくなっちゃう…ダメダメ、朝食と一緒に作ってたセラの分のスープが冷める前に持ってきてあげなくっちゃ。


 心を鬼にしてキスを終わらせ、スープを取りに行く。

 そうだ、ついでにおトイレもするかもしれないし、何人かに声をかけて一緒に来てもらおう。と思ったら、全員ついてきた。昨夜みんなで考えたトイレの仕方でちゃんと上手くできるか気になるらしい。


 オープルが「きょうはわたしー」といって早速セラを膝枕してくれた。


 スープを飲ませていると、セラは最初こそスープを飲むのに夢中になっていたけれど、途中からは周りにいるみんなを1人1人、不思議そうに見回している。


 …やっぱり記憶がないんだろうな。改めてそう実感して少し悲しい気持ちになった。


 スープを飲み終わると、セラが足を少しモゾモゾし始めて困惑したような表情になった。もしかして…と思いミルカにトイレの壺を持ってきてもらう。


 昨日もトイレしていないし、我慢の限界だと思う。そうみんなに伝え、私は急いでセラを1度座らせて後ろから抱きしめるようにして仰向けに倒れ込み、昨日練習したトイレの格好にする。


 他の子が掛け布団とワンピースをまくり上げてくれて、すかさずミルカが壺を設置し「準備できたよ」と声をかけてくれる。

 さて、どうやっておしっこをするように促せばいいんだろう…と思っていたら、クルカラがセラのお腹にそっと手を当てて撫でてあげていた。それに導かれたのか、セラは上手におしっこをすることが出来たみたい。


 確かにおしっこする時にお腹を無意識に撫でている時がある。出しやすくする効果があるのかもしれない。


 そういえば、うんちをする時もお腹の周りをくるくる撫で回していると出やすい気がする。というかいつも無意識にクルクル撫でていた気がする。せっかくだしセラにやってみよう。


「セラ、上手におしっこできてえらいね。次はうんちをしてみようね」


 とほかの皆にも何するのかわかるように声をかけ、セラのお腹をクルクルと円を書くように撫でてみる。あ、下腹部のあたりのお腹の中が硬くなってる…ずっと出せてないせいかも。

 硬くなっているところを重点的にクルクルしていると、セラがとても可愛い声を出してふるえ始めた。


 な…なんだろう…苦しそうな…せつなそうな…セラは今どんな表情をしているんだろう。私の位置からだとセラのお顔が全然見えなくて、耳が真っ赤になっていることしかわからない。


 とても気になって周りの子たちを見回すと、半分くらいは心配そうな表情をしているけれど、残り半分はなんだか…とても可愛いものを見ているような表情になっている気がする…


 もしかして今、セラはあの可愛いお顔をしているんだろうか。私からは見えないのに皆からは見えてるなんてずるい!!私も見たいのに!!!


 セラの可愛い声を1番近くで聞いていることだけが救いかもしれない…この声を聞いていると心がキュンキュンしてくる。でも私もセラのお顔見たいよぉ…


 私がキュンキュンしながらもんもんとしていると、セラを純粋に心配しているであろうクルカラとオープルが「うーってちからを入れてね、おしりからだすんだよ」「がんばって、がんばって」と言いながらセラの横腹をぐっぐっと押しはじめた。


 そこでセラが一際可愛い声を出して身体をぴくんと跳ねさせるのと同時に、勢いよくうんちをすることに成功したようだ。


 心配だったけど…このやり方なら無理なく続けられそうね。ただ、セラの可愛いお顔を見れないのだけが残念だわ。なんとかミルカに変わってもらえないかしら…


 こうしてセラのはじめてのおトイレは無事に終了した。

 と、同時にセラはスッキリしたのか寝てしまったようだ。飲んで寝て。ふふっ、本当に赤ちゃんみたいで可愛い。


 ちなみにしばらくの間、セラが可愛いという話題で持ち切りになったのは言うまでもないだろう。おトイレ中の表情は見れなかったけれど、誰だってセラが顔を赤くしている表情を見たらあまりの可愛さにキュンとしてしまうに違いない。


 …クルカラやオープルを初めとした一部の子には痛そう…とか、苦しそうにしてて可哀想だった…と賛同して貰えなかったけれど。むむむ…



 それからは毎日があっという間に過ぎていった。


 セラのおトイレの時にクルカラとオープルが綺麗にするのをしたいと言い出したので、教えるのに丁度いい機会だとミルカに説明をお願いしたりした。セラの場合は傷口が膿んでしまわないように定期的に綺麗にしなければいけないのと、お客様のお相手をしたあとはみんなで綺麗にし合うから、その練習にはもってこいの機会かもしれない。


 ちょっとおトイレの時にクルカラがセラの傷口をじょりじょりと舐めて痛がらせてしまったり、セラがおトイレをイヤイヤするようになったりもしたけれど…あれは多分、クルカラが痛がらせすぎたんだと思う。聞こえてくるセラの声があまりに可愛くてキュンキュンしてたせいで止めることができなかったけれど、私の代わりにミルカがちゃんと教えてくれていたし、次からはきっと大丈夫だろう。


 セラは私たちが何かをしている時はじっと見ていて、本当の赤ちゃんみたいに色んなことに興味津々だ。はじめてジュリと名前を呼んでくれた時なんか、あまりの嬉しさに抱きしめてしまった。

 それを見ていたみんながセラに自分の名前を言わせていたけれど、あれは絶対ただ繰り返してただけで覚えてないと思う。ふふっ、はじめて覚えるのが私の名前だなんて…セラったらなんていい子なのかしら!


 その後に世話人がセラを驚かせて転ばせてしまったけれど、それからは何故かセラがよく笑うようになった。びっくりした衝撃で笑い方がわかるようになったのかしら?笑顔のセラもとっても可愛くて、まるでお花が咲いたみたいに、にかーって笑うあの笑顔もたまらなく可愛い。世話人も珍しくあたふたしててちょっと面白かった。


 うんちの出が悪いのを心配したクルカラがお通じが良くなる野草の新芽を食べさせようとしたり…なんて出来事もあったけれど、少しずつ、セラは体を動かすことができるようになってきたようだ。


 セラがハイハイに挑戦しようとして顔から勢いよく崩れ落ちた時は一瞬心臓が止まったような感覚がした。

 セラはひっくひっくと泣いてしまったし、心配とセラが無事だった安心で心の中がぐるぐるして私もセラと一緒になって泣いてしまった。


 幸いぶつけた所がちょっと赤くなるくらいで済んだからいいものの、危ないことはしないで欲しいな…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ