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異世界にTS転生した僕がサキュバスクイーンになった理由  作者: 望月優志


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恥ずかしい物は恥ずかしい

※ここからまた主人公・望月優志視点になります。

「神様が僕に遣わしてくれた天使」の続きです。

 たくさんの人の話し声と身体の痛みに目を覚ます。

 寝ている間に夕方になっていたのか、窓からさす光が柔らかくなっている。


 相変わらず身体は動かないけれど、僕が起きたのを察したのかすぐに12才くらいの金髪の少女が覗き込んできた。


 この子、ずっと僕の看病をしてくれているのかな…ありがたい…


「∃℃e*、o∂∮∧r。△≦※⇔⁂?♯gⅢacj♯±」


 金髪の少女が心配そうに僕に何かを問いかけてきて、答えを待ってる。

 でもごめん、言葉が分からないんだ…


「∃℃e*…△≦※⇔⁂?」


 僕はたぶん、困ったように眉を寄せていたんだと思う。

 金髪の少女はすごく辛そうな顔をしたけれど、何かを振り切るように頭をふった後には最初の優しい顔つきに戻っていた。


「◇o%×w∧…◇o%×w∧…∃℃e*…」


 彼女はそっと僕のおでこにキスをして、どこかに行ってしまった。

 僕は今、天井を見ることしか出来ない。情けない事に顔の向きを変える力もないのだ。

 そういえば最初、夜中に目を覚ました時にはドアの方まで見れたはずなんだけど…枕があったのかな。

 天井しか見えないと周りの状況が何も分からない。


 身体を動かそうとモゾモゾしていると、赤髪の知らない女の子が覗き込んできた。


「∃℃e*、◇o%×w∧?」


 誰だろう?


「∃℃e*!!」


 今度は5才くらいの茶髪の女の子だ。さっき目が覚めた時に最初に覗き込んできた子が抱きついてきて、僕はぎょっとして固まってしまった。


 なにも抱きつかれたからじゃない。…もちろん抱きつかれたことにはびっくりして困惑したけど、嬉しさも強かった。可愛い幼女に抱きつかれて嬉しくない奴なんかいない。…と思う。


 それよりもだ。


 僕は首の後ろに手を回して抱きしめられたことで、上だけしか見えなかった視界が、前のほうも見えるようになったのだ。


 そこにいたのは5才〜12才くらいの少女たち。

 みんな灰色の薄汚れたワンピースを着ている。


 ざっと30人ほどいるだろうか。


 その子たちがみんなして僕を、心配そうな顔や嬉しそうな顔でこちらを見ているのだ。静かに涙をぬぐっている子までいる。


 こんな光景を見たら、そりゃあ誰だってぎょっとするだろう。


 そして僕をあっという間に取り囲み、僕を見て口々に「∃℃e*」「∃℃e*」と言って、僕の頭を撫でたりしてくる。

 この言葉は金髪の少女から話しかけられる時にも何度も出てきた言葉だけど…

 もしかして僕のことか?セラ、って言っているように聞こえる。お客さんとか、男の人とか、そういう意味なのだろうか?


 そこへ、先程の金髪の少女が木の器をもって来た。


 周りの女の子たちと短く何かを話しているけれど、耳につくのは「♯gⅢacj」という単語だ。日本語で言うならジュリって発音が近い。

 多くの子達が金髪の少女を見て「♯gⅢacj」と声をかけているから、それが彼女の名前なのだろうか?


 ジュリは僕に抱きついている5才くらいの茶髪の女の子に何かを言うと、その子は僕の頭を少し持ち上げ膝枕してくれた。


 …重くないのかな…


 どうやらジュリが持ってきた器にはスープが入っていたようだ。僕にスプーンでゆっくり飲ませてくれる。


 とても薄味で、普段だったら「このスープ味がしないね」と言ったかもしれない。けれど、ずっと何も食べていなかったからか、それとも可愛い少女が飲ませてくれるからか。

 そのスープはとても美味しく感じられた。


 それなりに大きい器だけど、喉が渇いているからこの量だと全然足らないだろうな。なんて思っていたのに、3分の2ほど飲んだ時点でお腹がいっぱいになってしまった…


 お腹があまりにすき過ぎて、逆にお腹に入らない現象か??


 不思議に思ったが、僕の身体は怪我を治すためにかなりエネルギーを消費しているのか、寝て起きたばかりだと言うのにまたすぐうとうとし始めてしまった。


 ジュリは僕の頭を優しく撫でてくれる。お礼を言いたかったのだけど、言葉がわからない。僕の眠気も限界だ。僕は意識をほとんど手放した状態でなんとか「…あり…と…」とつぶやき、眠りに落ちた。



 目が覚めると光がまぶしい。恐らく朝か昼だと思う。


「セラ」


 誰かの声が聞こえたあと、すぐにまた金髪の少女が覗き込んできてくれた。


「セラ、o∂∮∧r。」


 そう言って、僕のおでこにキスをして、何かを思いついたのかいたずらっぽく笑い、唇をあわせてディープなキスを少しした後にどこかへ行き、他の子達を引き連れてスープを持ってきてくれた。


 今回僕に膝枕してくれているのはピンクの髪の5才くらいの少女だ。

 昨日に続いて5才くらいの子が膝枕してくれているけれど、重くないんだろうか…


 僕の隣では昨日膝枕してくれた茶髪の5才くらいの子がニコニコしながら僕を見つめていて、周りには今日も5才から12才くらいまでの女の子たち30人ほどに囲まれながら食事をしている…


 この5才くらいの少女2人、名前は分からないが何故か無性に僕と距離感が近いし、心の中で茶髪の子は茶髪ちゃん、ピンク色の子はピンクちゃんと呼ぶことにしよう。2人は昨日も今日も僕の近くにいてくれるし、なぜか懐いてくれているようだ。


 昨日はあまりの驚きとスープを飲むのに必死で気づかなかったけれど、改めて女の子たちを見てみると、どの子も可愛い子ばかり。


 そして髪の毛は、茶色に始まり、赤、黄、青色、灰色、ピンクなど、色々な色をしている。

 そして目の色は、ほとんどの子が髪の色を少し薄くしたような色をしている。

 髪色と目の色が違うのはジュリと呼ばれている少女と数人だけで、ジュリは特に鮮やかな金髪に緑色の綺麗な瞳をしている。


 ここは一体どうゆう場所なんだろう・・・


 そういえばどこかの国では一夫多妻制で、家にそれはもうたくさんの子どもたちがいる国がある、とか聞いたことはあるけれど…そもそもここは日本のはずだ。…日本だよね?


 たくさんの子どもが集まるところ、つまり、学校?…ないな。環境が悪すぎる。臭いにおいとか。


 そして何よりこの子たちの髪と目の色だ。どう見ても普通じゃない。髪は染められてコンタクトをさせられてるのか?…誘拐とかされてきたんだろうか。

 でも子ども達の表情は決して暗いわけでもないし、無理やりここにいるような雰囲気でもない。



 はっきり言って謎だ。謎すぎる。


 謎が謎のままスープを飲み終えたが、しかしここで、大きな問題に直面した。



 …トイレに行きたい…



 よくよく考えてみたら昨日?おととい?目が醒めてからずっとトイレに行っていない。

 トイレと言ったら伝わるだろうか?いや、無理だろうな…


 一旦尿意に気づくと、波が押し寄せるように強い尿意が襲いかかってきた。悩む暇も与えてくれない。

 このままだとまずい!!!


 僕の体は少し動くようになったのか、迫り来る尿意に合わせて足をもぞもぞさせていたようだ。


 ジュリがそれに気づいたのか、周りの女の子たちに何か指示を出している。


 赤髪の女の子が持ってきたのは…壺??


 ジュリが僕の体を起こしてくれて、僕の後ろに座りもたれさせてくれる。

 あ…この体制だと背中にジュリの胸の感触が…なんてドキッとしたのも束の間。


 ジュリは僕のお腹の方に手を回して抱きしめ、そのまま後ろに寝転がった。

 僕は抱きしめられたまま後ろに、ジュリを下敷きにするかたちで仰向けに寝転がされてしまう。


 ジュリは大の大人に乗りかかられて大丈夫なのかと心配が先に立ち、そして迫り来る尿意のせいで背中の感触を楽しむどころではなかった。


 …一瞬だけ肉布団!?という思考が過ぎ去ったが、本当にそれどころではなかった。


 他の子たちは僕の体にかけられている布を足元から腰近くまで上にあげて僕の両足をM字に開かせ…

 壺を股のところに持ってきたのだろう、お尻に壺を押し当てられて冷んやりと感じる。


 ここにしろという事だろうか。…屎尿瓶とかないんだろうか。


 ジュリが僕の下敷きになっているのは、どうやら段差を作るためだったらしい。


 この部屋にはベッドがないみたいなのだ。

 ベッドがあったら僕の下半身をベッドの端に移動させるだけで、壺でも寝かせたまま簡単にトイレをさせることができたはず。


 みんな床に直接布団を敷いて寝ているんだろう…ん?布団の端の方から見えているのは茶色い…草??もしかして藁…だろうか?


 …敷布団じゃなくて藁の布団!?


 いつの時代だよ…と衝撃を受けながらも女の子たちは忙しなく動いている。


 それよりも。


 僕の体の上には薄い布がかけられていて、M字に開いた足の所がどうなっているのか全く見えないが、恐らく…恐らくズボンなんてものは履いていないようだ。そしてパンツも…

 ズボンを脱がされた様子もないし、お尻に壺の当たる感触があるし…


 足をM字に開いているからだろう。足から股間にかけて爽やかな風を感じる。



 爽やかな風と共に、股間に突き刺さる少女たちの視線…


 この状態でするの!?30人ほどの女の子たちに見守られながら???っていうか凝視しないで!!!


 なんて恐ろしい羞恥プレイなんだろう…僕は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしていると思う。


 大の大人が今にも泣きそうだった。


 5才の茶髪ちゃんが心配そうに、お腹を優しく撫でてくれる。


 うぅ…どうせ自分ではトイレに行くこともできないんだ…我慢なんかしていないで、さっさと出してこの時間を早く終わらせたほうがいい…


 僕は少しの間尿意に抗っていたが、どうすることもできない現実を再認識して恥を捨てた。


 恥を捨てるのと同時に、傷口が開くような鋭い痛みと共に、我慢の限界だった尿意のダムが一気に崩壊する。


 尿は壺に注がれ、ジョジョジョ…という音を立てる。


 …恥なんて捨てたつもりだったが、恥ずかしい物は恥ずかしいわ!!


 そしてツーンとした激しい痛みのダブルパンチ…


 お願いだからみんな、そんなに凝視しないでよ…

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