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異世界にTS転生した僕がサキュバスクイーンになった理由  作者: 望月優志


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もしかしなくてもハーレム

 僕は扉が見えるように体の向きを少し変えて、女の子たちの帰りを待つ。


 これなら部屋に入ってきた女の子たちの顔を全員確認できるはず。


 恵麻とは幼馴染だし、子供の頃の姿だって覚えてる。恵麻に似ている娘のひかりちゃんが小さいときの姿だって覚えてるし、髪色が変わったくらいならすぐにわかるはずだ。


 ちょうど扉が開き、最初にジュリがスープの器を持って入ってきて、微笑みながらまっすぐ僕のほうに来る。


 僕のお腹がきゅぅっと可愛らしく鳴いた。


 ちょうどお腹がすいてたんだよね〜。って、そうじゃない!

 ちょっとジュリさん、目の前に来られると他の子たちの顔が確認できないんですけど…


 困った顔をしている僕を見てジュリは一瞬キョトンとした顔をしたが、すぐになにかに気付いたように誰かを呼んだ。駆け寄ってきたのは茶髪ちゃんとピンクちゃんだ。


 ジュリに何かを言われ、茶髪ちゃんとピンクちゃんはせっせと横向きで布団に対して斜めになっていた僕の体勢を真っ直ぐに、仰向けに戻してくれた。


 …なんということだ。これでは部屋に入ってきている女の子たちの顔が見えないではないか…体の向きを変えるの結構大変だったのに…


 しかたがない、まだまだチャンスはあるさ…そんなことより朝ご飯だ!昨日もスープしか飲んでないからお腹がペコペコなのだ。

 茶髪ちゃんとピンクちゃんは僕を起き上がらせ、壁に寄りかからせてくれる。


 …ん??これなら部屋の中にいる子たちの顔が見えるや…僕の苦労はいったい……


 唖然として周りを見回している僕の口の前に、スープを掬ったスプーンが突き出される。

 ジュリが心配そうに見ているのに気がつき、僕はあむっとスプーンを咥えた。


 ん!?今日は具が入ってるぞ!!!昨日まで具なしだったのに…感動しながら夢中であっという間に完食してしまう。ジュリは嬉しそうに僕のおでこにキスをして、食器を片付けにどこかへ行ってしまった。


 スープはいつも薄味だけど、怪我人である僕の体に沁みわたるようないい味付けだ。

 ジュリが作ってくれてるのかな…


 いけないいけない、スープに具が入ってたせいで気を取られてしまった。寝る体勢に戻される前に女の子たちの顔を確認しなければ…

 まず茶髪ちゃんとピンクちゃんはちがう。この子たちはよく見ているから今更見なくても違うってわかるけど、改めて見てみるとやっぱり可愛い。


 将来は絶対コスプレの似合う美人さんだな。


 部屋の中の女の子を順に見渡し、確認していく…どの子も将来が楽しみな可愛い顔をしている。こんな可愛い子たちに囲まれて過ごしてたんだなぁ…


 …これって、もしかしなくてもハーレムなんじゃ…


 いやいや!今の僕は記憶をなくしてる設定なんだ。ハーレムなんてものはしらない!

 性別ってなーに?っていう子どもなんだから!!

 …しっかり理性を保って、純粋無垢な子どもを演じないと…どこでどんなボロがでるかわかったもんじゃない…気をつけよう。



 一通りみんなの顔を確認したが、恵麻に似た子はいなかった。

 本当によかった…


 確認が終わったくらいにジュリが戻ってきて、僕の後ろに座って抱きしめてくる。

 む、またトイレか…どうして朝はトイレをしたくなるんだろうね?


 そしてやはり、全員が覗き込んでくる。


 …今我慢しても、夜まではもたないだろうなぁ…観念するか…漏らしたくはないし…

 おしっこをすると傷口が開くのか、ツーンと沁みてとても痛い。その後に舐めて消毒されるのもすごく痛い。


 そして今回はなんと、茶髪ちゃんが舐めてくれた。昨日ふむふむと頷いていたのは、次からこの子たちがする事を学んでいたからみたいだ。


 …いや待って!!い、痛い…いたたたた!?


 茶髪ちゃんは赤髪の子と違って舐めることに馴れていない様で、乾いた舌を傷口に押しつけられてじょりじょりしたり…前歯が傷に当たったり…すごい痛い!!!


 これは罰なんだろうか。美少女たちに囲まれてハーレム状態である僕に対する天罰なのだろうか。僕が望んだわけじゃないのに…


 あまりの痛さに悶絶する度に赤髪の子が茶髪ちゃんに何かを言って、アドバイスをしている…お願いだからお姉さんがやって…痛すぎる…この子にはまだ早いって…やめて…お願いします……


 ちなみにお腹もグリグリされたけど、前回出したのは昨日の朝…まだ我慢出来るはずだ。グリグリに合わせてお腹の中のコリコリとした感覚に押し出されそうになるけれど、僕は必死に、何も出ませんよ?と平静を装って難を逃れた。あぶないあぶない。


 …ふぅ、食後の一大イベントが終了。


 茶髪ちゃんの献身的な?介護のおかげで、全身脂汗でびっしょりだ。

 ぐったりする僕の横に茶髪ちゃんはちょこんと座り、やりきったようないい笑顔で僕の頭を撫でてくれる…うぅ…悪魔め…


 その横ではピンクちゃんが、「次は私が!!」というようなやる気のある表情で何かを言っている…ひぇぇ…だれか…助けて…


 僕は痛みから解放されてすぐに眠ってしまった。



 その後お昼に起こされて具入りのスープを飲み、おしっこを我慢したところピンクちゃんに睨まれてしまった…だって…舐められるの絶対痛いんだもん…

 トイレの格好から解放されて、試しにジュリと呼んでみたらめちゃくちゃ喜んで抱きしめられた。


 ジュリは子どもながらに胸が大きいので、薄い服越しにあたる感触が心地いい…


 いかんいかん!!子どもは純粋!えっちくない!! 合言葉は、純粋無垢だ!!!


 どうにか心を無にして顔がニヤけるのを押さえ込んだ。


 どうやら茶髪ちゃんとピンクちゃんは、クルカラとオープルというらしい。不思議な名前だ。

 赤髪の12才くらいの子はミルカ。他にもたくさんの子が自分を指さしながら名前を言ってきて、反復して言ってはみたものの、ほとんど覚えられなかった。


 それもそのはず、なにせ少女たちは29人もいたのだ。それも全員が美少女。僕を合わせてちょうど30人になるのは何かの嫌がらせだろうか。「美少女達の中に野郎を1人、ボコボコにしてからぶち込んでみた」とかっていうふざけた企画でもやっているのか?


 まったく…

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