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目覚め

初めまして、望月優志と申します。小説を書くのも投稿するのも始めてなので誤字脱字や分かりずらい表現など沢山あるかと思いますが、どうか生暖かい目で見守って頂けるとありがたいです。

※残酷な表現があります。※異性との性的な表現はなるべく避けるつもりですが、百合的な性的表現があります。

「っっ!!!」


 僕はお腹に広がる鋭く重い痛みで目を覚ました。お腹だけじゃなく腕や足、背中も頭も、身体のあちこちが痛い。


 痛みのせいだろうか、全身が脂汗でベッタリしていて気持ちが悪い。


 なんでこんな…そうだ、バイクが突っ込んできて…


 あれからどうなったのか、どのくらい時間が経ったのか。

 辺りは真っ暗で何も見えない。


 ここはどこだろう…


 仰向けで目を開けているはずなのに、星も何も見えない。


 建物の中かもしれないが…病院…ではないかもしれない。


 事故のせいで嗅覚も鈍っているのか、とても変な臭いが…まるで動物を飼育する小屋の中のような酷い臭いがしている気がする。


 自分の嗅覚を疑ったのには理由がある。だって有り得ないだろう?仮にも僕は東京に、都会に暮らしていたのだ。なのに事故に合って、目覚めてみれば動物の飼育小屋だなんて。


 どうやら僕は耳も悪くなっているらしい。


 僕の両隣から聞こえてくる、ハッハッ、ふぅふぅと小刻みに息をしているような音だって、きっと空耳に違いない。


 少し離れたところから、ときどき身じろぎをするような音も聞こえてくる…ような気がしたがこれもきっと空耳だ。


 僕は念のため気配を消しながら、酷く痛むこの身体がどうなっているのか調べてみることにした。


 まずは右手だ。少し開いたままの右手を、手は閉じないように、動かさないように気をつけながら少しずつ力を入れて、力を抜く。


 少しでも身動きしたら、両隣にいるナニかに噛みつかれそうで怖かった。


 …いや、もちろんそんなものはいない。聞こえてくる息づかいは幻聴のはずだ。

 自分の身体のどこが動くか、どこが動かないのか。確認しておかなければいざという時に逃げられない…いや、危険なんてない。あるわけがないじゃないか。ここは平和な日本で、獣に食べられたりなんてしない。


 …いい加減、自分で自分に言い訳するのも疲れてきた。とにかく確認を続けよう。

 右手の次は右腕、左手、左腕、右脚、左脚。バイクに跳ねられた際にぶつけたのかあちこち痛みはするものの、手足に力を入れることはできた。


 口も喉も嫌なイガイガした感覚と痛みがあり、今まで感じたことの無い苦い味がしているが、喉にも胸にも力をいれることはできた。が…とても喉が渇いていて水が飲みたい…


 音を立てないようにゆっくり深く吸って、吐いて…息を少し多めに吸って、吐いて。うん、肺も大丈夫そうだ。


 問題はお腹と腰だ。


 目覚めた時から今までずっと、腰からお腹にかけて、身体の中を貫くように重く鋭い痛みがある。

 バイクにぶつかった瞬間の記憶はないけれど、相当なスピードだったはずだ。骨が折れていないのが不思議なくらいに。


 あの時僕にできたのは、隣に並んで歩く彼女を咄嗟に突き飛ばすことだけ。覚えている最後の光景は、僕に急に突き飛ばされて目を見開いて驚いている彼女の顔と、彼女が伸ばした左手の薬指に光る指輪だけだ。


 突き飛ばしたあとバイクを躱すために体をひねる余裕すらないほどの猛スピードだった。彼女は無事だろうか。


 恐る恐る、ゆっくりと脇腹に力を…入れることはできた。続いて自然と腹筋に力が入る。

 きゅっとお腹周りが引き締まる感覚がある。お尻も痛いが力を入れることはできた。


 痛すぎて力を入れることが出来ないのは、両足の付け根からおヘソ、胃の下くらいまでの部分。特に身体の内部。

 つまり股間から膀胱にかけて?くらいの場所が特に痛い。


 …バイクにぶつかって内臓だけ損傷?どうゆう事だ?


 身体のあちこちが痛いから内臓だけという訳では無いんだけど、こんな意味不明な怪我の仕方なんか聞いたこともない。


 まるで…そうだな。


 バイクは急ブレーキをして止まったが、勢いを殺しきれずに股間だけに直撃、ぶつかった衝撃で宙に勢いよく飛ばされ、地面に何回もぶつかりながら転がった。だから股間から内臓にかけてひどい怪我を負ったが、身体のほかの部分は打ち身くらいですんだ。


 もしそう言われたら納得してしまうくらいに、おかしな怪我の仕方をしている。…痛すぎて感覚が麻痺しているだけかもしれないが、僕のアソコは無事だろうか…


 僕は結婚したばかりなんだ…

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